司法書士試験受験生におすすめの年末年始の過ごし方

司法書士コラム

みなさんこんにちは!クレアール司法書士講座受験対策室のR.Nです。
本日は、年末年始に差し掛かるタイミングですので、「司法書士試験受験生におすすめの年末年始の過ごし方」についてご紹介します。

既にご自身の勉強スタイルを確立されている方や、年末年始の(学習)計画を立てている方も多くいらっしゃるかとは存じますが、少しでも参考になる部分がありますと幸いです。

新しい分野を進めるのか、復習に徹するのか

資格スクールの指導としてよく言われるのが、「長期休暇など、学習時間を多めに確保することができるときは、その期間をどのように過ごすかの『テーマ』を予め決めておくと良い」ということです。

例えば、年末年始休暇のタイミングで、新しい(次回の本試験に向けた学習をまだ開始していない)科目・分野に着手し、キリが良いところまで終わらせるというのも一つの手です。新年を跨ぐのもあり、気持ち新たに学習に専念することができると思います。

一方で、時間がしっかり取れるタイミングで、復習が手薄となっている分野を振り返るのも大切です。特に基本4法については、日常の細切れの時間の復習のみならず、しっかり時間をかけて体系的に振り返る必要性を感じている方も多いと思います。本試験まであと半年ある年末年始のタイミングだからこそ、焦らずしっかり、学習の不足を感じる分野ととことん向き合う時間を作ることができます。

なお、個人的に最も良くないと感じるのが、特に目的意識なく新しい分野に触ってみたり、かと思えば目についた分野をまばらに復習してみたり…総じて「この年末年始でこんなに学習を進めることができた!」とご自身の中で自信を持てそうにない、どっちつかずな学習をしてしまった場合だと思います。

ただ、「年内は復習を行い、新年が明けたら新しい分野をスタートする」というように、自分の中でタイミングを区切って勉強内容を切り替える場合は、メリハリがついてむしろ良いと思います。

敢えて弱点を克服する

司法書士試験は、その出題の殆んどが基礎知識であるとはいえ、時間をかけて向き合わないとなかなか消化することができない難しい分野が複数あります。
例えば…

共同抵当の配当額の計算問題
・相続分や遺留分の計算問題

・区分建物
・仮登記
・処分禁止の仮処分
・信託
・種類株式
・組織再編

など。挙げれはキリが無いと思います。
「基本4法の範囲だし、年明けに持ち越したくないなあ…」と感じる方も多いのではないでしょうか。これらについては、優先順位をつけて、年内中になるべく復習を終わらせておくことをおすすめします。難しい範囲から終わらせておくと、年明けにそれ以外の分野に触れたときに相対的に平易に感じられて、学習に弾みがつくはずです

自分の経験談ですが、「せめて民法の前半くらいは弱点を潰しておきたい」ということで、目標年度前年の年末に、共同抵当の計算問題ばかり集中して解いた日がありました。
これは、当時の自分の「辛うじての意識の高さ」が垣間見える取り組みだったと感じられるため、今振り返っても結構良かったと思っています。
ただ、会社法の学習も中途半端になりながら、民事訴訟法等の講義視聴にも慌てて手を付けている状況でしたので、理想的な学習の進め方は全くできていませんでした(この時の経験を反面教師として、①の内容を書いています)。
それゆえに精神的にはかなり参っておりました。これは、自分の中でハッキリと「この期間で、これだけの学習をして、今できる限りしっかり向き合って、ある程度基本知識が身についた」と思える程度に自信がつかず、「学習が進んだ」とは感じられなかったからだと思います。

年末年始の、一年の中でも「特別なタイミング」で、敢えて苦手分野と向き合ったり、苦手な知識を暗記しようと画策した経験は、普段の学習とはまた違った「特別な記憶」として印象に残ると思います。ですので、お正月ムードの中苦しみは伴いますが、ある程度の苦手潰しに時間を充てることをお勧めします。

