2024年12月2日、健康保険証が「廃止」され、マイナンバーカードで保険証を兼ねることとされています。
みなさんは、マイナンバーカードと健康保険証を紐づけているでしょうか?メリットがあるとされる一方で、反対意見や不安な声が多く寄せられているマイナ保険証。
今回は、健康保険証廃止に関するニュースから、制度概要やよくある疑問点、気をつけたいポイントについて見ていきましょう。
マイナ保険証移行のパブコメに5万件超 「情報漏えい」など懸念多く
【8月30日 毎日新聞より】
厚生労働省は30日、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」への移行に伴うパブリックコメント(意見公募)を実施した結果、5万3028件の意見が寄せられたと公表した。(以下省略)
https://mainichi.jp/articles/20240830/k00/00m/040/144000c
報道された内容によると、ポイントは次の3点です。
- マイナ保険証移行に必要な省令改正の一環として、今年5月、意見公募(パブリックコメント)が実施された。
- 「保険診療が受けられなくなる懸念がある」や「個人情報が漏えいするのではないか」という不安な声が多く寄せられている。
- マイナ保険証移行への賛否の内訳は示されていないが、厚労省国民健康保険課は「不安の声に対し、マイナ保険証がなくても保険診療が受けられることも丁寧に説明していきたい」としている。
健康保険証の廃止とマイナ保険証活用の概要
現在私たちが使用している「健康保険証」は、2024年12月2日で廃止されます。
ただし、完全に廃止するまでは1年間(2025年12月1日まで)猶予されており、引き続き現在の健康保険証を利用することができるため、実質2025年12月までに切替えることが求められています。
マイナンバーカードを保険証利用するには、そもそもマイナンバーカードを持つことはもちろんのこと、マイナポータルやセブン銀行ATM、また医療機関において健康保険証の利用登録を行うことが必要です。
マイナ保険証3つのメリット
マイナ保険証を使うことでどのようなメリットがあるのでしょうか。
過去のデータに基づく、より適切な医療が受けられる
情報提供に同意すると、過去に処方された薬などの情報を医師・薬剤師に共有されます。
そのため、曖昧な記憶に基づいて問診に回答する時間を省くことができるようになります。
高額療養費や確定申告の手続きがラクになる
高額療養費制度(医療費が一定額を超えた場合に利用できる制度)や、確定申告での医療費控除について、マイナ保険証を使えば手続きや入力の手間を省くことができるようになります。
転職しても同じカードが使える
これまで、健康保険証は会社や市区町村で加入手続き・発行されていたため、会社を退職する時等は「一旦返す」ことが必要でした。
しかしマイナンバーカードは、会社や保険者(加入する保険)が変わっても同じカードを引き続き使うことができます。
よくある疑問~マイナ保険証は必須なの?
マイナ保険証を利用することに対して不満または不安を感じている方も多く、実際に、マイナ保険証の利用率は、2024年7月時点で11.13%であるというデータも発表されています(※1)。
もし、マイナ保険証に切り替えなければどうなるのでしょうか。
答えは「引き続き、医療を受けることはできます」。しかし、健康保険証は使えないため、代わりとなる「資格確認書」という黄色いプラスチック製のカード(※2)が発行されます。
※1 引用:NHK WEB「マイナ保険証 利用率低い医療機関や薬局に聞き取りへ 厚労省」
※2 全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合
知っておきたいポイント
最後に、マイナ保険証を活用する際に知っておきたいポイントを2つ紹介します。
電子証明書の有効期限には気を付ける
マイナ保険証として使うために必要な「電子証明書(格納されているチップ)」は、発行日から5回目の誕生日まであるため注意が必要です。市区町村から届く電子証明書更新に関する案内を見落とさないようにしましょう。
ちなみに、マイナ保険証を持っていない際に発行される資格確認証の有効期限も5年間です。
自分以外の暗証番号も忘れずに
マイナ保険証を医療機関等で使う際、顔認証もしくは暗証番号を入力して「薬剤情報等の提供に同意」する必要があります。
気を付けたいのは自分以外が受診する場合です。
子どもやご高齢の方で車いすの場合などは身長が低くカードリーダーに届かず、顔認証が出来ないこともあります。その場合は暗証番号の入力、もしくは今後発行される「資格確認のお知らせ」という紙のカードが必要となりますので、忘れないように管理しましょう。
まとめ
今回は、健康保険証の廃止とマイナ保険証についてみてきました。
結局のところ、利用する・しないは個人の選択ということになりますが、いずれにしても、世の流れとしてはデジタル化が進んでいることには違いありません。
情報があふれる中で、自分自身が得た情報の中でしっかりと取捨選択して、使っていきたいものですね。
さて、みなさんはマイナ保険証に切り替えますか?