公認会計士試験において、自分の年齢からでも合格を目指せるのか気になる方も多いでしょう。本記事では、公認会計士試験に年齢制限はあるか、受験生・合格者の年齢、何歳で目指すのがベストかなど詳しく解説します。公認会計士の年齢別のキャリアについても紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
公認会計士試験には年齢制限がない

公認会計士試験には受験資格はなく、年齢制限も設けられていません。学歴や年齢、職歴にかかわらず受験が可能なため、若者からシニアまで目指せる資格としてさまざまな年齢層の方が挑戦しています。
年齢制限がないことから、公認会計士はキャリアの再設計や専門職への転身を考えている方も目指しやすい資格です。会計の専門知識や技能は年齢を問わず社会全体で求められているため、どの年齢からでも公認会計士を目指す価値は十分にあります。
公認会計士試験の受験者の年齢はどのくらい?
公認会計士試験の受験者は年齢層が広く、20歳未満から65歳以上までの方が挑戦しています。
年齢 | 論文式受験者(人) |
---|---|
20歳未満 | 41 |
20歳以上25歳未満 | 2,082 |
25歳以上30歳未満 | 1,156 |
30歳以上35歳未満 | 468 |
35歳以上40歳未満 | 250 |
40歳以上45歳未満 | 151 |
45歳以上50歳未満 | 72 |
50歳以上55歳未満 | 64 |
55歳以上60歳未満 | 34 |
60歳以上65歳未満 | 20 |
65歳以上 | 16 |
合計 | 4,354 |
「令和6年 公認会計士試験合格者調」によると、論文式受験者4,354人のうち最も割合が高い年齢層は20歳以上25歳未満の2,082人(約47.8%)で、この層が全体の割合の半分弱を占めています。次いで25歳以上30歳未満の受験者が1,156人(約26.5%)と多いです。
つまり、公認会計士を目指す方は20代が多い傾向にあるといえます。ただし、表からは受験者の約4人に1人は30代以上であるがわかるため、30代以降で受験に挑戦する方も珍しくありません。
公認会計士試験の合格者の年齢はどのくらい?
次に公認会計士試験の合格者の年齢を見てみましょう。令和5年公認会計士試験の合格者の平均年齢は 24.5 歳です。最高年齢は 61 歳、最低年齢は 18 歳と、幅広い年齢層が合格しているとわかります。
年齢 | 合格者(人) |
---|---|
20歳未満 | 18 |
20歳以上25歳未満 | 986 |
25歳以上30歳未満 | 418 |
30歳以上35歳未満 | 123 |
35歳以上40歳未満 | 42 |
40歳以上45歳未満 | 10 |
45歳以上50歳未満 | 2 |
50歳以上55歳未満 | 4 |
55歳以上60歳未満 | 0 |
60歳以上65歳未満 | 0 |
65歳以上 | 0 |
合計 | 1,603 |
「令和6年公認会計士試験 合格者調」によると、合格者1,603人のうち20代の合格者が1,404人と全体の約87.5%を占めています。公認会計士試験の合格者は20代の方が多いのが現状です。
なお、年齢別の合格者の人数は、10代は18人(約1.1%)、30代は165人(約10.2%)、40代は12人(約0.7%)、50代以上は4人(0.2%)となっています。
公認会計士を目指すなら何歳からがベスト?
公認会計士を目指すなら何歳からがベストなのでしょうか。最適な年齢は一概にはいえませんが、早く準備するのに越したことはないため、可能であれば20代で目指すのがおすすめです。その理由は以下の2つです。
- 公認会計士試験に合格するためには2~4年程度の学習期間が必要
- 公認会計士として登録するためには、3年以上の実務経験が必要
一般的に、公認会計士試験の合格には勉強時間が約3,000時間以上かかるといわれています。年数にすると、2~4年程度の学習期間が必要です。
さらに、公認会計士試験に合格後にすぐに公認会計士になれるわけではなく、公認会計士として登録するための要件を満たす必要があります。要件を満たすには、原則として3年以上の実務経験のほか、実務補習及び修了考査もクリアすることが必須です。
以上のように、公認会計士として登録するまでには長い時間がかかるため、できるだけ早い年齢から公認会計士を目指せるとよいでしょう。
10代・20代で公認会計士を目指すタイミングのポイント
10代・20代の学生の間に公認会計士試験の合格を目指す場合、学業と資格勉強の両立は比較的容易なため、試験準備に多くの時間を割ける点が有利です。在学中に就職活動する中で、公認会計士を目指すと決めるのも遅くはありません。
公認会計士の資格は社会人としてキャリアをスタートさせるにあたり、大きなアドバンテージとなるでしょう。
一方、10代・20代で社会人になってから目指す場合は、仕事と資格勉強の両立が難しいため、勉強時間を十分に確保する工夫が必要です。
30代以降で公認会計士を目指すタイミングのポイント
30代以降は、公認会計士を目指すタイミングとして遅すぎるのではないかと不安を感じる方もいるでしょう。しかし、結論として30代以降で公認会計士へ挑戦しても遅くはありません。
30代以降の方は既にキャリアを築いているため、公認会計士としての新たなキャリアパスを考える際に戦略的な視点を持てる点がメリットです。
ただし、社会人から公認会計士試験の合格を目指す場合、やはり勉強時間の確保が懸念点といえます。働きながら勉強するための方法を考える必要があるでしょう。
「クレアール」では、社会人として働きながら公認会計士試験の合格を目指せる通信講座を提供しております。時間や場所を問わないweb学習のため、仕事と勉強の両立がしやすいのが「クレアール通信講座」の魅力です。
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【年齢別】公認会計士のキャリア