朝型の人は朝ガッツリ、夜型の人は夜ガッツリ

数日間休暇が続くと、日ごろの疲れからついつい寝すぎてしまったり、夜更かしして生活リズムを崩してしまう方も多いのではないでしょうか。受験生時代の、真冬の時期の自分がそうでしたが、生活リズムが崩れると、「どうして自律ができないんだ…」と自己嫌悪になることもしばしばあります。
夜型の方、特に午前中に起床することすら辛くなってしまう方は、本試験はまだ半年も先とは言え注意が必要です。

そこで、予め「○時~○時の○時間は、勉強にしっかり向き合う」と決めて、年末年始の勉強の予定を立てることをお勧めします。長時間でなくて良いので、「勉強を最優先のタスクとして、集中して取り組む時間」を設定し、毎日それだけは「自分との約束」として最低限厳守するようにしてください。

朝型の方は朝のまとまった時間、夜型の方は夜(前述の理由で深夜はお勧めしません)のまとまった時間の中で、「一日の中で最も頭が働く・集中できる」時間を勉強時間に充ててください。勉強に向き合うハードルが低い時間帯を自由に設定して、あとはその決めた時間の中で、決めたノルマを集中して終わらせるようにしましょう。

24時間の中のたった1時間だとしても、集中すれば意外と捗って学習が進んだり、「1時間でこれだけやり終えたんだから、また後でちょっと時間ができたらノルマを追加しよう」等と、調子が上がって勉強時間を伸ばすこともできると思います。

初詣など、季節の風物詩を取り入れる

長期休暇中、毎日勉強にばかり意識を向けていると、ついつい追い込み過ぎて心身の不調に繋がることがあります。そこで、息抜き・ウォーキングや合格祈願を兼ねて、初詣くらいは行ってもいいのではないかと個人的には思っています。
ただ、インフルエンザ等も流行っており人混みは避けたいと思いますので、お近くの神社の近くを散歩して新年の空気を味わうだけでも良いと思います。一日中家にいて、外の空気を吸わないでいるのは、久々の通勤等で外出した時に体力の低下を感じ、体調を崩しやすくなると思うので、定期的に寒さに身を馴らしておくことが大切です(ご高齢の方の元気の秘訣として、「冬は早朝に起きて外に出て、寒気(かんき)を吸い込み肺で感じる」というのを聞いたことがありますが、無理はしない方が良いと思います)。

なお、筆者(埼玉在住)の受験生時代は、心の余裕があまりになかったため、年始に初詣をすることはできなかったのですが、罪悪感や合格祈願をしなかった不安感や罪悪感がずっとつき纏ったため、3月下旬の直前期の直前に、思い立って鎌倉の荏柄天神社に合格祈願に行きました。

荏柄天神社の御祭神は「学問の神様」菅原道真公ですので、初詣のみならず受験シーズンはすさまじい混雑が予想されます。ですが、とても清々しく、また授与品等の梅のデザインが可愛らしいので、鎌倉へのアクセスが良いエリアにお住まいの方は、機会を見つけて参拝されては如何でしょうか。

鎌倉市にある荏柄(えがら)天神社では菅原道真公をお祀りしています。
日本三古天神 荏柄天神社【公式】 鎌倉 二階堂鎮座。受験・就職等 祈願受付  漫画家ゆかりの2つの筆塚

筆者は、合格通知を掻き寄せる「合格熊手」と、直前期の答練模試及び本試験のための「祈願鉛筆」を授かりました。当時は2時間弱程度の滞在で鎌倉を後にしましたが、荏柄天神社は、鎌倉駅から小町通りを抜け、鶴岡八幡宮の更に先にありますので、程よく観光気分を味わうことができました。

張り切って無理な学習スケジュールを立てない

よく言われることですが、年明けからの無理な学習スケジュールを立てないように気を付けてください。
仮に年内の学習の進みが思わしくなかった場合、「年明けから頑張ろう」と強く意気込む反動で、新年をスタートとして張り切った学習スケジュールを立ててしまうことがあると思います。
自分の場合、気持ちが引き締まって「学習計画を立てよう!」と思い至る時は、調子が相当良いタイミングばかりで、その「調子が良いときの自分」を基準とした無理な学習計画を立てた結果、三日坊主で頓挫してしまうことが多々ありました。

