令和6年度司法書士試験 応援メッセージ

司法書士コラム

みなさんこんにちは。
令和6年度司法書士試験まであと約3週間ですね。
今年の本試験前にお届けする司法書士コラムはこれが最後になります。
もうあまり息抜きに時間をかけていられない時期だと思いますので、いつもより手短にですが、自分の経験談を交えながら、応援メッセージを書かせていただきます。

平常心について(応援メッセージ)

何度も同じことを言いますが、司法書士試験は実務家登用試験ですので、
いついかなるときも
「択一式の午前の部・午後の部、記述式の不登・商登の全範囲において(満遍なく)
「概ね全てのスクール・市販のテキストに載っているであろう基礎知識で凡ミスをすることなく

淡々と問題を解き進める精神力が最も重要です。
この精神力を「平常心」と呼んでも良いと思います。
どんなに長く受験勉強を続けてきて、合格できるレベルに実力が付いていたとしても、本試験で冷静さを欠いてしまうと、合格は一気に遠ざかります。
私は司法書士試験を受けた時に、こんなにも「焦らず、慌てず、諦めず」が当てはまる出来事は人生で出会ったことがないと感じました。
精神を安定させるためであれば、直前期であったとしても、多少の開き直りは必要であると思います。悔いを残さない程度に、今まで学習を続けてきたこと自体に、誇り自信を持って頂きたいです。

とはいえ、最後の3週間、模試で合格推定が出ていたとしても、まだまだ合格者は入れ替わりますから、勿論油断はできません。また、現状択一式で基準点前後しか取れていない方でも、最後まで伸び続ける可能性は充分ありますし、基準点さえ超えれば記述式で逆転するかもしれません
「どうすれば本試験会場で、平常心でいられるか。最大限の実力を発揮できるか。」を常に頭の片隅にいれながら、ご自身なりの「本試験で絶対に犯したくないミス」をしないように、残された貴重な時間を大切に、本試験が終わるその瞬間まで、駆け抜けていってください。

勉強をすればするほど不安になるのは実力が付いている証」というのはよく言われる話であり、その通りであると思います。ですが、思い詰めすぎると、「苦手な部分や細かすぎる知識ばかりを追求して、本試験で今までにしたことがないミスをする」ということもあり得ます。
ですので、個人的な考えではありますが、残り3週間でやれることは限られていますが、「濃淡をつけながら今一度全範囲に視野を広げる」ということは重要であると思います。苦手な部分を落としても、多少は割り切れますが、本番で今までにしたことがないようなミスをするというのは、年に1回の本番ですので、相当ショックを引き摺ると思います。
どうしたら悔しいミスを防げるか?については、「どういうミスをする傾向が強いのか」「そもそも特に悔しいミスがどんな内容なのか」人それぞれです。結局は自己分析であり、自分の行動や感情をコントロールして少しでも多く得点に結び付けるようにするしかないので、具体的なことが言えなくて申し訳ないです。
ですが、この記事をご覧になった皆さんが、受験生としてのラストスパートでも、本試験会場でも、悔いのないように最後の最後まで粘れるよう、心から応援しております。

本試験を想定してのイメージトレーニングについて

本試験の内容に関する話

・午後の部の択一式と記述式の解く順番を確定させている方は多くいらっしゃると思います。それぞれ「何時何分頃になったら気持ちを切り替えるか」最終確認しておきましょう。

・国家試験は難易度を調整するために「誰も知らない知識」や「試験時間内に解き切れるはずもない難問」がほぼ確実に出題されます。このようないわゆる「捨て問」「捨て肢」に釣られないようにしてください。平常心であれば翻弄されないはずです。
 対策としては、例えば、わからない問題が出たら「2」を塗る→2は絶対に違うと思ったら「4」を塗る→2も4も絶対に違うと思ったら「3」を塗る…等、事前にマイルールを決めておくのも良いと思います。

・下記(※)とも重なりますが、記述式を解いているときに択一式の出来を気にしてマインドワンダリングをしてしまったりなんとなくの思い付きで今までにしたことがない考え方で問題を解いたりするのは、絶対にやめてください。試験時間が非常にタイトであることは受験生である皆さんが一番よく理解していらっしゃると思いますので、使える時間と集中力は全て、目の前のその一問・一肢に注いでください
 また、「今までにしたミスと同じミスを繰り返さない」ことは大切ですが、「今までと異なるやり方(順番)・考え方で解答する」のは、良い結果に繋がらないことの方が多いです。一貫して、ご自身が「今までにやってきたこと」を信じて受験してください。

本試験会場での話

昼休み(11時30分~12時30分)の過ごし方は、午後の部でパフォーマンスを発揮する上で非常に重要です。どうしても直前に確認したい事項がある方は追い込んでも良いと思います(特に、範囲が狭いけれど確実に1問出題される司法書士法・民事保全法や、過去問が繰り返し出題されやすい供託法など)。
 ですが、基本的には頭をしっかり休めたほうが良いと考えます。
 私は本試験当日の朝と昼にブドウ糖を含むゼリー飲料を飲みましたが、気分がリフレッシュされますし、心なしか頭が働くようになりますので、おすすめします。

(※)昼休み中に、絶対に午前の部の択一式の出来を気にしないでくださいマークシートの試験は手ごたえと点数が結び付かないことが多々ありますので、午前の部は「良くも悪くも過ぎ去ったこと」と割り切って記憶から消してください。
 また、「午前の部の民法/会社法で〇〇の出題が無かった(少なかった)から、午後の部の不動産登記法/商業登記法で〇〇が出るだろう」等と、午前の部の出題傾向から午後の部のヤマ張りをするのもお勧めしません。外した時に動揺し、実力を発揮できなくなります。

・人によってはかなり集中力が削がれるのが、「空調が効いていない、あるいは効きすぎている」「机がガタガタする」「机が狭い」等です。私は令和4年度の東京会場(早稲田大学15号館4階)で合格しているのですが、5人掛けの席に3人掛けでしたので、非常に手狭な環境で受験しました。正直「今年は会場が悪いからダメでもしょうがない」と言い訳したくなりましたが、年に1回の本番でそのマインドは格好悪いので、最後まで諦めず粘りました。
 合格体験記を拝読していると、日ごろから40cm×80cmの狭小スペース内で記述式を解く練習をしたという方も居ました。「本番が一番劣悪な環境かもしれない」想定は、事前にしておいた方が良いと思います。

・過去にも、各国家試験中にイレギュラー事象が発生し、受験生が動揺する事態が発生しています。例えば停電や地震等です。
 ご存知の方も多いかと思いますが、昨年はさいたま会場で、停電による一時中断がありました。ただでさえ長丁場の試験ですので、心身の気力をゴッソリ持っていかれると思います。
 「そういうこともあり得るんだ」と心の片隅に置いておいて頂けると、いざというときの気の持ちようが少し変わると思います。もし本当に中断してしまうようなことがあったら、気持ちを落ち着けて頭を休めましょう。

★受験票を忘れないこと。着席時間を守ること。
知識を詰め込むのに気を取られ、スタート地点に立つ、当たり前の前提を失念しないようにしてください。

クレアール司法書士講座事務局・受験対策室スタッフ一同、皆さんが令和6年度司法書士試験で実力を発揮されることを、心から応援申し上げます。
体調に気を付けて、ベストを尽くしてください。

執筆:R.N(司法書士有資格者)

クレアールの初学者向け司法書士講座を受講し、令和4年度司法書士試験に一発合格。
大学在学中は司法試験を目指していたが、挫折してしまい法科大学院に進学しなかった経験あり。法律難関資格への想いを断つことができず、司法書士試験を目指すことに。
現在は、クレアールの司法書士教務担当として受講生のサポートなどを行う。他に行政書士、宅建士、日商簿記2級、漢検準1級等を保有。

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