公認会計士になったら、どのようなキャリアを積むことができるのでしょうか。ここでは、20代~40代の年齢別に公認会計士のキャリアについて解説します。
20代の公認会計士のキャリア
20代の公認会計士は、その大半が監査法人に就職して実務経験を積んでいます。監査法人等で経験を積んだ後は、事業会社の財務部門や内部監査部門などに転職すること一般的です。また、会計事務所や中小監査法人に転職する選択もあります。
なお20代での転職は、たとえ経験が不足していても、ポテンシャルを見て採用してもらえる可能性もあるでしょう。
30代の公認会計士のキャリア
30代の公認会計士には、深い専門的知識とマネジメント能力が求められます。監査や税務に加え、経営戦略の提案や財務コンサルティングなどの幅広い業務に携わる機会が増えるでしょう。
キャリアパスとしては、専門性を活かし監査法人や事業会社の財務部門や経営企画部門、内部監査部門などへ転職するのが一般的です。また、監査法人で経験を積み、事業会社でCFOとして活躍する道も開けます。
さらに営戦略やリスク管理に関する知識が豊富な公認会計士は、経営コンサルタントへの転職も可能です。30代での転職は、前職での実務経験をいかにアピールできるかがポイントとなります。
40代の公認会計士のキャリア
40代の公認会計士には、長年の経験に基づく高度な専門知識、戦略的思考が求められます。転職する場合も、経験と専門知識を活かせるポジションが想定されるでしょう。
たとえば、事業会社の財務部門や経営企画部門、内部監査部門の高位の役職や、コンサルティングファームの管理職などが挙げられます。40代の転職では、誰にも負けない強みをアピールすることが重要です。
なお、独立して自らの事務所を開業することも、40代の公認会計士にとっては1つの選択肢といえます。
公認会計士が独立するなら何歳がよい?

公認会計士としての独立に最適な年齢というものはなく、独立のタイミングは個人のキャリアパスやライフステージによって異なります。特定の年齢に達したからといって独立の準備が整うわけではありません。
公認会計士としての独立を成功させるには、豊富な実務経験に専門知識、そしてつながりの深いクライアントが必要です。これらは時間をかけて築き上げるもののため、独立に最適な年齢には個人差があります。
一般的には30代中盤から独立する公認会計士が増え始めますが、40代や50代で独立するケースも見られます。
公認会計士は年齢を問わず目指せる資格
公認会計士試験の合格者の年齢は20代が多いとはいえ、ほかの年齢層でも一定数の合格者がいます。また、個人によってキャリアもさまざまで、30代以上でも公認会計士として活躍できる道が開けています。
公認会計士は、年齢関係なく受験できる資格です。何歳からも効率的かつ計画的に学習すれば、合格できる可能性はあるでしょう。
クレアール公認会計士講座では独自の「非常識合格法」を採用しています。重要な論点にポイントを絞って効率的に質の高い学習ができるため、どの年齢の方でも最短で公認会計士試験の合格を目指せます。
Web学習で時間や場所にとらわれず学習できるのも、社会人にとっては嬉しいポイントです。まずは学習相談もできますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

監修:公認会計士 森 大地
大学在学中に公認会計士の勉強をはじめ、公認会計士論文式試験に一発合格。現在は、クレアールの公式YouTubeチャンネル「公認会計士対策ワンポイントアドバイス」にて、監査法人での仕事や試験対策の学習法などを紹介している。