試験問題のカンニングや替え玉受験は何罪にあたる?

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監修:上村 信秋 講師(公務員講座)

卓越した指導力と情熱は、カリスマ講師の称号にふさわしい。 名実ともに受験指導の第一人者です。過去に公務員予備校講師の代表としてTVにも出演。
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就職試験の替え玉受験 – 2022年11月の事件 –

最近は、就職採用webテストで替え玉受験が問題になりました。

就就活「替え玉受検」、商社のウェブテストでも…関電社員を再逮捕 | 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
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就職採用選考のウェブテストの「替え玉受検」事件で、警視庁は9日、関西電力社員の田中信人被告(28)(大阪市北区)を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で再逮捕したと発表した。(以下省略)
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これは、女子大学生からの依頼を受けた京大大学院卒の会社員の男性が、替え玉受検をした疑いで逮捕されたという事件です。逮捕された会社員は以前から替え玉受験の代行業務を行っていたということです。

会社員が逮捕された罪は、電磁的記録不正作出罪、同供用罪という罪でした。

  • 第161条の2 第1項(電磁的記録不正作出及び供用) 人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

あまり聞きなれない犯罪かと思いますが、簡単に言えば文書偽造の電子版、ということです。
具体的には、銀行や郵便局の預金データや公務所で管理された個人データを不正に改変する行為,プリペイドカードの磁気部分の偽造・変造などがこれに該当します。

替え玉という不正手段によってwebテストの結果による選考について事務処理を誤らせるという結果へと導いたことがこの犯罪に該当するとされたわけです(もちろん、このケースでも偽計業務妨害罪は成立する余地はあります。今後の捜査を注視したいと思います)。

なお、依頼した学生も共犯容疑で書類送検されています。このような代行行為が摘発されるのは全国で初めてのことでした。

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