全資格で応用可!資格合格に必要な「3つの要素」を高める方法とは

公認会計士コラム

監修:森 大地(公認会計士)

大学在学中に公認会計士の勉強をはじめ、公認会計士論文式試験に一発合格。現在は、クレアールの公式YouTubeチャンネル「公認会計士対策ワンポイントアドバイス」にて、監査法人での仕事や試験対策の学習法などを紹介している。

公認会計士 森大地先生のコラム。
受験勉強や会計事務所での実務経験から得た気づきやアドバイスを共有していただきます。【毎月掲載】

資格合格に必要な3つの要素

私が考える資格合格に必要な要素とは、努力の方向性・勉強量・能力の3つです。

努力の方向性とは、勉強効率であり、学習戦略です。テキストやカリキュラムをそれぞれどんな目的で使用し、いつ、何を、どの程度の重要度で学習するかなど、ゴールに向かう道しるべとなります。
勉強量は合格に必須の要素ですが、他の要素によって必要量が異なります。そのため、能力が高い人は短くなる傾向にありますし、努力の方向性が間違っていればより多くの勉強量を要します。
能力とは、試験合格に有利な才能であり、記憶力や集中力、継続力などがあります。すべての能力が高いに越したことはありませんが、自分の得意な部分だけでも十分武器になります。

今回はこの3つの要素を高めてくれて、私の受験生時代に役に立ったものをご紹介いたします。

努力の方向性:指針となった勉強本

大学卒業後の浪人生活で会計士を目指した1年目は、とにかくカリキュラムを消化するのに必死で、本試験は全科目平均的に合格に程遠い結果でした。2年目に、学習戦略について考え始めた頃、『「一発合格!」勉強法』(超速太郎 著、日本実業出版社)という本に出会いました。

この本では「合格できず、学習が長期化してしまっている受験生」と「カリキュラムどおり、最短で合格する受験生」が、名物講師の勉強法アドバイスとともに資格合格を目指す姿が物語形式で描かれています。
印象的だったのは、短期合格法としてクレアールの非常識合格法と同じ内容が書かれていたことと、カリキュラムや各教材の役割の明確化が重要であるということでした。

非常識合格法とは、「合格者が100%正答するAランクレベルの基礎問題を徹底し、重要度の高い問題に絞る学習戦略」です。
Aランクの重要性は理解していたつもりでしたが、この本に出てくる「勉強が長期化している受験生」のリアルな失敗例を読み、より一層、その重要性を認識しました。

各教材の役割の明確化は、「本試験での得点力を身につけるために過去問を中心に解く」「試験範囲を網羅するために問題集をAランク中心にマスターする」「テキストは理解の補足と試験直前のインプットに活用する」など一つ一つの意味を理解することで、自分自身の学習計画に落とし込むことができました。
本に書いてあることすべてを実践することはできませんでしたが、その中でも重要となる短期合格のための戦略の核となる方針はしっかりと身につけました。

勉強量:紙の手帳はモチベーションの起爆剤

勉強時間の記録は、学習戦略(計画)と組み合わせると効果的です。
私の場合、学習戦略(計画)は、

  • 数ヶ月単位の大計画
    →2024年8月 論文式試験合格、7-8月 直前期インプット、4-6月 論文科目弱点補強、1-3月 論文計算科目マスターなど
  • 1ヶ月単位の中計画
    →1月 租税法、経営学テキスト消化、2月 租税法、経営学 問題集マスター、3月 租税法、経営学 答練と過去問3周など
  • 週単位の小計画
    →1月1週 租税法講義①〜④、経営学講義①〜④など

に分けた上で、「計画」として紙の手帳のカレンダーに記載していました。
そして、その日に勉強した内容をカレンダーの日付部分に記載し、その日の総勉強時間を日付の右下に小さく記載しました。
1〜2週ごとに計画と実績の比較をし、遅れがあれば中計画、小計画を微調整しました。
総勉強時間は週ごと、月ごとで集計しました。

正直なところ、ここまで細かいやり方は学習初期しか続けられませんでしたが、大計画、中計画までは必ず記載を続けました。
特に学習期間後半は、勉強量を「何時間机に向かったか」(インプット)でなく、「どこまでできるようになったか」(アウトプット)で図るようになり、今、自分が合格まであとどれくらいの位置にいるのかを常に意識していました。

紙の手帳の良いところは、容易に前後のページを見ることができること、カレンダー上に自由に記載できることです。
来月以降に大計画、中計画が書いてあると、定期的に今月にどこまで進めなければいけないのかを意識することができ、「今日の勉強は合格に直結している!」「そんなにモタモタしている暇はない!」と、勉強を継続するモチベーションにつながります。

カレンダーに勉強の進捗で重要なことや自分の心境(好不調、自信、焦り、無気力など)を書いておくと、後に振り返った際にモチベーションを復活させる材料になったりします。
学習のマイルストーンの把握とともに、モチベーション維持のために紙の手帳に学習記録をしていました。

能力:合格まで自分を支えてくれる相棒、じぶん成長ノート

正しい学習戦略を立ててたくさんの勉強をしても、その努力を継続し、理解・習得しなければ合格できません。
Aランクの問題を仕事終わりに平日、毎日2時間解くというのは正しい戦略ですが、その2時間でどれだけ吸収できるかは本人の能力にかかっています。
得意分野であればすっと頭に入ってくる内容も、苦手論点、苦手科目だと理解に倍の時間がかかることもあります。
休日に丸一日勉強しようと自習室に来たのに、プライベートの悩みを引きずって全く集中できないときもあります。

資格試験では何度も自分に失望する瞬間がありますが、それを乗り越えられるのは自分しかいません。
私自身は、「じぶん成長ノート」というノートを作り、日々の学習での進捗とともに、自分の内面の変化を記録していました。過去(反省点)、現在(考えや悩み)、未来(希望)について、「必ずポジティブに書く」というルールで日記のように書いていました。
先輩会計士から聞いた興味深いキャリアの話を書いてみたり、休憩時間に妄想半分で将来の輝かしいキャリアを想像したり、勉強に深く悩むときはブレーン・ストーミングのように解決策を箇条書きしたりしました。
こうして自分のポジティブな本音が詰まったノートは、自分に失望したときに、自分自身を大きく支えてくれました。

以上が資格合格に必要な3要素を高めてくれたものでした。
受講生のみなさんも自分との戦いに打ち勝ち、ぜひ合格を勝ち取ってください!

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