教養科目だけで受験可能な試験


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目次

教養科目とは?

教養試験の出題科目を分野ごとに整理しています

多くの公務員試験で実施される「教養択一式試験」では、教養科目が出題されています。
教養科目は「一般知能分野(数的処理、文章理解)」「一般知識分野(自然科学、人文科学、社会科学)」に分かれ、その中に幅広いジャンルの科目に枝分かれしています。

教養科目の概要

一般知能分野

数的処理(数的推理・判断推理・資料解釈・図形把握)

数的処理とは、教養試験の中で最も出題数の多い科目です。
細かくは「数的推理」「判断推理」「資料解釈」「図形把握」などに分類されています。

数的推理

数的推理は、食塩水の濃度や速さといった問題や、約数・倍数、整数問題、比・割合、確率、平面図形といった分野からの出題が見られます。(中学レベルの数学がベースとなっています)

数的推理の例題を見る

ある川の下流のP地点と上流のQ地点の間を航行する船A、Bがあり、AはPからQへ 3 時間、BはQからPへ 1 時間30分で到着する。今、AはPを、BはQを同時に出発したが、Aは出発の48分後にエンジンが停止し、川を流された。BがAに追いつくのは、Aのエンジンが停止してから何分後か。ただし、川の流れの速さは 8 ㎞/時、静水時におけるAの速さはBの速さの1.5倍であり、川の流れ及び船の速さは一定とする。(特別区Ⅰ類)

1 24分
2 26分
3 28分
4 30分
5 32分

正答:4

判断推理

判断推理は、文章や図形などで与えられた条件をもとに論理的に考えていくという問題が出題されます。
具体的には、集合、命題、対応関係、順序・配置、試合の勝敗、発言の真偽、軌跡、折り紙などです。

判断推理の例題を見る

A~Eの 5 人が、ある競技の観戦チケットの抽選に申し込み、このうちの 1 人が当選した。 5 人に話を聞いたところ、次のような返事があった。このとき、5 人のうち 3 人が本当のことを言い、 2 人がうそをついているとすると、確実にいえるのはどれか。(特別区Ⅰ類)

A 「当選したのはBかCのどちらかだ。」
B 「当選したのはAかCのどちらかだ。」
C 「当選したのはDかEである。」
D 「私とCは当選していない。」
E 「当選したのはBかDのどちらかだ。」

1 Aが当選した。
2 Bが当選した。
3 Cが当選した。
4 Dが当選した。
5 Eが当選した。

正答:2

資料解釈

資料解釈は、提示された表やグラフなどから読み取れること、読み取れないことを考えさせる問題が出題されます。基本的には数字の扱い方が重要な科目で、普段の算数や数学とは異なる数の扱い方が必要になります。

資料解釈の例題を見る

次の表から確実にいえるのはどれか。(特別区Ⅰ類)

葉茎菜類の収穫量の対前年増加率の推移

1 令和2年において、「ほうれんそう」の収穫量及び「たまねぎ」の収穫量は、いずれも平成28年のそれを下回っている。
2 表中の各年のうち、「にんにく」の収穫量が最も多いのは、平成28年である。
3 令和2年において、「ほうれんそう」の収穫量は、「ブロッコリー」のそれを下回っている。
4 「たまねぎ」の収穫量の平成30年に対する令和2年の増加率は、「ブロッコリー」の収穫量のそれの1.5倍より大きい。
5 平成28年の「こまつな」の収穫量を100としたときの令和元年のそれの指数は、100を上回っている。

正答:5

図形把握

図形把握は、図形、特に立体図形に関する問題が出題されます。具体的には、立体図形の分割や切断、投影図、正多面体、軌跡などです。
試験案内の出題内容を見ると、この科目が表記されていないことがありますが、判断推理や数的推理の中に含まれて出題されています。

図形把握の例題を見る

次の図のような、 1 辺を 1 ㎝とする立方体12個を透き間なく積み上げた立体がある。この立体の表面積はどれか。(特別区Ⅰ類)

1 41㎝²
2 42㎝²
3 43㎝²
4 44㎝²
5 45㎝²

正答:4

文章理解(現代文読解・英文読解)

現代文は日本語、英文読解は英語の長文読解です。「要旨把握」「内容把握」「空欄補充」「文章整序」といった形式で出題されていますが、学習して力をつけることが難しく、得意な方は勉強しなくても解けるようになる一方、苦手な方は短期間で伸ばしにくいため、特に英文読解は深入りしすぎないことも大切と言われます。

一般知識分野

社会科学(政治・経済・法律・社会)

社会科学は「政治」「法律」「経済」といった分野から出題され、これに加え「時事」「社会事情」などが含まれます。時事は社会の動向に関するトピックスから出題されるため、政治や経済といった分野に関する時事的な問題もあります。
行政職の場合、専門試験で課される法律、経済、行政系などの科目が出題されており、社会科学と多くの部分で重複しています。そのため、専門科目を学習していれば社会科学対策もほぼ一元化できるようになっています。

