社労士試験で効果的な暗記学習とは。試験合格に向けた学習のポイントがわかる

2022年12月23日2023年12月14日

社労士試験は暗記しなければならない内容が多く、受験者の多くが苦戦しています。この記事では、社労士試験の効果的な暗記学習の方法を解説します。社労士試験の合格が難しいとされる理由や、暗記学習のポイントをまとめているので、社労士試験での合格を目指している人は、参考にしてください。

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社労士試験の合格が難しいとされる理由

社労士試験は合格率が1桁で、合格が難しい試験の1つとして知られています。例えば下記の理由などが挙げられます。1つ目は選択式が8科目、択一式が7科目と試験範囲が広く、覚えなければいけないことが多いことです。

2つ目は総得点だけではなく各科目に基準点が設けられているため、苦手科目があると、基準点割れで不合格となってしまう可能性があることです。

社労士試験では正確な暗記が重要

社労士試験はマークシート形式で実施されます。細かい数字やキーワードが頻繁に問われるため、正確な知識が必要です。内容によっては理解が難しい部分もあり、暗記が求められる一面があります。必要なキーワードを、正確に記憶することが大切です。以下で、合格するために欠かせない、3つのポイントを解説します。

試験問題は2種類ある

社労士試験の問題には、選択式と択一式の2種類があります。選択式とは、語群のなかから適切なキーワードを選択する問題です。基本的には、1科目あたり5つの空欄があり、20の語群から正答を選びます。

択一式とは、5つの選択肢から正しいもの、もしくは誤ったものを選択する問題です。正しいものや誤っているものの組み合わせや数を数える、組み合わせ問題や個数問題が出題されることもあります。

基準点とは何か

基準点とは、科目あたりに定められた合格ラインです。社労士試験は選択式8科目、択一式7科目と多くの科目がありますが、1科目だけでも合格基準に満たない点数では不合格となります。そのため社労士試験に合格するにはすべての科目を隈なく勉強し、すべての科目で基準点を超えなければなりません。

合格基準点の目安はいくつか

合格率は、6～7%前後といわれています。合格基準は、毎年変化します。社労士試験の合格基準点を以下に記載します。以下は、令和4年度社労士試験の合格基準です。

選択式試験：総得点40点中27点以上かつ各科目5点中3点以上
択一式試験は、総得点70点中44点以上かつ各科目10点中4点以上
※上記の合格基準は、試験の難易度に差が生じたことより、昨年度試験の合格基準を補正したものである。

※参考：第54回（令和4年度）社会保険労務士試験の合格基準及び正答

社労士試験の効果的な学習方法

難易度の高い社労士試験に合格するには、効率的な学習が欠かせません。3つの学習方法を解説します。

1.基本知識をマスターする

社労士試験が難しいのは確かですが、試験問題の答えはテキストのなかにあります。そのため、基本知識を得られるテキストを押さえることは、社労士試験合格に重要なポイントです。テキストを一通り読んで理解すること、問題を解いた後にテキストに立ちかえって条文・判例・通達などの基本知識を確認することが大切です。

2.出題傾向を知る

法律の条文を丸暗記することのは難しく、非効率です。社労士試験には頻出・重要論点があります。これを明確に意識して記憶することが有効です。科目別の出題傾向を把握して、徹底的に学習しましょう。予備校や通信講座であれば、講師が出題傾向を教えてくれます。独学であれば、テキストや過去問などを分析することで確認できます。逆に頻出ではない部分は学習の優先順位を下げることで、効率的な学習につなげることが可能です。

3.過去問題を解く

試験学習は、過去問題を中心に学ぶのがおすすめです。過去問題は過去の本試験であり、今年の本試験に対策するうえで非常に有効です。講義とテキストで基礎知識を身につけ、過去問題で問われ方を把握して訓練し、再度テキストで問われているポイントを確認する流れを繰り返しましょう。

暗記学習のポイント

やみくもに頑張っても、時間には限りがあります。記憶を効率的に定着させるうえでのポイントを、3つ解説します。

1.制度趣旨を把握する

制度趣旨とはなぜその制度ができたのか、何のための制度なのかを示すものです。これを理解することは効率的な記憶に有効です。また、見たこともない初見問題に対しても、制度趣旨をもとに解答を類推する力を身につけることができます。

2.具体例をイメージする

条文は、具体例を当てはめて理解しましょう。最近の社労士試験では、法律の条文がそのまま出題されて正誤を問われる問題は多くなく、具体例に当てはめた問題が増えているためです。様々な切り口・角度で問われるため、条文の丸暗記は非効率なうえに、通用しない場合があります。問題で問われている「論点」は何か、という観点で学習する必要があります。

3.各制度の違いを理解する

科目を超えて、各制度の類似点や相違点を比較して理解しましょう。科目を超えた学習のことは「横断学習」と呼ばれます。社労士試験に合格するには各制度を比較して整理し、試験で問われる部分にフォーカスした学習が効果的です。それぞれの制度の類似点や相違点が理解でき、知識が整理されやすくなるでしょう。

試験学習全体のポイント

暗記だけでなく、社労士試験に合格するための学習において、重要なポイントを解説します。

1.反復学習を行う

社労士試験に合格するためには、反復学習が効果的です。人間の記憶は、時間の経過とともに薄くなります。忘れかけた頃に覚えなおす復習を何度も繰り返すことで、記憶に定着させることができます。また出題範囲が広いため、復習や繰り返し学習など、忘れてしまうことを前提とした学習が重要です。

2.テキストを音読する、キーワードを書き出す

目でテキストの文字を追うだけの黙読で、本当に記憶が出来ているかを確認する必要があります。例えば、音読や用語の書き出しをするなどの工夫が考えられます。「論点」と言われる条文に関するひっかけの問題を読んだ際には違和感を覚えやすくなり、間違いに気付きやすくなるでしょう。また「論点」を書き出すことで集中的に記憶することも可能になります。スマートフォンに自分の声を吹き込んで、自ら聞く音声学習もおすすめです。

社労士試験の学習では完璧主義は控えめにする

社労士試験は、試験範囲が膨大です。そのため完璧を求めてすべてを覚えようとすると、時間が足りなくなり非効率です。出題傾向はある程度明確になっているため、テキストに書いてあったり講義で聞いたりする頻出のポイントに絞って、集中的に勉強するようにしましょう。

効率的に学習するなら通信講座を検討する

独学での合格も不可能ではありませんが、難易度はかなり高くなります。予備校や通信講座を利用すると試験学習を効率よく進められるでしょう。特に通信講座ではスマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスに対応し、場所を問わずに学習できます。隙間時間や移動時間を活用できるため、自分のペースに合わせた反復学習に向いています。