皆さまこんにちは。
大寒となり、一年で最も寒い時期ですが、勉強は捗っていますでしょうか。
今は年が明け、本試験へと意識が向き身が引き締まると同時に、寒さが厳しくなり、勉強に向かい続けるのが、心身共にしんどくなる時期であると思います。
実際、今の時期そしてこれからの時期(1月~3月)は、
「今年の試験にはもう間に合いそうにないから、諦めようかな…」
「来年本気を出そう、今年はもうお試し受験でいいや…」と諦めムードになってしまう方や、
寒さも影響して精神的に不安定になってしまい、そもそもの受験自体を諦める選択をしてしまう方が出てくるシーズンでもあると聞きます。
そこで、今回はこれから2・3月の勉強計画を立てるにあたっての一助となるような記事を書いていきたいと思います。
受験経験の有無や択一式基準点を超えたことがあるか否かで場合分けしておりますので、下記(1)~(3)からご自身に該当する見出しをお選びください。
(1)受験経験者で択一式基準点を超えている方へ
(2)受験経験者で択一式基準点未満の方へ
(3)初学者の方へ
※「(3)初学者の方へ」の中の「専業受験生向け」の項目内で、専業受験生であった当時の私のざっくりとした一日の勉強スケジュールを書いておりますので、受験経験者の専業受験生の方にもご覧いただけたらと存じます。
なお、私自身は初学者かつ専業という立場で令和4年度の試験に合格しておりますので、それ以外のご状況で受験に臨まれる方に向けては、その立場で受験して合格された令和4年度の同期から伺ったお話や、令和5年度合格者の方々の体験記を基に、自分の考えを書かせていただきますのでご承知おきください。
(1)受験経験者で択一式基準点を超えている方へ
今年の試験に照準を合わせて勉強されている方で、既に択一式の基準点を超えられている方については、特に2・3月の勉強計画の立て方とその実行方法が重要になってくると思いますが、
その上で、とにかく
①基本的な知識のムラをなくすことと、
②択一式と記述式の学習バランスを見誤らないこと
が重要だと思います。
① 基本的な知識のムラをなくすこと
令和4年度・令和5年度の、特に兼業受験生の合格者の方々の体験記を拝読すると、「苦手な分野・問題を分析し、その分野を重点的に過去問演習する」ということを徹底的に行っている方が多い印象です。
自分が本当にその分野を理解しているか?(理解するよりも暗記してしまった方が得点に結びつきやすい分野だったら、暗記が十分で絶対に間違えることのない論点か?)を徹底的に分析されています。
そして、時間が限られているので、得意な分野や頻出度が高いとは言えない分野の問題演習の優先度を下げて、小刻みに捻出された時間の中で苦手分野の克服を重点的に行われている方が多いです。
個人的には、このように苦手分野の克服を主眼に置いた問題演習をする際には、1肢1肢単位での知識の整理を目指すために、是非CROSS STUDYをご活用いただきたいです。
1肢形式にすると、5肢択一形式での過去問演習よりも細部まで知識を検討を要するため、どうしても時間がかかります。
ですが、まだ本試験まで時間がある時期ですので、1肢単位の細かい知識に目を向けていただき、何が過去問で直接問われていて、再度本試験にて出題されたら軸肢となりうる知識なのか、入念にチェックしていただきたいと思います。
なお、得意分野であったとしても、学習するたびに毎回目を通さないと忘れてしまいそうで心配であるという気持ちになる方も多いかもしれません。
しかし、個人的な感覚としましては、一度得意になった分野については、4月以降に時間をあけて見たときに「意外と忘れてる…」と焦ったとしても、必死に思い出そうとするので“本番には”間に合うと考えています。
本番にMAXの知識が入っている状態に持っていければよいのですから、一旦忘れても問題なく、むしろそれが自然な人間の記憶力であると思います。