人文科学(日本史・世界史・地理・文芸思想)

人文科学は「日本史」「世界史」「文学芸術」「思想」といった科目から出題され、これらは概ね高校までに学習された分野です。一つひとつの科目は非常に範囲が広い反面、1科目あたりの出題数は1,2問程度であることが多く、文系で得意な方は自然科学より人文科学を優先し、可能な範囲で得点できるようにしましょう。

自然科学(生物・化学・地学・物理・数学)

自然科学は「物理」「化学」「生物」「地学」「数学」から出題されています。自然科学は理系の方にとって取り組みやすい科目です。人文科学同様、出題数は決して多くないのですが、東京消防庁は自然科学の出題が多く、重要科目とされていますので、消防官を目指す方は優先順位を高めにしておく必要があります。

試験における出題数

教養試験(国家公務員の場合は「基礎能力試験」)の科目別出題数をご覧いただくと、一般知能分野の出題ウェイトが非常に高いことがわかります。
特に数的処理は出題数が多く、この科目で得点が取れるかどうかによって合否が分かれると言ってもよいでしょう。

教養試験の科目別出題数を一覧にした表です
※国家一般職、国税専門官、裁判所は令和6年から出題内容が変更となるため、変更点を加味して表記しています。

学習を進める時は、一般知能分野から優先的に進めつつ、人文科学や自然科学は時間があれば可能な範囲で得意な科目を着手するという手順が効率的といえます。
すべての科目に手が回らなかった場合でも、「苦手で出題数の少ない科目」は取捨選択し、出題ウェイトの高い科目に時間と労力を使うことができれば質の高い学習になるとお考え下さい。

市役所・国立大学法人

全国の市役所試験は一部を除いて、教養試験だけで受験できます。また、最近では学習負担の軽いSPIやSCOAなど、民間の就職試験で使われるタイプの試験を導入する自治体も増えています。
国立大学法人を代表とする行政法人も教養試験のみで受験可能ですので、これらを併願先に加えておくと、学習負担の軽い受験先で受験チャンスを広げていくことができます。

※全国の市役所試験実施データで、試験日程、試験タイプ、受験資格をご確認ください。

地方上級(県庁・政令指定都市)

県庁・政令市の大卒程度試験(地方上級)は例年6月下旬に行われており、一般的に試験方式は「教養+専門」タイプとなっていますが、一部の採用試験では教養試験のみで受験できます。

■教養のみの試験区分がある場合

従来型の「教養・専門」タイプと同じ日程で、教養のみの試験区分を設けている
ことがあります。従来型の区分と比べて若干採用予定者数は少なくなりますが、採用後の待遇については変わりません。

代表的な自治体

秋田県、栃木県、さいたま市、千葉県、千葉市、東京都、山梨県、長野県、新潟市、静岡市、愛知県、名古屋市、三重県、京都市、奈良県、和歌山県、鳥取県、広島県、香川県、北九州市

■教養のみの独自方式を行っている場合

従来型と同じ日程に試験を行なう県庁・政令市の中には、試験方式が「教養」タイプのみの自治体もあります。

代表的な自治体

北海道、横浜市、相模原市
(いずれの自治体も自然科学や人文科学の出題がありません)

■別日程で特別枠がある場合

6月下旬の試験とは別の日程で、特別枠や早期採用枠、秋期枠などの採用枠を設けている自治体も増加しています。実施時期は4月頃が多く、一部では10月頃に行われる試験もあります(教養試験の代わりにSPIを実施する場合もあります)。

代表的な自治体

栃木県、神奈川県、長野県、岐阜県、浜松市、滋賀県、京都市、堺市、神戸市、鳥取県、岡山県、山口県、愛媛県、北九州市、福岡市、佐賀県、長崎県、大分県、宮崎県、鹿児島県
※大阪府、大阪市のようにSPIや適性試験のみが課される自治体もあります。

「大卒程度試験」と「社会人経験者」の併願もできます。

社会人受験生の中には、大卒程度試験と社会人経験者採用試験のどちらも受験可能な方もいます。例えば、27歳で同一企業での職務経験が4年以上ある場合、教養のみで受験可能な大卒程度試験と併せて特別区(東京23区)の経験者試験1級職を併願することもできます。経験者試験では、教養試験、小論文の他に職務経験についての記述を行う「経験者論文」も課されるため、これらの対策を立てておけばいずれの試験にも対応が可能となります。

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この記事を書いた人
クレアール公務員相談室タニオカ
これまで、公務員試験の受験・学習を考える3,000人以上の相談に答えた実績を持つアドバイザー。「公務員 転職ハンドブック」「ココからスタート!公務員試験入門ハンドブック」などを執筆。

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