日本組織内司法書士協会のご紹介と組織内司法書士について

司法書士コラム

皆さんこんにちは。
いつも司法書士コラムをお読みいただき、ありがとうございます。

突然ですが、クレアール卒業生の司法書士の先生からご縁をいただきまして、これからPalette「司法書士コラム」内にて日本組織内司法書士協会に関連する記事を連載することとなりました

そこで、本日は、司法書士試験の受験生の皆さま、そして司法書士試験の合格者の皆さまに向けて、当協会の泉匡人にご執筆いただいた、日本組織内司法書士協会」のご案内、そして企業法務」についての記事をご紹介いたします。

司法書士有資格者の進路は、必ずしも司法書士事務所で働くことに限られません。
そして、司法書士有資格者の様々なキャリアパスというのは、身近にその働き方をされている方がいない限り、合格者にとってもなかなか知る機会のない事柄です。
この度の連載は、司法書士試験合格の先輩に、貴重なお話をお聞かせいただくチャンスであると考えております。

是非ご覧いただき、受験生の方は試験勉強のモチベーション・息抜き、そして合格者の方は今後の進路のご参考していただければ幸いです。

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皆さん、初めまして!
日本組織内司法書士協会泉匡人と申します。

司法書士試験合格のために日夜勉強なさっている受験生の皆さん、資格をすでに取得した合格者の皆さん、また、司法書士として実務に就いておられる方々に向けて、Paletteの場をお借りして有益な情報を発信してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

日本組織内司法書士協会とは

組織内司法書士」という見慣れないワードに戸惑った方も多いかもしれませんね。
私が所属している当協会は、企業等の組織に所属する司法書士資格者の団体です。

我々協会は、従業員または役員等の立場司法書士事務所以外の組織に属する司法書士を「組織内司法書士」と呼んでいます。
会員は、企業や官公庁等の組織内で法務総務広報・IR内部統制・監査など多種多様な職種において活躍しており、業種もメーカー、IT、金融、サービス、広告、インフラ、製薬、公益法人、地方自治体など、多岐にわたっています。正会員数は2024年2月現在100名を超えています。

そもそもこの協会は、組織に所属しながら司法書士登録ができる「組織内司法書士」制度発足させることを目標としています。
現状の司法書士制度では、司法書士は独立した存在であり、受託義務の存在や守秘義務等の観点から、組織に所属しながら登録をすることは困難であり、組織に所属するとしても、あくまで兼業として認められているにすぎません(司法書士法を勉強していた当時、こんな事は私ももちろん知りませんでした)。
一方で、他士業に関していえば、弁護士、弁理士、社労士、公認会計士などは企業等に勤務しながら資格登録することができ、企業内に属することで各士業の持つ知見や能力を生かして企業の経済活動に貢献されています

皆さんもよくご存じの通り、司法書士コーポレート法務の分野に関してその能力を発揮することができます。登記法などの手続法会社法民法の細かなところまで熟知した司法書士は実務上、企業からのニーズに応えることができます
それなのに、企業等で勤務しながら登録することが認められないのでは、企業等による司法書士の認知度が上がらずその知見や能力も正当に評価されず組織内司法書士の存在意義を社会に示していくことが難しくなってしまいます
また、司法書士を目指す受験生や司法書士試験の合格者にとっても、司法書士資格の取得・登録をすることで、企業等で活躍する道を断念せざるをえないような事態につながってしまうかもしれません。

こういった状況を打破すべく、協会は「組織内司法書士」制度の制定を掲げて活動しています。

とは言え、協会会員が皆この目標達成のために一丸となって日頃の活動に従事している、というわけではありません。協会としては会員同士の懇親会勉強会外部講師を呼んでのセミナー開催の諸活動にも力を入れて取り組んでいます。
私は2022年の夏に協会に入会しました。各種セミナーや懇親会に参加して、様々な企業に勤めていらっしゃる会員の方々と交流を楽しんでいます!皆さん本当に知識経験が豊富で、掛け値なしに尊敬できる方が多いです。と同時に自分の未熟さを思い知らされるのです…

会員専用のビジネスチャット
もあるので、そこで各法令ビジネスに関する疑問を投げて他の会員の方に解決してもらうなど、会員相互に良い関係性を構築できています。
会員の多くは企業の法務部に勤めていらっしゃいますし、私も広告代理店法務部に勤務していますので、仕事上の悩み勉強ネタを共有し合ったりもします
会員の皆さんから刺激を受け意識を高く保てることが協会に入会したことで得られた一番のメリットだと私は思っています。

企業法務について

さて、ここからようやく本題なのですが、皆さんは企業法務には興味はありませんか?

企業法務とは…
企業活動に伴う法律問題予防対応指導などに関する諸活動」の総称です。

具体的には、 契約の審査、契約書のリーガルチェック、株主総会・取締役会の開催や運営、M&A、法律相談の対応、紛争(訴訟)への対応、社内規程の整備、労務のサポート、知的財産権の管理、債権の管理・回収対応、法令調査など、様々な分野についての取り組みを指します。

企業法務というと、弁護士がやるべきもの、M&Aなど専門分野を扱うため海外ロースクールを出ないと…いや、そもそも司法書士が企業法務を担うなんてかなり少数派なんじゃないか司法書士はやはり登記や成年後見がメインだろう、と考えていらっしゃる方も多いでしょうね。

私に関して言えば、今の会社の法務部に転職する前はIT系教育関連企業営業商品開発をしていましたし、もちろんロースクールも出ていません
ですが曲がりなりにも、今は法務部に籍を置いて企業法務関連の色々な業務に携わらせていただいています。司法書士資格があるからこそ、法務への転職が叶ったし、活躍できる機会を多く与えられるのだと日々実感しています。

現在受験中の皆さんや、すでに資格を取得した皆さんは、合格したら司法書士事務所に勤務して(あるいは可能であれば、いや度胸があれば即独して)司法書士実務を積んでいくことを当然のように考えていらっしゃるかもしれません。私自身、キャリアの積み方としてはそれしかないんだと、受験生時代は考えていました

ですが、今では、企業法務司法書士こそが担うべき、活躍の場を与えられるべきであると信じています協会会員の多くの方々が司法書士資格を有しながら現に企業法務でご活躍なさっていますし、私も未経験ながら法務に転職し日頃業務を担えていますので、間違いありません。

企業法務の魅力司法書士資格と企業法務の親和性を詳しく知れば、企業法務で働くことがご自身のキャリアパスの一選択肢になることでしょう司法書士資格の秘めた可能性に気づくはずです

というわけで、今後は企業法務司法書士資格の関係性についてお伝えしていこうと思います。今回は初回で堅苦しい記事になってしまいました…
ではまた次回!

協会のHPも是非ご覧ください!
日本組織内司法書士協会HP

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