学習の段階別に襲ってくる挫折ポイントを知って、合格まで継続できる勉強スタイルを身に着けよう!

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監修:森 大地(公認会計士)

大学在学中に公認会計士の勉強をはじめ、公認会計士論文式試験に一発合格。現在は、クレアールの公式YouTubeチャンネル「公認会計士対策ワンポイントアドバイス」にて、監査法人での仕事や試験対策の学習法などを紹介している。

資格試験を諦めたくなる原因は?

資格試験には、様々な段階があります。学習計画、各科目の学習戦略をベースに、基礎期、応用期、直前期の本試験対策を経て本試験という流れです。
各段階で求められるレベル(参考記事:限られた時間内で実力を上げる!試験直前期にやるべきこととは?)に達することができなければ、その学習期間に留まることになり、なかなか前に進めないと資格試験自体を諦めたくなってしまいます。

今回は、各段階で停滞を生みやすいポイントを考察し、本試験合格まで諦めずに学習を継続する方法を探ります。

基礎期の挫折ポイント:勉強している気になっているだけ?

「基礎期」は、文字通り基礎を固める期間で、一般的には学習カリキュラムの一周目、講義や問題集などを一通り終える時期を指します。

この時期に注意が必要なのは、どんどん先の論点に進む前に、単元ごとに復習をしっかりできているかということです。講義の視聴が中心になるこの時期は、講義を先に進めたいという気持ちから、復習が疎かになりがちです。
できれば、講義を聞いたその日に該当部分の例題や問題集を解くアウトプットの時間を取るなど、インプット(講義の視聴)とアウトプット(問題演習)をセットに考えることが大切です。

これを基礎期にやっておけると、その後の応用期に様々な論点の総復習する際、手戻りが少なく、結果として早く習得することができます。
講義をスイスイと進めていくのは簡単で勉強した気になりますが、実際にはその後の学習段階に必要な土台ができていなかったりするので、時間をかけてでも講義と復習のセットで進めていくことが重要だと思います。

克服ポイント

・講義を受けた日は、その日に該当部分の問題演習をする
・(できれば)該当部分の問題演習は、Aランクを中心に2〜3回繰り返し解く(講義視聴後、数日をかけて)

応用期の挫折ポイント:その論点は試験に出るのか?

「応用期」は、学習カリキュラムの一周後、論点別に答練を解いたり、苦手論点を問題集などで対策する時期を指します。

この時期に注意が必要なのは、どこまで学習範囲を広げるかです。基礎期、応用期、直前期と3つに区切っていますが、実際の学習時間としてはこの応用期が一番長いと思います。
この時期に、何をどこまでのレベルに仕上げるかが、合否に直結すると言っても過言ではありません。

私の公認会計士試験の実績(目安)

基礎期:6ヶ月(簿記1級及び会計士講座受講開始から講義終了まで)
応用期:18ヶ月(基礎期、直前期以外全て)
直前期:各試験前2ヶ月(計8ヶ月)

応用期が最も長い学習期間といっても、時間は有限であり、限られた時間でどこを重点的に攻めるかが重要になります。

会計士試験で多い失敗例は、Aランクを網羅しているとは言えない状態にも関わらず、気になった論点を深掘りしすぎた結果、習得ずみのAランク論点に偏りができ、結果として本試験の得点力が落ちてしまうということです。
Aランク中心、かつ、苦手科目中心に、満遍なく基礎力を底上げしていく意識を持っていきましょう。

克服ポイント

・Aランク中心の学習戦略を貫く
・(できれば)答練などを通じてAランクの漏れを把握し、弱点を中心に学習する

直前期の挫折ポイント:応用期までの準備不足

「直前期」は、試験直前1~2か月前に総合答練や模試、総復習などを行う時期を指します。

この時期に注意が必要なのは、応用期までに準備できていないものは、多くは挽回不能だということです。
他の記事(限られた時間内で実力を上げる!試験直前期にやるべきこととは?)で詳しくお伝えしましたが、直前期はあくまで記憶のメンテナンスの時期です。合格者は直前期の答練で飛躍的に得点を伸ばしますが、それは直前期の学習で培ったというよりは、応用期にAランクを満遍なく頭に叩き込んだ結果です。
直前期の理想は、応用期で習得した知識を漏れることなく思い出すことであるため、「広く、薄く」勉強する学習戦略をとります。根本的な得点力不足があれば、応用期をしっかりとやり直しましょう。
たとえ今現在が直前期であっても、学習戦略としては応用期のように弱点中心の勉強が効果的だと考えています。

克服ポイント

直前期の成果は、応用期の準備があってこそ
・(できれば)準備不足であれば、迷わず応用期の学習戦略に戻す

勉強の悩みは、勉強で解決できる!

資格合格はスキル習得やキャリアへの活用、何よりその成功体験が自分への自信になります。
メリットが多いからこそ、読者の皆さんには諦めずに合格まで粘って欲しいと思っています。ただ、「合格しなければいけない」というある種の強迫観念は、それはそれで自分を苦しめることにもなりかねません。

私も大学を卒業して無職で会計士試験合格を目指していたので、試験に受からなかったらどうしよう、という不安はよくわかります。
でも、心のどこかで、「仮に受からなくても、なんとかなる」という安全地帯も必要なのではないかと思います。資格試験には不確実性が多く、コントロール不能なものも多いですが、不安になるからこそ、できることに注力することが大切だと思います。

挫折ポイントを克服し、目に見える成果が出てくれば、その結果が勉強の活力になります。
勉強の悩みは、勉強で解決しましょう。

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