付け加えて言うと、2月・3月に苦手分野を突き詰めた経験に比べたら、4月以降に得意分野の知識を思い出すことは、相対的に苦痛とは感じにくくなると思います。2月・3月の負荷が重くしんどいと思いますが、勉強するのが辛い部分を先にしっかりやってしまった方が後々楽になりますので、今が踏ん張りどころであると思います。
思うに、2月中に受験生の挫折のピークが来てしまうのは、現段階で苦手分野の棚卸や、それを克服するための見通しが全く立っておらず有意義な対策に手を付けられていないから、というのが大きいのではないかと考えています。
裏を返せば、3月までに苦手分野の対策を一通り終えていると、4月以降の直前期の試験対策に弾みをつけることができます。
苦手項目の詰め込みについては、本当に最後の最後までどうしても覚えられない事項については、超直前期の土壇場(6月下旬)でひっくり返さざるを得ないですが、特に基本4法の根本的な苦手分野(多くの受験生が苦手だが頻出である「仮登記」「区分所有建物」「種類株式」「組織再編」等)は、2・3月中に概要をしっかり理解の上、可能な限り過去問を8割以上正解できるようにしておきましょう。
苦手分野に限って言えば、今の時期に自分の言葉でノート纏めを行っておくのも効果的であると考えています(自分はやらなかったので、超直前期の6月下旬に後悔しました)。自分の言葉で纏めたノートが直前期の自分を救ってくれると思います。
また、フルタイム勤務の兼業受験生の方の中には、年度末・年度初めの3月・4月が繁忙期となり多忙を極める方も多くいらっしゃると思います。その場合、繁忙期に差し掛かる前の2月のパフォーマンスにより、3月から4月にかけての精神衛生が大きく左右されると思われますので、可能な限り2月中に、基本4法の苦手分野の過去問を8割程度得点できるようにしつこく繰り返し演習してください。
② 択一式と記述式の学習バランスを見誤らないこと
兼業の方が記述式の演習に時間がかけすぎると、択一式に充てられる貴重な時間が足りなくなってしまいます。
令和6年度は、記述式の配点が2倍になってから初めての司法書士試験となるのもあり、直前期(4~6月)に向けて2、3月中にも一定量以上の記述式の問題演習時間を確保するのは当然必須であるとは思います。
ですが、択一式で基本事項を落とすことなく全科目をしっかり学習しなければいけないことを見越すと、2、3月は記述式の問題演習ばかりに目を向けることはできません。
近年の合格者の合格体験記を拝読すると、兼業受験生の方は朝1時間早く起きて、しっかりと記述式の問題演習(記述式ハイパートレーニングを数問演習する、不登法と商登法のいずれかの過去問を1年分解く等)を行う時間を確保する、という試みをなさっている方が多数いらっしゃいました。
裏を返せば、記述式の演習は先に決めておいたその特定の時間(早朝の1時間)のみとし、後の時間は択一式の学習に充てていたということです。
勿論ひな形の学習など、記述式の演習というよりは登記法の択一式の問題に直結するものもあるとは思います。
記述式は1問解くごとに達成感があり、沢山演習したくなる気持ちは理解できますし、また司法書士試験合格に向けて記述式の演習時間は常に多めに設ける必要性があると考えている方がいるのもうなずけます。そして実際、記述式は択一式よりも「慣れ」によって、演習が得点に結びつきやすいと言えるため、より強く「やればやるほどできるようになる!」という感覚になると思います。
ですが、記述式ばかりを演習し、択一式の基本知識が抜けていってしまうという事態は防いでください。4~6月に記述式を追い込みたい(配点が2倍になったため、得点源としたい)のであれば、むしろ2・3月は択一式にしっかり注力して、基礎知識という全ての土台を着実に全科目積み上げてください。
(2)受験経験者で択一式基準点未達の方へ
複数年(目安として専業で3年以上・兼業で5年以上)受験経験があるにも関わらず、択一式で基準点を突破することができない原因には色々考えられますが、主に
①過去問で出題されている基礎知識の精度が足りないこと、また
