女性におすすめしたい職業「公認会計士」

① 会計との出会い

私は、大学卒業後に地方公務員として地元に就職しました。公務員である母親の影響もあり、仕事と私生活のバランスを取りやすい職業だと考えたこと、通っていた大学が公務員試験に強い大学で安く公務員講座を受講できたことが主な理由でした。

希望していたとおり、繁忙期以外は定時退社が可能な非常に恵まれた環境で働くことができたのですが、就職から1年が経った頃、私は本当に退職までこの仕事を続けていくのだろうかと漠然とした疑問を抱くようになりました。それから日々将来について考えを巡らせながら、少しでもヒントを見つけようと様々な本を読んだのですが、その中で私は「金持ち父さん 貧乏父さん」という本に出会ました。書籍の中で著者のロバート・キヨサキ氏は、お金持ちになるためには、資産・負債・キャッシュ・フローの考え方がとても大切であることを説いているのですが、会計の勉強経験が無い私はこの基本的な会計的思考に大きな衝撃を受けました。これが私の会計との出会いです。

② 公認会計士試験を女性におすすめしたい理由

会計に興味を持った私は、会計の専門家である公認会計士という職業について詳しく調べ、女性にとってメリットが多い職業であることを知りました。

まず、公認会計士は会計のエキスパートであるため、女性であっても専門家として男性と対等に活躍することができます。日本の平均賃金を比較すると、最高賃金の50~54歳で男性が約423.7千円であるのに対して女性は275.8千円で両者の間には1.5倍以上の差があります。(厚生労働省:令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況)この点、会計士業界は男女問わず成果によって評価される世界であり、その評価に性別は全く関係ありません。私自身、監査法人に入所してわずか半年ほどですが、上司から一専門家としての意見を求められることがありこの業界のフェアな環境を肌で感じております。

また、公認会計士という資格は、使い方次第で多様なキャリア形成が可能です。転職が当たり前になりつつある今日の労働社会において、将来に幅広い選択肢を用意しておくことは非常に大切であると考えております。周りの先輩会計士を見ても、多くの方は生涯監査法人で勤め上げるのではなく、そこでの経験を武器にして、事業会社の経理職に転職したり、コンサルティング会社でアドバイザリー業務に携わったり、税理士として独立開業されたりと、次なるキャリアステージへ進む方が多いです。私も今は監査法人で会計監査の経験を積んでいるところですが、正直なところ、将来はどのような場所でどのように働いているか分かりません。分からないけれど、様々な選択肢があるお陰で将来は何ができるだろうかと日々ワクワクした気持ちで働くことができています。同期で商社勤務中に公認会計士試験に合格した方は、ご自身の経験から公認会計士という資格はキャリアの幅を広げてくれる強力なパスポートとして役立つもので、特に女性に取得を進めたい資格だと語ってくれました。しなやかに自分らしい働き方を実現したいと考える女性には非常に魅力的な資格であると言えるのではないでしょうか。

③ 女性ならではのライフイベント

次に、女性にとって将来訪れるライフイベントと仕事の両立は永遠の課題であり、実際に多くの方が悩むポイントでもあると思います。私も、就職先を考えた際にこれについて非常に悩み、ワークライフバランスの観点から当時は異動の心配がなく将来計画の立てやすい地方公務員を選択いたしました。しかしながら、就職後に出会った旦那は全国転勤がある民間企業に勤めており、結婚後も仕事を続けたかった私は地方公務員では旦那の転勤に対応できないと考え、転職を決意するのと同時に、次は全国どこに行っても働くことができるような資格を取得しようと考えました。

公認会計士は、働く場所に縛られないだけではなく、ライフステージに合わせて働き方を変化させることもできる職業です。現在は、どの監査法人や会計事務所でも産休育休制度が整っており、多くの女性がこの制度を利用して、出産後に職場復帰を果たしています。さらに、短時間勤務やフレキシブルワーキング制度の採用も広がっており、子供が小さいうちには勤務時間を短くして働くことが可能であり、実際に私の職場では多くの先輩会計士が短時間勤務制度を活用しています。これは、共働き夫婦にとって非常に魅力的なポイントではないでしょうか。あるいは、正社員ではなく非常勤として働くという選択肢もあり、その場合の時給は、公認会計士試験合格者であれば2,000円~4,000円程度だと言われております。これは、一般的なパートタイマーの時給と比較してもかなり高い方だと言えるでしょう。

このように、ある程度の収入を確保しながら、ライフステージに合わせて働き方を柔軟に選択できる職業はそう多くは無いと思いますし、最近はリモートで働く環境の整備も進められ、より女性に働きやすい環境に変化してきていると感じております。

④ 諸外国では女性の会計士が沢山活躍している

上述のとおり女性におすすめしたいポイントが盛りだくさんの公認会計士でありますが、2018年12月末時点で日本の公認会計士に占める女性の割合はわずか14.9%にとどまっており、依然として男性会計士が圧倒的多数の状況にあります。一方で、海外の会計士業界に目を向けると、例えばシンガポールでは女性会計士が約60%を占め、米国でもその割合は50%に昇り、日本とは状況がかなり異なっております。このように、多くの国で女性会計士が活躍しているのですが、これには、会計士という職業の特徴が大きく関係していると思われます。会計士の業務は、企業の会計データやその裏付けとなる証憑など細かな資料と向き合うことが主であり、先頭に立ってリードしていくというよりは裏方でサポートする縁の下の力持ちとしての役割を担うことが多いです。そのため、ダイナミックさよりは繊細さが求められる職業であり、女性に向いている職業だと考えられるのです。

近年は、日本においても女性の社会進出が進んでおり、多くの企業で女性が活躍しておりますが、会計士業界ではまだまだ男性の比率が圧倒的に多い状況にあります。そこで、日本公認会計士協会では公認会計士制度が始まって100周年を迎える2048年度までに日本公認会計士協会会員・準会員の女性比率を30%まで上昇させることを掲げて女性公認会計士を増やす取り組みを進めております。この取り組みを受けて、現在は少しずつ女性合格者の割合が上昇しておりますが、私はさらに多くの女性が公認会計士試験を受験し資格を取得して、会計士業界を牽引して欲しいと思っております。

⑤ おわりに

今回は、女性の目線で公認会計士という資格の魅力について紹介いたしました。私は、公認会計士の魅力に惹かれ一念発起して勉強を開始しましたが、合格したことで将来の選択肢が大きく広がったことを強く実感しております。また、既に女性が家庭とキャリアを両立できるような環境は整備されておりますが、今よりもっと女性会計士が増えて働き方に関する活発な議論が為されるようになれば、さらに女性にとって理想的な環境が構築されていくのではないかと思っております。

会計士業界も女性会計士を増やす機運が高まっており、チャレンジするには今がベストなタイミングだと思いますので、この機会にぜひ公認会計士試験に挑戦していただければと思います。そして、一緒に会計士業界を盛り上げていきましょう!!