社労士資格で副業は可能です。報酬や受注のしやすさなどは案件によって様々ですが、業務の選択肢も多いため、副業に適しているとも言えます。ただし、社労士として副業を行う際には、社労士会への登録が必要です。本記事では、社労士の仕事内容や副業の探し方、はじめる前の注意点について解説します。社労士として副業をする際の参考にしてください。
社労士資格で副業・ダブルワークはできるのか?
社労士資格を取れば、副業をすることができます。その理由と、副業でできる社労士業務について紹介します。
社労士資格で副業は可能
労務管理のエキスパートである社労士は、高い副業収入を見込める職業です。業務を選べば、本業があっても土日メインで働けます。しかし、なかには平日に稼働しなければならない業務もあります。
平日に活動して本業が疎かになっては元も子もないので、社労士業務を行うなら、土日メインの仕事を探した方がよいでしょう。
社労士の1号業務・2号業務・3号業務
社労士の業務には、1〜3号までの業務があります。
1号業務は、労働や社会保険に関する申請書類の作成や手続き代行業務。
2号業務は労働社会保険関係法令にもとづく、帳簿書類の作成業務です。
3号業務は顧客の労務管理や社会保険に関する相談に応じたり、指導したりするコンサルティング業務です。
社労士資格で可能な副業3選
社労士資格を取ることで可能な副業は主に3つあります。社労士の独占業務、執筆、添削指導・講師業務です。
社労士の独占業務
副業で、社労士の独占業務(1号業務と2号業務)を行うことができます。「健康・雇用保険の加入手続き」や「健康・労災保険の給付申請」、「助成金申請のサポート」などの業務が考えられます。副業をしながら実務経験を積み、人脈を作ることで、より仕事の幅を広げることもできるでしょう。
ただし、副業を始める前には社労士会への登録が必要になります。登録には登録料や手数料、年会費等が必要です。
記事の執筆業務
労務管理の専門家として、関連する記事の寄稿やホームページ、SEO記事の作成などが考えられます。このような業務は決まった時間の拘束がなく、いつでもどこでも仕事ができるのが特徴です。今後の社労士としての営業活動用に、ポートフォリオ代わりに自分を売り込む効果も見込めます。また、個人でブログやYouTubeチャンネルを立ち上げてアクセスが集まれば、広告収入を得ることも可能です。
添削指導や講師業務
社労士は、士業のなかでも難易度の高い国家資格です。目指す受験生が多いため、社労士試験の添削指導や講師の募集が多い傾向にあります。夜間や土日に開催している授業や模試も多いため、空いた時間を有効に副業にあてることが可能です。社労士としてのキャリアがなくてもできるため、副業に適しているといえます。ただし、人にわかりやすく教える技術などを磨く必要があります。
社労士の副業種別ごとの特徴
副業として考えられる社労士業務の種類別に、報酬体系や、本業との両立しやすさはそれぞれ異なります。
報酬体系の比較
業務別の報酬体系を紹介します。
副業の種類 | 報酬体系 |
---|---|
独占業務・コンサルティング業務 | 案件ごと 従業員数などの規模ごと 時間ごと(コンサルティング業務) |
記事執筆 | 文字数ごと 記事ごと アクセス数ごと(広告収入) |
添削指導・講師業務 | 一問ごと 受講者ごと 時間ごと 一講座ごと(講師業務) |
本業との両立しやすさの比較
各業務によって、副業として本業と両立しやすいかは異なります。例えば独占業務やコンサルティング業務など、企業を顧客とする場合はスキルや経験だけでなく、平日の稼働を求められがちです。また、補助金や助成金のサポート業務や、規模の大きいコンサルティング業務は、相当の決意のもと請け負う必要があるため、副業として両立するには注意が必要です。一方で記事の執筆や添削などは、比較的時間に縛られないため、両立しやすいといえるでしょう。
社労士の副業の探し方
社労士の副業は、人脈から探す方法、クラウドソーシングやHP・ブログから探す方法が一般的です。
人脈から探す
社労士やそのほかの士業は、仲間や知り合いへサポートを頼むことも多いため、人脈を作っておくことで仕事の依頼が舞い込むことがあります。普段から社労士会が主催するイベントや勉強会、懇親会などに積極的に参加して、情報収集しながら人脈を作っておきましょう。
副業だとなかなか営業活動に時間を費やすことができないため、効率的に仕事の依頼につなげられます。
クラウドソーシングやHP・ブログから探す
マッチングサービス・クラウドソーシングには、社労士資格取得者を対象にした募集があるため、副業を探すのに便利です。
また、ブログなどで自分のページを持って資格取得直後から情報発信する方法もあります。うまくアクセスを集めることができれば、記事作成などライター業務につながる可能性もあります。また、将来の開業に向けた営業活動の準備にもなるでしょう。
社労士の副業を安定して続けるために必要なこととは
社労士の副業を安定して続けるには2つの方法があります。「実績を積むこと」「受注力をつけること」です。
実績を積む
社労士資格を持っているだけでは、仕事は受けられません。人脈の活用やクラウドソーシングサービスなどに登録し、地道に活動しましょう。そして、仕事を受けたらどのような仕事でも責任をもってやり遂げることが大切です。
小口案件でも実績を積んで顧客からの信頼を得れば、いずれ大きな仕事の依頼が舞い込んでくる可能性も高まります。
受注力をつける
受注力をつけることも大切です。受注力をつけるためには、社労士の交流会などに参加して人脈を広げて仕事獲得の機会を増やしましょう。あらかじめ名刺やポートフォリオを作っておいて交流会の場で配るのも、受注をしやすくする方法の1つです。
自発的に行動しないと社労士として副業を得ることは難しいため、積極的な行動力が求められます。
社労士の副業開始前の注意点
社労士として副業をするための注意点は3つあります。「会社規定の確認」「社労士としての登録」「確定申告の準備」の3点です。
会社規程で副業を禁止していないか
まずは自分の所属する会社の社内規定を調べ、副業が認められているか確認する必要があります。本業への影響から、副業を禁止している会社もあります。会社に隠れて副業をすると、懲戒対象となる可能性もあるため注意しましょう。
会社によっては申請をして副業が可能になる場合もあるため、まずは社内規定を確認してください。
社労士としての活動は登録が必要
社労士として手続き業務や書類作成などの独占業務を行う場合、開業登録が必要です。社労士会への登録には登録料や手数料、年会費などがかかるため、資金を確保しておきましょう。ブログを執筆して「社労士」を名乗る場合にも、社労士会への登録申請をする必要があります。
細かな部分を怠らず、不安なく副業をスタートさせてください。
確定申告の準備をする
確定申告の準備をしておくことも重要です。副業で事業所得や雑所得が20万円を超えた場合は、確定申告が必要になります。社労士は仕事の単価が高いため、いずれも超えやすいので注意してください。
副業を始めたら、経費計上した支出の領収書やレシートは保存しておくとよいでしょう。
確定申告の際に慌てずに対処できます。
社労士の独立・開業の準備に副業が役立つ
副業で社労士の仕事を行うことで実務経験を積めるため、独立・開業の準備に役立ちます。実務経験を通して、自分が社労士として独立・開業すべきかどうかを見極められるのもメリットです。副業として社労士をすることは、将来スムーズに仕事を進めるための貴重な経験になることでしょう。
まとめ
社労士の資格さえあれば、社労士にしかできない副業に取り組む機会を得ることが可能です。社労士資格取得の通信講座なら、ぜひクレアールをご検討ください。50年以上の歴史を持つクレアールの「非常識合格法(学習法)」は、最短で合格がつかめる勉強法です。
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