②理解が甘い分野を放置している、あるいは認識していないこと、そして
③複数科目を同時に履修する等して頭の中に幅広い知識を同時に維持しておく経験が不足していること
が主であると考えます。
① 過去問で出題されている基礎知識の精度が足りないこと
過去問で何度も問われていて、正解して当然であると感じられている知識でさえも、全科目の学習を終えたころにはおぼろげになってしまうのが人間の記憶の悲しさです。
多くの方が学習序盤で演習するであろう民法の意思表示の分野について、複数年受験されている受験生の正答率が芳しくないという話を聞いたことがあります。
改正の影響等も多少はあったかもしれませんが、学習経験が長いがゆえに、基本的な分野についての認識が甘くなっている、言い方は悪いですが“軽んじている”ということもあるかと推測します。
司法書士試験としての学習年数が長い方や、司法試験等の他の法律試験から転向された方、総じて法律の学習歴に自信がある方ほど、司法書士試験の基礎知識の学習をおろそかにしないでいただきたいです。
どんなに難しい試験に挑まれていた経験がある方でも、民法総則の問題を間違ってしまうことは当然あり得ます。弛んだ認識をお持ちの方は、イチから知識を入れ直す気概を持って正確な知識を習得してください。
② 理解が甘い分野を放置している、あるいは認識していないこと
理解が甘いにも関わらず自分では学習済であるとして放置してしまっている分野がないか改めて確認してください。司法書士試験は範囲が膨大ですので、全ての範囲について自分の習熟度を検討するのは難しいと思います。ですが感覚的に、「最近あの分野やってないな…」と思い浮かべたり、また問題演習をした際に「簡単だと思っていた分野だけど結構間違えた…」と感じたり、アンテナを張ると意外と思い当たる分野はあるのではないか、と思います。
本試験までにガチガチに勉強計画を立て、それを寸分の狂いなく実行しようとするよりも、今現在の自分の感覚をもとに、知識を入れ直す必要性を感じた分野に、しっかりと向き合う時間を設けてほしいです。
③ 複数科目を同時に履修する等して頭の中に幅広い知識を同時に維持しておく経験が不足していること
確かに試験では出題される科目の順番は決まっていますし、民法の中でも総則→物権→担保物権→債権総論…と条文の順番通りに出題されます。
ですが、学習の段階で同時に複数の科目の演習を行うことに頭を馴らしておかないと、そもそも全科目の知識を同時に頭に入れた状態で試験会場に持っていく、というスタート地点に立つことができないと思います。
紙の教材で分野を跨いで演習しようとすると、ページがあちこちに飛んでしまって、集中力が削がれてしまうと思います。是非、CROSS STUDYの複数単元組合せ出題機能をご利用いただき、複数の分野を跨いだ演習を積極的に取り入れていただけたらと思います。
基準点未達の主な原因について3点述べてまいりましたが、もしかしたら、それ以前にもっと形式的な部分で、得点に結びついていない方も多いのではないかとも推測します。
その一例として、陥りがちなパターンを紹介いたします。
・暗記よりも理解を追求するあまり、1つの論点の学習に時間をかけすぎており、同時に複数の科目の内容を頭の中に入れるのが困難となってしまっている。
・「原則」と「例外」がある場合に、例外の内容ばかりを気にしてしまい、そもそもの原則の内容を正確に理解しておらず、改めて問題演習をすると基本問題を間違えてしまう。
・問題文(選択肢)の細部に気を取られるあまり、前提問題文の「正しいものの組合せ」「誤っているものの組合せ」を読み落としたり、選択肢の語尾を見間違える等のケアレスミスをしてしまう。
・ノートまとめ等の作業に多くの時間を割いてしまい、得点に直接結びつく問題演習が大幅に不足している(手段と目的が入れ替わってしまっている。専業期間が長く、様々な勉強方法を試行錯誤されている方にありがちです)。
