受験勉強の不安や悩みを乗り越える!必ず受験生の力になる資格試験の「確実なモノ」とは?

公認会計士コラム

監修:森 大地(公認会計士)

大学在学中に公認会計士の勉強をはじめ、公認会計士論文式試験に一発合格。現在は、クレアールの公式YouTubeチャンネル「公認会計士対策ワンポイントアドバイス」にて、監査法人での仕事や試験対策の学習法などを紹介している。

資格試験の「不確実性」を乗り越える

「不確実性」という言葉をご存知でしょうか。

会計の世界においてはよく使われる言葉で、将来の予測などで予想がブレる大きさを意味します。
ハイリスクな株式投資を生業とする投資会社は事業の不確実性が高く、反対に、生活に欠かせないインフラビジネスのような長期的に安定している事業は不確実性が低いと言えます。

資格試験における不確実性も同様に、長期間勉強したとしても必ず合格できるかどうかわからないという、合格の不確実性があります。
不確実性があるからこそ、様々な不安や悩みが生まれてしまうのだと思いますが、資格試験には少ないながら「確実なモノ」が隠れています。

今回は、不確実性を乗り越えるための支えとなる資格試験の「確実なモノ」について、考えます。

合格するかは「不確実」、合格への思いは「確実」

受講生の皆さんは、どんな理由で資格試験を目指しましたか。

社会人の在籍者が多いクレアールでは、キャリアアップを目的とした資格挑戦が多いのではないかと思います。
学生においても、就職活動を見据えた職業資格へのチャレンジが多いと思います。
受験理由は専門スキルの習得やより高い年収を稼ぐといった実質面に焦点を当てられがちですが、よくよく掘り下げてみると、「大学受験の失敗を取り返したい」「今の自分を変えるきっかけにしたい」「安定した生活で家族支えたい」など、自分自身や家族に対する思いが詰まっていることがあります。

こうした内面的な動機は強く、長期間の勉強モチベーションとしては強力です。
なぜなら、これらは合否に関わらず、「確実なモノ」だからです。数十年生きてきた人生において、本気で自分自身を変えたいという思いは、その対象が何であれ、大きなエネルギーになります。家族や友人など大切な人のために何かを成し遂げたいという思いは、目的が叶わなかったとしても、必ず思いが伝わります。
でも、その動機が合否に左右されない確実なモノであるという自信は、合格への原動力になるのではないでしょうか。資格合格を目指す以上は、この原動力を活かして必ず合格を勝ち取っていただきたいです。

試験の結果は「不確実」、試験への過程は「確実」

長期間勉強をしても、合格できるかわからないのが資格試験の難しいところです。
そのため、一定の受験期間において、学習戦略を修正したり、勉強量を増やしたりして少しずつ合格に近づいていくというのが一般的です。
講義や問題集から始まり、答練、模試、本試験と進んでいきますが、個人的には本試験(または過去問)を受けてからが勝負の本番だと考えています。一通りの学習範囲を習得し、実際の試験問題を解いてみて、自分が合格へどれだけ足りていないかを実感することで、ようやく合格するために本当に必要な勉強法が見えてくるからです。

当コラムも含めて、残念ながらネットの情報はあくまで参考に過ぎず、資格試験においては実際に自分が努力をし、本試験でぶつかることで得られる一次情報の方がはるかに有用です。

だからこそ、様々な情報から取捨選択をして、合格に向けて試行錯誤をする過程に価値があります。
予備校の発信する情報や質問制度などを利用して必要な情報を整理しつつ、本試験の結果に基づき戦略の軌道修正を繰り返すことが合格への最短距離であり、最も確実な方法だと思います。

資格から得られるものは「不確実」、資格を活かすことは「確実」

資格合格からは、成功体験による自信、資格保有者であるという肩書、それに伴う待遇向上や転職機会の増加など多くを得ることができます。

でも、それらはいずれも一時的なきっかけに過ぎず、結局はその先の仕事への情熱や努力、人間関係などに左右されます。そうした不確実性の中で、資格合格の意義を感じる瞬間があります。
それは、「取得した資格に誇りを持ち、資格を何かのために活かせた時」ではないかと思います。

会計監査の日常業務は退屈でも、クライアントが難解な論点に困ったとき、専門家として手助けを求められる瞬間にはやりがいを感じますし、こうして資格試験合格者として資格を名乗ることで、多くの人にこのコラムを読んでもらえることにもやりがいを感じます。
資格合格までの道のりは大変ですが、それを目指す決意をしたこと、その過程で試行錯誤をすること、そして合格後に資格を自分なりに活かすことは、確実なモノであり、価値のあることだと思います。

資格試験の「確実なモノ」を大切に、不確実性を乗り越えていきましょう。

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