公認会計士はMBAを取得すべき?メリットやUSCPAとの違いも解説!

公認会計士はMBAを取得すべき?メリットやUSCPAとの違いも解説!

公認会計士とMBAはどのような点に違いがあるのでしょうか。この記事では公認会計士とMBAの関係性に焦点を当てて、両者の違いや公認会計士の有資格者がMBAを取得するメリット・デメリットなどについて解説します。公認会計士としてキャリアアップを検討している方はぜひ参考にしてください。

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目次

MBAとは

MBAとは

MBA(Master of Business Administration)とは、経営学の大学院修士課程を修了した人に与えられる学位です。これは資格ではありません。日本では「経営学修士(経営管理修士)」を意味します。

主にビジネス関連の職務経験を有する人がビジネススクールに入学し、経営学の理論や実践スキルを習得します。ビジネススクールとは、国内や海外のMBAプログラムを提供している大学院の総称です。

MBA取得者はグローバルな視点を持ち、高度な管理職へのキャリアアップを目指すのが一般的とされています。

公認会計士とMBAの3つの違い

MBAについて興味がある方は、公認会計士との違いについて気になる方も多いでしょう。ここでは、公認会計士とMBAの違いについて解説します。

「資格」か「学位」かの違い

公認会計士会計に関する国家資格
MBA大学院で経営学を修めた人に与えられる学位

公認会計士は国家資格です。この国家資格は、会計、監査、税務に関する深い専門知識を有していることを国が認めた証明といえます。

一方、MBAは学位です。この学位は、マーケティングや戦略立案、人材管理などの幅広いビジネススキルを習得した者に対して大学院から与えられる称号を意味します。

公認会計士は専門性が高く、特定の分野での深い知識が求められる職を目指す人に適しているのに対し、MBAは多角的な視点から組織を運営する能力を養い、経営層への道を目指す人に適しています。

「働き方」の違い

主な業務主な就職先
公認会計士・監査業務
・財務経理業務
・監査法人
・会計事務所
・一般事業会社
・会計アドバイザリー会社
MBA・コンサルティング業務
・経営企画業務
・コンサルティングファーム
・外資系企業や海外の企業

公認会計士は主に会計監査や税務の専門家として、企業の財務諸表の正確性を保証する役割を担います。一方のMBA取得者は、戦略立案やマーケティング、人材管理といったビジネスの幅広い側面に関わることが一般的です。

このように、公認会計士は企業の財務・会計面の分析・サポートするのに対し、MBA取得者はより広い視野で企業の経営全体を俯瞰し、戦略的な意思決定をサポートします。そのため、両者のキャリアパスは大きく異なります。

「取得方法」の違い

取得方法
公認会計士国家試験合格後に登録要件を満たす
MBAビジネススクールに入学し修了要件を満たす

公認会計士になるには国家試験に合格し、原則3年以上の実務経験を積みつつ実務補習を受講し、最終的に修了考査に合格することが必要です。

一方、MBAを取得するには、ビジネススクールで所定の単位を取得し、修了要件を満たす必要があります。

このように、公認会計士とMBAの取得過程においては、学ぶ内容や目指すキャリアも異なるため、個人の目標や目的に応じて選択することが重要です。

公認会計士の有資格者がMBAを取得するメリット

公認会計士の有資格者がMBAを取得するメリット

公認会計士の有資格者がMBAを取得することには、さまざまなメリットがあります。ここでは、公認会計士の有資格者がMBAを取得する4つのメリットについて解説します。

経営の知識を広げられる

MBAを取得する際は、経営学の基礎から応用まで幅広い知識を学びます。公認会計士の有資格者がMBAを取得することで、会計や財務だけでなくマーケティングや戦略立案、人材管理といった、経営に必要な多角的な視点を身につけることができます

MBAを持つ公認会計士は、会計の専門性に加え経営全般にわたる洞察力を兼ね備えられるため、より幅広いキャリアパスを描けるようになるでしょう。

人脈を広げられる

ビジネスチャンスの創出やキャリアアップには人脈づくりが重要です。MBAのビジネススクールには多様なバックグラウンドを持つビジネスパーソンが集まります。グループワークなどを通じて交流も深まりやすいため、人脈形成の絶好の機会となるでしょう。

また、MBA取得後もキャリアを通じて様々な業界や職種の人と出会う機会が多く、普段ではなかなか接点がないような人との交流も生まれやすくなります。

信頼性が保たれる

MBAは資格ではないものの、経営学の修士号として国際的に認知されているため、一定の経営学の知識を持っていると証明できます。

実際、ビジネスの世界ではMBAは高く評価されており、公認会計士の有資格者がMBAを取得することで、専門性と信頼性の両面でプラスに働くケースも多いでしょう。

収入アップが見込める

MBAは経営戦略に関する知識やリーダーシップのスキルを習得できます。そのため、取得後は企業や組織内での価値も高まり、経営層への昇進や新規事業開発といった重要な役割を任されるケースも多くなるでしょう。

ポジションが向上すれば結果的に給与も上がりやすく、実際にMBAを取得して年収アップを実現している公認会計士は少なくありません

公認会計士の有資格者がMBAを取得するデメリット

・ビジネススクールに通学する必要がある
・実務とMBAの知識との間にギャップが生まれる可能性がある

MBAを取得するには、1~2年間ビジネススクールに通う必要があります。夜間や週末のみの大学院や、オンラインで学べる大学院もあるものの、日々の業務が忙しくなることが多い公認会計士にとっては本業と学習の両立は負担が大きいでしょう。