・教材に載っていない事例を自作し、手元の教材の演習が全く進んでいない。
上記に当てはまってしまっていないか、今一度考えてみてください。
いずれも、合格が遠のいてしてしまう行動の典型例ですので、当てはまる方は要注意です。
なお、択一式基準点をなかなか超えられずにいる方の中にも、記述式は得意で模試や答練で安定して平均点以上得点できる方もいらっしゃると思います。そのような方は記述式配点2倍の変更を受けて記述式の演習へのモチベーションを上げてらっしゃると思いますが、ここぞとばかりに記述式の演習が過剰になってしまわないように、あくまで択一式の演習をメインにするように気を付けてください。
過去問題の演習を愚直に繰り返し、解説をしっかり読み、1つ1つの知識を可能な限り理解の上正確に記憶すれば、択一式の基準点を突破する得点力はどなたであっても確実に身に付くと言えます。
試験範囲が広く「択一式も記述式もやらないと」となると目が回ってしまいそうですが、まずは択一式の過去問を中心に、複数科目を「同時に」「正答率90%以上の精度を目指して」演習していってください。
(3)初学者の方へ
専業受験生の方へのメッセージと兼業受験生の方へのメッセージを分けて書かせていただいた上で、専業受験生・兼業受験生に関係なく、初学者の方へお伝えしたいことを述べていきます。
専業受験生の方へ
まず専業受験生の立場で令和6年度の司法書士試験合格を目指されている方は、司法書士試験に絶対合格しよう!(なんなら一発合格しよう!)と思って仕事を辞められている方も多いと推測します。
それを考えると、今勉強しない理由なんてないと思います。
あまりにも追い詰められると心身を壊して本末転倒になってしまいますが、全体の学習量が不足していたり、自分で立てた学習計画を全くこなしていけなかった場合、ますます精神的に苦しくなってしまいます。
専業受験生の立場の当時の自分が感じたこととしましては、択一式の問題を科目を変えずにずっと解き続けたり、記述式の対策(問題演習及びひな形の暗記)を一日中やり続けることは、知識がしっかり身に付いているのか不安になり、疲れてくると不毛な時間に感じられました。
ですので、飽きずに一日中勉強を続けられるような工夫をすると良いと考えます。
私の経験談ですが、一度に一気に頭に入れられる知識の量には限度があることを踏まえ、一日の中で時間を午前中・昼食後・午後①・午後②・夕食後・寝る前の6つのブロックに区切って、それぞれの時間帯の中で学習したいことを、その都度考えながら組み立てていました。
ご参考までに、当時の自分のこの時期(1月~3月)のざっくりとした過ごし方の例を2つお示しします。
【例1】記述式から学習を始める一日
・午前中【記述式(演習)】2~3時間程度
元気なうちに記述式不動産登記・商業登記を解く。
…主に「記述式ハイパートレーニング」の問題を、疲労を感じるまで集中して解き続けていました。
・昼食後【記述式(ひな形)】1時間程度
午前中に演習した記述式の熱が冷めないうちに、「合格書式マニュアル」で不動産登記・商業登記のひな形の確認を行う。
…午前中に演習した問題と関連がない内容のひな形でも、特に気にせず暗記に集中していました。
・午後①【択一式(演習)】2~3時間程度
ひたすら会社法及び商業登記法の択一式を横断的に学習する。
…過去問題集を中心としていましたが、5肢択一形式に飽きてしまうこともしばしばでしたので、一問一答形式の市販の演習本も併用していました。
・午後➁【択一式(講義視聴)】1時間程度
会社法及び商業登記法に飽きた頃に、1単元だけでも午後マイナー科目を視聴する。
・夕食後【択一式(演習)】1~2時間程度
夜になるとまた不安になり、会社法及び商業登記法の択一式の学習に戻る。
・寝る直前【択一式(講義視聴)】1時間程度
最後の足掻きで1単元でも多くマイナー科目の講義を消化しておく。
【例2】択一式から学習を始める一日
・午前中【択一式(演習)】2~3時間程度
