自己肯定感で、継続力を高める

公認会計士コラム

公認会計士試験合格者 森大地

自己肯定感は、生きる希望を生む

自己肯定感は、自分の存在をありのままに認めるという感情です。
自己肯定感が高い人は、自分に対する信頼が高く、自発的な行動を取ることができます。社会人であれば日々の仕事に対し、自分なりに面白がったり、気概を感じることができます。学生であれば、勉学でも課外活動でも、大学生活に意義を感じて主体的に行動することができます。このような主体性は、自分の人生を生きているという感覚に繋がり、日常に充実を感じられるのです。

反対に自己肯定感の低い人は、自分を信頼できないため、他者承認をベースとした従属的な行動を取りがちです。社会人であれば上司に怒られないため、褒められるために仕事を行い、学生であれば、親に怒られないため、褒められるために学業や就職活動を行います。従属的な行動を繰り返すと、他人から搾取される人生になり、日常は無力感に苛まれてしまいます。
自己肯定感は、一人の人間として「自分で生きる」ために必要不可欠な感情だと言えるのです。

自己肯定感が低いのは、幼少期に原因がある

自己肯定感は、幼少期時代の親から受けた愛情の多寡によって大きく影響されます。成功しても、失敗しても、無条件で迎えてくれる母の愛情が自己肯定感の根幹です。競争社会と言われる現代では、家庭内でも親から厳しいプレッシャーを受けることが多く、抑圧の結果、自己肯定感が上手く育たぬまま社会に出てしまう人が急増しています。自己肯定感の低い人は、基本的に無気力です。行動の源泉が「誰かに怒られないように」「誰かに褒められるために」なので、自分の内側から湧き出る情熱が感じられないのです。

自己肯定感は、今から育てられる

自己肯定感を高めるには、過去を全肯定することから始まります。親に否定されて育ったとしても、「耐えられた自分」を肯定する。受験に失敗し、劣等感を持ちながら学生生活を送っていたとしても、「高い目標にチャレンジした自分」を肯定する。希望とは程遠い就職先で働いていたとしても、「目の前のお客さんの役に立つ自分」を肯定する。自己肯定感を高めるには、思考のトレーニングが必要です。私が試して最も良かったのは、「じぶん成長ノート」と題したノートに自分を肯定する出来事や言葉を毎日のように綴っていくことです。資格学習で新しく学んだ点から、将来やりたいことや欲しいものなど。ポイントは、制限をつくらないことです。「将来、フェラーリ488を買う」と書くということは、「自分はフェラーリを買っても良い存在なんだ」という意味を持ちます。自己肯定感を高めるために、「自分は~にふさわしい」という事柄を増やしていきましょう。

自己肯定感で、成功体験をつくる

資格学習において、継続的な努力は欠かせません。継続的な努力には、確固たる動機が必要です。動機には、好みや情熱といった自分の内側のものと、利得や他者承認といった自分の外側のものに分かれます。前者は自発的で、後者は従属的です。前述の通り、これらは自己肯定感と密接に結びつきます。

私は大学卒業と同時に会計士を目指し、約2年半の浪人生活を経て合格しました。就職活動の挫折がきっかけということもあり、その間、勉強と並行して自己分析や心理学、自己啓発の分野を研究しました。巷では、「モチベーション」という言葉が濫用されていますが、本当のモチベーションとは、生きる希望だと思います。そして、生きる希望を感じるためには、他でもない自分自身をまず信じる力が必要だと思うのです。任意の資格試験を受験する機会を得た皆さんにとって、学習期間は大きなチャンスです。合格まで学習を継続するため、合格後の日常を輝かせるために、自己肯定感を高めていきましょう。

 

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