知識か問われる資格試験、「自分」か問われる合格後の世界

公認会計士コラム

公認会計士試験合格者 森大地

人生は、いまこの瞬間

人生とは、一人の人間の寿命であり、生きている時間です。朝、寝起きが悪く二度寝している瞬間も人生、日中のルーチンワークを退屈そうに過ごす瞬間も人生、夜に漫然とYouTubeを眺めている瞬間も人生です。人生とは、いま目の前にある瞬間のことです。幸せな人生とは、いまこの瞬間が幸せな状態であるということです。配偶者がいて、子供がいて、仕事も順調で、好きな車も手にした生活が幸せと感じるのは、「自分は豊かである」といまこの瞬間感じているからです。人生とは生きる時間の断片であり、毎日迎える「今日」、そして「いまこの瞬間」のことなのです。

資格によって、人生を豊かにする

世の中には、資格がないとできないことがあります。たとえば、自動車の運転です。いくらレースゲームで車の運転技術を鍛えた人でも、どんなに高性能な自動車を所有していても、免許証がなければ車を運転することができません。運転免許証があれば、車を運転することができます。私は幼少期から憧れていたバイクに乗るために、29歳で免許を取得しました。バイクのある人生は最高です。バイクと自分だけで未知の場所へ出かけるワクワク感はもちろん、日々の見慣れた道のりをぼーっと走る心地よさ、休日に無心で洗車やメンテナンスを行う瞬間など。バイクと過ごす一瞬一瞬が、私の人生でかけがえのない財産になりました。

資格を活かす人は、過程を重視する

資格はあくまで「出来ること」を増やす手段であって、何かを保証する制度ではありません。バイクの免許で言えば、免許証は「運転すること」が出来る権利に過ぎず、「バイクライフが楽しくなる保証」や「バイク事故が起こらない保証」はどこにもないのです。私がバイクの免許を人生の財産にできたのは、免許やバイクの所有という「結果」に価値を求めるのではなく、どうやってバイクと楽しい人生を送ろうかという「過程」に価値を感じられるからです。免許取得やバイクの所有事実より「そのバイクでどう楽しむか」を120%注力するから、資格から豊かさを得られるのです。

知識の習得は「結果」、自分の変革は「過程」にある

変化を求めて資格試験に挑戦する人がいます。学生時代に何かを成し遂げたいから難関試験に挑戦する大学生、現状のキャリアに限界を感じるから転職先として公務員を目指す20代社会人、10年以上社会人生活を送った経験を生かして新たな世界に踏み出そうと専門家を志す30代後半の社会人。彼らは、変革者かつ挑戦者です。強力な受験動機を武器に、充実した受験生活を送れるでしょう。でも、その情熱を知識の習得のみに注いだだけでは、求める変化は得られません。なぜなら、彼らが求める自己変革の成否は、どのように資格試験に挑むかという「過程」に懸かっているからです。資格試験を通じて自分の内側と真正面から勝負できた人が、変革者です。合格後、不器用でも不慣れでも挑戦し続けられる人が、挑戦者です。資格学習を通じて、「自分」を鍛え上げましょう。合格後は「自分」を武器に、新しい人生を切り拓いていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました