社労士の選択式対策は、学習する順番を工夫したり、過去問を活用したりすることが重要です。難易度が高い社労士の試験は、基礎を学んだうえで出題形式に慣れておく必要があります。この記事では、社労士の選択式や択一式の問題の対策、独学のコツを解説します。社労士試験の対策を行う際に、ぜひ参考にしてください。
社労士の選択式問題の内容
社労士の選択式問題は、社会保険や労働に関する法律や一般常識から穴埋め形式で出題されます。問題文にある5つの空欄に、当てはまるキーワードを20個の語群から選び、解答します。選択式の試験はすべてマークシート方式で、全8科目、1科目につき5点ずつ配分の合計40点満点、試験時間は80分です。
社労士の選択式問題と択一式問題の違い
択一式問題は、5つの選択肢から正しいもの、または誤りのものを選ぶ五肢択一の問題です。出題される問題のなかには、組み合わせ問題や正誤の個数を答えるものも含まれます。全7科目で1科目につき10問出題され、計70問で70点満点のマークシート方式の試験です。試験時間は210分です。
社労士試験の基準点
社労士試験には、各科目に基準点が設けられています。科目ごとの基準点は、他の国家資格にはありません。合格の基準は、選択式問題は各科目で5問中3問以上の正解、択一式問題は各科目で10問中4問以上の正解です。受験生の間では、合格基準に満たない点数のことを足きりと表現することもあり、定められた基準を満たすことが、社労士の試験合格には必須となります。
社労士試験の救済とは
社労士試験の救済とは、合格基準点を引き下げることです。各科目の合格基準点(選択式3点、択一式4点)以上の受験者が全体の5割未満の場合、合格基準点の引き下げが行われます。ただし、以下のケースでは救済は実施されません。
- 救済によって7割以上の受験者が合格基準点を満たす場合
- 引き下げた合格基準点が、選択式で0点、択一式で2点以下の場合
たとえば、選択式試験のなかで、受験者の半数以上が3点をとれなかった科目があった場合、2点以下の人の割合によっては、その科目での救済が検討されます。
※参考:社会保険労務士試験の合格基準の考え方について|厚生労働省
社労士試験の合格基準点
社労士試験の合格基準点は、毎年変わります。令和4年度の合格基準点は以下の通りです。
- 選択式試験は40点満点中、総得点27点以上かつ各科目5点中3点以上
- 択一式試験は70点満点中、総得点44点以上かつ各科目10点中4点以上
社労士の試験に合格するには、全体の7割以上の得点かつ科目ごとの基準点をクリアしなければいけないため難易度が高いといわれ、合格率は6〜7%前後になっています。事前に対策を行い、十分な勉強をしたうえで試験を受けることが重要です。
※参考:第54回(令和4年度)社会保険労務士試験の合格基準及び正答
社労士の選択式問題に対する基本方針
社労士の試験対策は、選択式に特化させて学ぶのではなく、すべての科目を満遍なく学ぶ必要があります。苦手科目をつくってしまうと、基準点に届かない科目ができてしまうため注意しましょう。
選択式試験は、問題の正解肢のなかに必ず答えがある方式のため、文脈から意味を判断する読解力も点数につながります。また数字やキーワードと言われる頻出項目があるため、テキストをしっかりと読み込む習慣をつけ、問われているポイントを記憶することが重要です。
社労士の選択式問題の学習するコツ
社労士の選択式問題を学習するコツは、学習する順番の工夫や、択一式問題に対応できる力を身につけることです。
学習する順番を工夫する
社労士の試験対策は、基礎から応用の順で学ぶことが重要です。まずは、社労士の基本である労働基準法の学習から始めましょう。クレアールでは、以下の順番で学習します。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労働保険徴収法
社会保険関係は、以下の順番で学習を進めます。
- 健康保険法
- 国民年金法
- 厚生年金保険法
一般常識科目関係は、以下の順番です。
- 労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
クレアールでは、原則として、択一式の問題で十分に点数が取れれば、選択式の問題の点数も自ずと上がるという考え方で学習を進めます。インプットとなる講義やテキスト、アウトプットとなる答練では、量や質に定評があり、丁寧に教えるため安心して学習に取り組めます。
択一式問題に対応できる力を身につける
択一式問題は、社労士試験の基礎固めができると対応ができます。条文や通達、判例などに関する知識は、選択式問題と択一式問題どちらにも必要な力ですので、習得を目指しましょう。択一式問題の点数が上がると、基礎が身についてきたということになるので、選択式の点数も上がりやすくなります。