朝から会社法及び商業登記法の過去問題集を横断的に解く。
・昼食後【択一式(演習)】1時間程度
つい眠くなってしまうので、横になりながら会社法及び商業登記法の過去問題集を解く。
(蛇足ですが、CROSS STUDYをスマートフォンで演習するなら、どんな姿勢でも勉強しやすくて良いな、としみじみ思います。)
・午後①【択一式(演習)】2~3時間程度
本当にガッツリと眠ってしまいそうなので、しぶしぶ机に向かって会社法及び商業登記法の過去問題集を解く。
・午後②【択一式(講義視聴)】1時間程度
会社法及び商業登記法の演習に疲れたので、1単元だけでも午後マイナー科目を視聴する。
・夕食後【記述式(演習)】1~2時間程度
「今日全く記述に触れていないな…」と焦り、疲れて眠くなるまで「記述式ハイパートレーニング」で不動産登記・商業登記の記述式を解き続ける。
・寝る直前【記述式(ひな形)】1時間程度
最後の足掻きで不動産登記・商業登記のひな形を確認しながら入眠。
上述の例は、私の苦手科目である【会社法及び商業登記法】を中心とした勉強スケジュールですので、皆さまの苦手科目・苦手分野に置き換えてカスタマイズしていただけたらと存じます。
また、基本講義の視聴が完了されている方は、復習講義や基本4法過去問解説講義を取り入れつつ、息抜きがてら講義視聴する時間を設けるとよいかと思います。
ちなみに、アルバイト等の予定がなく一日フリーの日の勉強時間は、少ない日で7,8時間程度、多い日で10時間以上、平均で9時間程度でした。
体力に自信がなく、一日12時間以上学習すると息切れしてしまう(そして飽きてしまい、反動が来る)ことがわかっていましたので、疲れて効率が悪くなってきたと感じたら、次の日の自分にバトンタッチしていました。
兼業受験生の方へ
初学者(お試し受験のみの方)がフルタイム勤務をしながら1年で合格レベルに持っていく事は、不可能ではないにしろ非常に厳しい前提条件であると思います。
実際に令和4年度の同期には、兼業での一発合格者(学習期間一年未満)という方はいらっしゃいますが、例えば公務員試験の受験経験があり、一通りの民法の学習したことがある等、まったくの初学者という条件まで当てはまる方はなかなかお見かけしていないのが現状です。
だからといって、諦めたり後ろ向きになる必要は全くありません。
なぜなら、よく言われる話ですが、初学者のほうが受験経験者よりも伸びしろが大きいからです。
司法書士試験は非常に範囲が広く、基礎知識が繰り返し出題されるとはいえ1つ1つの項目が容易ではないため、その全貌を把握し、その上で登記法の細かい知識、記述式での細かいテクニック等、司法書士試験に臨むにあたっての一通りの“作法”のような部分に慣れるのに、どうしても一定以上の時間がかかります。ましてや、働きながらになると、どうしても隙間時間を利用しながら忍耐強く学習を継続することになるため、そのハードルは非常に高いものであると想像します。
専業受験生・兼業受験生に共通して、初学者の方へお伝えしたいこと
厳しいことを言いますが、「試験に間に合いそうにないこと」は諦めて良い理由にはなりません。
遅かれ早かれ全分野の基本事項について、「過去問正答率95%以上相当の精度で」「全範囲を同時に」頭の中に入れて、更にそれを「使いこなせ」ないと、司法書士試験に合格することはできないためです。
強く言いましたが、決して全部が全部パーフェクトである必要は無く、「午前の部」「午後の部・択一式」「午後の部・記述式」の全てにおいて、基本知識を満遍なく網羅する(実践の場で使いこなせる程度まで知識を習得しないと、網羅したとは言えませんが)ことが決め手ですので、何かが突出している必要はありません。
しっかり基本問題で点数を積み上げられ、択一式・記述式、午前の部・午後の部のそれぞれで満遍なく得点を重ねられる人が、最も合格に近いと言えます。