「一年の計は元旦にあり」というものの、あまりに張り切った学習計画を立てるのは、却って挫折に繋がりやすくなります。まずは「最低限○月までに確実に○○を終わらせる」「そのために、○月前半・後半(あるいは上旬・中旬・下旬)は、それぞれ○○を進める」等と、ざっくりとした最低ラインの目標と、それを達成するために直近で必要な学習内容を、ゴールから逆算しながら明確にすることを意識してください。

学習習慣を絶やさない

年が明けたら「直前期の直前期」である2・3月がもう目の前です。一年の中でも最も寒く、そして最も挫折しやすい時期でもあります。ただでさえ、人間は気温が低いと「冬季鬱」等で不調になりやすくなるので、それを見越してできる限りの準備を今からしておきたいところです。

どうしても気分が乗らない、あるいは体調が思わしくない等、とても集中できそうにないときは、無理に「目の前の1時間(※)」の勉強時間を重ねなくても良いとは思います。休まないと気力体力が回復しなさそうであれば、しっかり休んでください。
ただ、罪悪感ゆえに少しずつでも「今できること」を進めたいというのであれば、CROSS STUDYで得意分野の基礎知識を、寝っ転がりながらでもさらっと復習するのは如何でしょうか。

どのような学習スタイルが、今後日常に戻った時の生活に馴染むのか、新年を迎えるとともに色々と試してみるのも良いと思います。特にクレアールの教材は、CROSS STUDYのみならずPDF教材や音声データ等、コンテンツが充実しています。今までに活用したことがない教材群であっても、これを機に改めて触れて頂くと、もしかしたら「現在の学習進度」に見合った使い方が見つかるかもしれません

(※)語感が良いので、つい「目の前の1時間」と言ってしまうのですが、30分でも10分でも構わないです。本当に短い時間でも、勉強をすることはできます(それこそCROSS STUDYを1問解く等)。

最後に

行く1月、逃げる2月、去る3月
耳慣れた言葉ですが、本来は「1月~3月は行事が多く、あっという間に過ぎてしまう」という意味です。

受験生は行事に参加している場合ではないと思いますが、これからの受験生活は、この言葉のスピード感を一層身に染みて感じられるはずです。そして、直前期まで一直線に、脇目も振らず学習を継続して頂くのが理想です。
とはいえ、これは言うのは簡単で、成し遂げるのは難しいことだと思いますが…

一日一日、「目の前の1時間」の積み重ねを大切に、令和7年度の合格を決して諦めることなく、日々の学習に励んでください。
より身の入った学習ができるよう、陰ながら応援しております。

それでは、良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願い申し上げます。

★CROSS STUDY会社法「クレアールオリジナル問題」300問追加しました!

クレアールオリジナルの、会社法の一問一答形式問題(300問)を、CROSS STUDYに追加しました!

会社法は苦手とされる方が多い印象があります。これは、過去問の蓄積が少ないことが一因であると考えられます。
そこで、クレアール司法書士講座では、過去問として出題されていないものの、今後出題が予想される重要な論点を中心に、今回CROSS STUDYに掲載するために、300問の問題を新作しました。

年末年始は、苦手科目を克服する絶好の機会です。
是非CROSS STUDYをご活用いただき、会社法を得意科目にしてください!

BACK NUMBER

久々に如何ですか?~CROSS STUDYの正答率50%未満の肢シリーズ(全35肢)~
※冒頭の挨拶が長い記事があるので、目次までスクロールしてください。

民法(7肢)
不動産登記法(5肢)
会社法(4肢)
商業登記法(5肢)
民事訴訟法等(6肢)
憲法、刑法、供託法、司法書士法(8肢)

年末の復習に、是非ご活用ください。

執筆:R.N(司法書士有資格者)

クレアールの初学者向け司法書士講座を受講し、令和4年度司法書士試験に一発合格。
大学在学中は司法試験を目指していたが、挫折してしまい法科大学院に進学しなかった経験あり。法律難関資格への想いを断つことができず、司法書士試験を目指すことに。
現在は、クレアールの司法書士教務担当として受講生のサポートなどを行う。他に行政書士、宅建士、日商簿記2級、漢検準1級等を保有。

司法書士コラム
palette
タイトルとURLをコピーしました