選択肢の中の「この部分がバツ、正しくは○○」のように意識して解くと、選択式の対策にもなるため取り組んでみましょう。クレアールでは択一式問題をさらに一問一答形式に分解・編集した過去問に取り組むことで、基礎固めをすることが可能です。
社労士の過去問を活用するコツ
社労士の過去問は、試験傾向や自身の苦手分野を把握するのに有効です。ここでは、社労士の試験に過去問を活用するコツを解説します。
過去問は試験対策として有効
一問一答形式の過去問だと、例えば法律のどの条文からどれくらい出題されているのかがわかり、試験の傾向をつかめます。また解説文の赤字に「隠しシート」を使えば、選択式対策も可能です。過去問に取り組むと試験問題の苦手分野が明確になるため、本番の試験に向けて対策を打ちやすくなります。最低でも過去10年分を目安に、過去問を繰り返し解きましょう。
クレアールは過去問を特に重視しており、多くの過去問に取り組めます。一問一答形式の過去問を解き、肢別の問題を使って正確な知識を身につけられるため、試験対策として十分な学習が可能です。
過去問以外も活用して試験対策を行う
過去問に取り組むだけでも試験の点数は上げられますが、新問や、問われる切り口・角度が異なる問題には対応できません。過去問の「出題パターン」のみに対して暗記するのではなく、「重要な論点」を押さえることの意識が重要です。
社労士試験の学習は、最新の法改正を考慮する必要もあります。また、一般常識に関する問題は出題範囲が広いため、過去問以外からも学ばなければなりません。予想問題集を活用して試験対策を行いましょう。
社労士の模擬試験を受ける
社労士の模擬試験は、試験本番の対策として有効な手段です。クレアールでは模擬試験のほかに、本試験の出題形式で問題に取り組めるハイレベル答練というカリキュラムを用意しており、合格のための実践力を身につけることができます。模擬試験は、他流試合として他校のもの模試を受けることも効果的です。
社労士合格に必要な学習時間は?
社労士合格に必要な学習時間は、一般的な目安として800~1000時間程度といわれています。例えば働きながらであれば、平日は1日2時間、休日は1日5時間程度の学習をすることで、10か月~1年程度の学習期間で合格が見えてくる計算となります。
社労士合格を独学で目指すメリット・デメリット
ここでは、社労士合格を独学で目指すことのメリットとデメリットを解説します。
社労士を独学で目指すメリット
社労士試験の特徴を理解し、正しい勉強法を継続的に実践できる人であれば、独学でも試験対策を行うことが可能です。社労士を独学で目指すメリットは、勉強にかかる教材費や教育費などを抑えられる点です。自分に合う問題集や参考書を中心に勉強を進めることができます。
学習を自分のペースで進められる点も、独学のメリットといえます。社労士は、予備校を活用しても10か月〜1年の学習期間が必要とされています。合格までの期間を特に設けずに、数年単位の時間がかかったとしても自分のペースでコツコツと合格を目指したいす場合には、おすすめの学習方法です。
社労士を独学で目指すデメリット
社労士を独学で目指すデメリットは、学習の効率が悪くなる点です。社労士の試験は学習する範囲が広く、頻出・重要論点や最新の法改正への対応などが必要なため、独学では対応しきれない可能性が高くなります。長期に渡るスケジュールを組んで自走し続けるむことは難しいことに加え、分からない部分を誰にも質問できないため、理解が進まないというデメリットもあります。
また試験に不合格となった場合は、敗因分析も不十分になりがちです。次年度に向けて最適な学習計画が立てにくい、教材の買い直しが必要となり費用が余計にかかるなど、モチベーションの維持も難しくなる可能性があります。
社労士の選択式問題対策ならクレアールがおすすめ
クレアールは独自の勉強法である「非常識合格法(商標登録)」を使い、受講生を合格に導きます。過去20年間の試験問題を徹底的に分析し、「やるべきではないところ」を明確にすることで、合格に最も近い「やるべきところ」のみに集中できる点が特徴です。満点ではなく、合格に必要な得点を目指すため、効率学習が可能になり、勉強時間の少ない社会人にもおすすめです。
まとめ
社労士の選択式問題の対策には、基礎固めや学習する順番の工夫、数字やキーワードと言われるポイントを意識した学習が必要です。テキストや過去問、模擬試験を活用し、出題範囲や自身の弱点を明確にして学習に取り組みましょう。合格するまでに約1年の学習期間が必要になるため、質の高い学習計画が重要です。
クレアールは53年の歴史があり、非常識合格法や有名講師陣による講義、質問無制限の手厚いサポートが受けられます。2年学習のセーフティコースもあるため、最短で社労士の合格を目指す際は、ぜひ利用を検討してください。
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