記述式配点2倍の変更もありますので、択一式のみが得意であっても択一式のみで逃げ切り点を取れる可能性は以前より下がったと推測しますし、記述式のみが得意であっても択一式で基準点未達でしたらそもそも採点すらしてもらえないことは従来通りです。
ですが、「本試験当日」に「全科目・全範囲の基本事項を可能な限り網羅的に詰め込んで」、受験をすることが合格するための前提条件になることには変わりありません。
そして何より、そのことは勉強を始めて数カ月だろうと10年だろうと、専業だろうと残業有りのフルタイム勤務だろうと、絶対的に変わることはないのです。
どうせいつかやらなければならないなら、知識が一番頭に入ってきやすいタイミングで勉強に力を入れるに越したことはありません。
一年の中でそれはいつかと言うと、試験直前期(4~6月)です。
そして、試験直前期に“本試験で使える”レベルで知識を定着させるためには、試験直前期の直前期(2、3月)の準備期間が重要になってきます。
基本4法を中心に早回し(テキストでも過去問題集でもCROSS STUDYでも、教材はある意味なんでも構いません)して、目次を参考にしながら頭の中にデータベースの項目(章名と小見出し)を作っていっていただきたいです。2、3月はとにかくそのデータベースを少しでも多く埋めるべく(おおざっぱでいいので知識の大枠を頭の中に作る)、基本4法のメイン論点を中心にデータベースの大枠を作り、入れられる知識からどんどん入れていくイメージで勉強してください。
細かい知識は6月下旬の超直前期になっても詰め込むことができます(むしろある程度前提にある基礎知識が固まってから追い込まないと入っていきません)。ですが、科目の全体像の把握や項目ごとの大枠の理解は、あらかじめ理解してデータベースの土台を作っておかないと、いつまで経っても知識が入っていきません。
今私のこの記事を読んでイメージが湧いた方は、少なくとも択一式の基準点を超えるということについてかなり希望があるのではないかと考えます。択一式の基準点を超えれば、記述式の採点をしてもらえるため全くの収穫ナシで令和6年度の試験が終わってしまうわけではないですし、もっと言うと令和6年度の合格も狙えると思います。
なお、商法(会社法)及び商業登記法の勉強方法については、専業受験生時代の2月頃の超絶しんどかった経験を元に記事を書いておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
【商法(会社法)・商業登記法の学習で挫折しないように】
※昨年9月中に更新した記事で、時期に応じた学習順序をお示ししているので焦らせてしまうかもしれませんが、結論から言うとまだ巻き返せるので諦めないでください。
とにかくこの順序で、会社法と商業登記法を横断しながら、問題演習→暗記を繰り返していけば、超直前期(ゴールデンウィーク頃)あたりから会社法・商業登記法の得点率が伸びてくる可能性があると、個人的には考えています。
最後に
如何でしたでしょうか。
どうしても気合いを入れていただきたくて、部分的に辛辣になってしまったかもしれません。
また、結局自分で体験したことでないと断定的な書き方はできませんので、説得力がない部分もあったかもしれません。
ですが、ありがたいことに、令和4年度司法書士試験合格者として多くの同期、そしてクレアール司法書士教務スタッフとして令和5年度の多くの合格者と接する機会がありましたので、今回の記事をなんとか書き上げられました。
今後の試験勉強にあたり、少しでも励みになり、参考になれば幸いです。
★関連記事:
【記述式の配点2倍の変更を受けて】
【CROSS STUDYの活用方法について】
令和6年度司法書士試験に向けて、参考になる内容であると思います。
是非併せてご覧ください!
★最後になりましたが、本日令和6年1月26日に、昨年8月1日にリリースしましたCROSS STUDYの解答回数が100万回を突破しました!!!
これもひとえに皆さまのご愛顧のお陰です。誠にありがとうございます。
直前期めがけて益々問題演習に励んでください!