加えて、学費(国内は200万円前後、海外は1,000万円前後)の用意も必要です。

また、MBAはあくまでも学位であり、科学的な知識の取得が主な目的とされています。MBAの知識は会計実務との間にギャップが生まれる可能性があり、そういったギャップに悩まされるケースもあるかもしれません。

公認会計士がMBAを取得した後のキャリアパス

MBAは一定の経営学の知識を持っていることの証明になるため、経営戦略やマーケティング、ファイナンスや人材管理などの分野での役職を目指せます具体的な就職先としては、経営コンサルタントや投資銀行家、マーケティングや人事のマネージャーなどが挙げられます。

これらの職種は、MBAで習得した経営の知識や戦略的思考を直接活かせるものです。MBAを取得した公認会計士であれば、転職市場においてはより高い評価を受けられるでしょう。

その他、スタートアップ企業の経営者を目指したり、自らビジネスを起業したりする道も、MBA取得者にとっては有力なキャリアパスです。

MBAと比較されやすいUSCPAとは?

MBAと比較されやすいUSCPAとは?

USCPAはアメリカにおける公認会計士資格のことを指し、世界で最も認知度の高い会計士資格です。USCPAはその国際的な認知度と権威から、世界中で高い評価を受けており、グローバルなビジネスシーンで活躍するための重要なステップとされています。

ただし、USCPAはアメリカの各州で公認会計士として働くために必要な資格であるため、日本国内での独占業務は認められていません

公認会計士とUSCPAの違いについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

MBA・USCPAの違いを比較

MBAUSCPA
取得の流れビジネススクールに入学して修了要件を満たす試験に合格してライセンス取得要件を満たす
難易度大学院によって異なる公認会計士ほど難易度は高くないものの英語力が求められる
主な学習範囲経営に必要となる領域会計・ビジネス領域
勉強時間・入学前:400時間前後
・入学後:3,000時間前後
約1,500時間
キャリアパス経営に携わる仕事や起業を目指す国際的な会計・監査の専門家を目指す

MBAは経営学の幅広い知識を学び、戦略的思考やリーダーシップ能力を習得できるため、経営者やコンサルタント、起業を目指す人に向いています。

一方のUSCPAは、会計、監査、税法などの専門的な知識と技能を深めつつ、米国内の会計基準に準じた業務を行う能力を習得できるため、国際的な会計・監査の専門家を目指す人に適しています

公認会計士はMBAとUSCPAのどっちを取得すべき?

MBAは幅広いビジネススキルを身につけ、グローバルなビジネス環境で活躍する土台を築くための学位です。対してUSCPAは会計、監査、税法などの専門知識を深め、高度な会計職に就くための資格として認識されています。

そのため、どちらを取得すべきと一概には言い切れません。公認会計士として目指したいキャリアを考慮した上で、より自分に適した方を検討することが重要です。

MBAが向いている公認会計士

・経営層のポジションを目指したい人
・経営コンサルタントへのキャリアアップを目指したい人
・将来的に起業したい人

公認会計士がMBAを取得することで、経営全般にわたる知識を習得し、経営判断や戦略立案に貢献できるようになります。そのため、将来的に経営層や経営コンサルタントへのキャリアアップを目指す公認会計士には、MBAが向いています

また、将来的に起業を考えている公認会計士も、MBAの取得がおすすめです。

USCPAが向いている公認会計士

・国際的に活躍できる会計士になりたい人
・米国での企業や会計事務所での勤務を考えている人
・米国資本の企業や海外支社でのキャリアアップを目指したい人

USCPAは、世界最大の経済大国である米国の会計基準に精通した専門家であるため、公認会計士として国際的なキャリアを目指したい人に向いています

USCPA取得者であれば、米国の企業や会計事務所への就職で有利に働くのはもちろんのこと、米国資本の企業におけるキャリアアップを目指す際も役立つでしょう。

公認会計士とMBAに関するよくある質問

MBA学位保有者の平均年収は?

世界の大学ランキングを公表している『QS Global Employer Survey 2022』によると、日本のMBA取得者の平均年収は約80,227ドルと示されています。1ドル150円と仮定して日本円に換算すれば、1,200万円を超える計算です。

USCPA資格保有者の平均年収は?

USCPAの実態に関する統計情報はないものの、平均年収は日本の公認会計士とほぼ同水準の750万円前後といわれています

もちろん、就職先や役職によって年収は大きく異なってくるため、年収1,000万円以上のUSCPAも数多く存在します。

公認会計士・MBA・USCPAの難易度は?

それぞれ取得の過程や試験内容も異なるため、難易度を単純に比較することはできません一般的には、USCPA (合格率:40%前後)、MBA(倍率:2~3倍)、公認会計士(合格率:20%前後)の順に難易度が高くなるといわれています。

目指すキャリアに合わせてMBAかUSCPAかを選択しよう

MBAとUSCPAはどちらも公認会計士のキャリアアップに役立ちます。両者の取得過程や取得後のキャリアパスは大きく異なるため、自分に合った方を選択することが重要です。

MBAとUSCPAのどちらを取得すべきか迷った際は、公認会計士として今後どのようなキャリアを歩みたいのかを明確にし、それを基に判断しましょう

なお、これから公認会計士を目指す人には、『クレアール公認会計士講座』がおすすめです。クレアールでは独自の「非常識合格法」を採用しており、重要な論点にポイントを絞って学習できるため、効率よく合格レベルに達することができます。

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監修:公認会計士 森 大地

大学在学中に公認会計士の勉強をはじめ、公認会計士論文式試験に一発合格。現在は、クレアールの公式YouTubeチャンネル「公認会計士対策ワンポイントアドバイス」にて、監査法人での仕事や試験対策の学習法などを紹介している。

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