学習スケジュールが崩れたときの応急処置

公認会計士コラム

監修:角田 優太(公認会計士試験合格者)

仕事と勉強を両立する社会人受験生として、2021年8月にクレアール公認会計士講座にて学習を開始し、2021年11月の日商簿記検定1級、2022年5月の短答式試験、2022年8月の論文式試験に一発合格。現在は会計分野の業務に従事するとともに、主に社会人受験生に向けた公認会計士試験の対策法について、公認会計士ブログ(https://www.crear-ac.co.jp/cpa/category/kakuda/)で紹介している。

学習スケジュールはあくまで目安にすぎない

 突然ですが、仕事の多忙や学習モチベーションの低下により、学習スケジュールが順調に進まないことを経験された方は多いのではないでしょうか。

私自身も、クレアールの公認会計士講座で学習を進めていたときには、学習スケジュール通りに成績が伸びず苦しい思いをした経験があります。
5月の公認会計士短答式試験での合格のため、当初は4月頭頃までに計算科目の成績を試験合格レベルにする計画だったのですが、3月になってもなかなか計算問題の成績が伸びず、学習の遅れに向き合わざるを得なくなりました。その当時は、暗記科目と計算科目の学習時間の比率を見直すことで学習の遅れを何とか解消することができましたが、学習スケジュールの見直しには手間取ったことを覚えています。

試験合格を目指すうえでは事前に立てた学習スケジュール通りに学習を進めるのが最も近道ですが、人それぞれで学習の進め方は異なるため、ご自身に最も適した学習スケジュールを立てることが重要です。
ただし、学習スケジュールはあくまで目安でしかありませんので、進捗が悪いときにはしっかりと見直しを行う必要があります。

学習スケジュールの見直しにしっかり向き合う

 学習スケジュールの進捗が悪い場合、その見直しをしなければなりません。学習スケジュールを見直すときには、私は最初に学習の遅れが発生した原因分析を行い、それに対する対応策を考えるようにしていました。

 まず原因分析を行う場合には、たとえば次のような観点に着目し、当初の学習スケジュールで学習の遅れが発生した根本原因を明らかにしていました。
以下はあくまで一例ですが、原因分析の際に参考にしてみてください。

学習内容の観点

具体的な学習内容を明らかにできていたか(たとえば、計算科目であれば、「テキストの〇ページの〇番の問題を〇月末までに解けるようになる」といった細かいレベルまで意識して学習スケジュールを立てることができていたか 等)

学習量の観点

必要な学習時間が現実から乖離していなかったか(たとえば、現実的には1日1時間しか学習時間を確保できないのに、1日当たり3時間の学習が必要な計画になっていないか 等)

学習姿勢の観点

自分自身の学習の姿勢に問題はなかったか(サボったり、体調不良になったりしていなかったか 等)

そして、原因分析で学習の遅れの根本原因を明らかにしたうえで、その対応策を考えるようにしていました。たとえば、具体的な学習内容が明らかでなかったことが学習の遅れの根本原因なのであれば、どの学習教材の問題を・いつまでに・どの程度正答できるようになることを目標とするのか、細かく具体的に考えることが対応策と考えることができます。

 原因分析と対応策の立案をすることは、すなわち過去の自分の間違いやミスに向き合うことを意味するため、ときには辛いこともありますが、より良い学習スケジュールを立てるためにきちんと取り組むようにしてみてください。

正しい学習スケジュールの判断基準とは

 一度立てた学習スケジュールに沿って学習を開始した後には、必要に応じてその見直しを図ることが必要ですが、正しい学習スケジュールとは何なのか、よく分からなくなってしまうこともあると思います。

これはあくまで私の個人的な意見ですが、「効率よく成績を伸ばすことができる計画」こそが正しい学習スケジュールなのではないかと思います。その理由は、資格学習においては本試験で合格点を取ることが最優先の目標となるべきであり、学習スケジュールはあくまでその手段に過ぎないと考えられるためです。
これはつまり、当初立てた学習スケジュールを計画通り進めることができていたとしても、それが成績アップに結び付いていないのであれば、その学習スケジュールは少なからず見直しをする必要があるということを意味しています。

 正しい学習スケジュールとなっているか不安に思った際には、「その計画が成績アップへの最短ルートであるかどうか」という点に着目してみるようにしてみてください。

自分の行動だけが現実を変える

 合格という目標に向かう中では、学習の遅れや成績の伸び悩み等、多くの課題に直面することがあり、ときには孤独で辛い思いをすることもあると思います。しかし、その課題を解決し現実を変えることができるのは自分自身だけである、ということは決して忘れてはいけません。

今や世界的に有名となったジブリ映画の制作の中心人物である宮崎駿さんは、とある動画でクリエイターとしての努力について、以下の通り語ったことがあるそうです。

頑張るのは当たり前、頑張っても駄目な人間が累々といるとこが我々の仕事なんだから。頑張るなんてことを評価するなんてとんでもない間違いですよ。

演出ってのは加害者ですよ、自分のやりたいことを人にやらせてる。

頑張ってなんてそんなもん、頑張んないと話になんないじゃん。それで眠れぬ夜を送るのよ、それも当たり前だよ。

そのときに励ましとか慰めなんて何にも役に立たないことがわかるよ。

全部、自分ですよ。

自分が自分で許せるか。

その時に自分が簡単に許せる人と簡単に許せない人物がいて、それによって色々な運命が別れてくるんですよ。

自分ですぐ自分を許せる人間は、大した仕事をやらない。

この言葉を参考にすれば、最終的に合格と不合格の運命を分けるのは自分自身の行動であると言うことができそうです。
自分を律して努力し続けるのは大変なことですが、その先には目標の達成という大きな成果がきっと待っているはずですので、毎日少しずつ前進していきましょう。

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