皆さんこんにちは。
本日、令和7年10月2日午後4時に、令和7年度司法書士試験筆記試験の合格発表がありました。
合格された方は、誠におめでとうございます!
本日は、特に今年の司法書士試験筆記試験に合格された方に向けて、今後の流れについて、口述試験と新人研修を中心に、ご参考となりそうなお話をしていきます。
★今年の合格者の方でなくても、司法書士試験の筆記試験の合格後の流れをお知りになりたい方にとっては有用な記事であると思いますので、是非学習のモチベーションアップのためにお読みください。
※試験内容や試験当日の様子等については、昨年の合格者の方から伺った令和6年度口述試験の実施状況について書いております。
★令和7年度の合格者の方は、令和7年度の受験案内(P2,7等)を必ずご確認なさってください。
※法務省HP掲載の「令和7年度司法書士試験受験案内書」にジャンプします。
口述試験(概要)
まず、手っ取り早く口述試験の概要を知りたい方に、特に重要なことだけピックアップして、先に書かせていただきます。
実施日時:令和7年10月14日(火)(午前の組・午後の組に分かれる会場もある)
※平日に実施されますので、確実に予定を空けるようにしましょう。
※※※※※遅刻厳禁です※※※※※
★以下、令和6年度の実施状況ですので、必ず令和7年度の受験案内(P2,7等)もご覧ください★
試験時間:10分~15分程度
試験形式:面接官(登記官)2名による口頭での質問
試験範囲:不動産登記法、商業登記法、司法書士法(満遍なく計10問程度出題)
受験する順番:原則先着順
推奨する服装:スーツ
持ち物:受験票、筆記用具
(必要な方は、口述対策資料、時間つぶしのための読書用の文庫本など)
受験会場:筆記試験会場に対応し、以下の通り。
・札幌会場で筆記試験合格の方⇒札幌会場
・仙台会場で筆記試験合格の方⇒仙台会場
・東京・横浜・さいたま・千葉・静岡会場で筆記試験合格の方⇒東京会場
・名古屋会場で筆記試験合格の方⇒名古屋会場
・大阪・京都・神戸会場で筆記試験合格の方⇒大阪会場
・広島会場で筆記試験合格の方⇒広島会場
・高松会場で筆記試験合格の方⇒高松会場
・福岡・那覇会場で筆記試験合格の方⇒福岡会場
試験対策:口述試験の過去問題集を数回転し、可能な限り口述模試を受験する。
口述試験(詳細)
続いて、詳細について書いていきます。
司法書士試験の筆記試験に合格された方にとって、次の関門は口述試験です。
令和7年度は、筆記試験合格発表(10/2)から2週間足らずで口述試験(10/14)が実施されますので、特に合否線上であった方は、合格が判明した後非常に慌ただしく、口述試験対策を始めることになるかと存じます。
口述試験は、会場によっては午前・午後の組に分かれて臨むことになりますが、受験票が届くまでどちらに割り振られるかはわかりません。
口述試験会場から遠いところにお住まいの方は、午後の組に割り振られる傾向にあるようですが、人数の調整次第だと思いますので、断言はできません。
「口述」試験の名の通り、登記官である面接官2名による面接(口頭試問)形式にて、「不動産登記法」「商業登記法」「司法書士法」を出題範囲とした、口頭による質問が実施されます。
試験時間は10分~15分程度で、3科目合わせて約10問程度質問されます。
人によってはもっと早く終わることもあるようです。
受験する順番は、原則として、事実上の受付順で決まります(面接部屋ごとに細かい組に割り振られ、その組の中での番号順により実施されます)。
遅くに受付した方は待ち時間が3時間を超えることも想定されるため、口述試験の対策資料や時間つぶし用の文庫本等を持って行く方が良いと思います。
他、口述試験会場では、各司法書士会の資料等が机上に置いてあることがありますので、是非持ち帰って今後の参考としましょう。
口述試験対策
口述試験対策としては、クレアールがお配りしている
「司法書士 口述試験過去問題集<不登法・商登法・司法書士法>」(※)
を3周程度して、「声に出して回答する」練習をして、口述模試を受験すれば十分であると思います。
(※)受験番号調査にご協力いただいている合格者の方に、順次お送りさせていただきますので、今しばらくお待ちくださいませ。
決しては油断をしてはいけませんが、口述試験は、筆記試験のような「落とす試験」ではありません。
口述試験は、本人確認を主眼として、司法書士の職責である「品位の保持」を期待できる人間性であるかを見る試験です。
ですので、もちろん遅刻厳禁ですし、一言も話さなかったりした場合には不合格になるという噂はありますが、社会人として適切かつ臨機応変な態度で臨めば、不合格になることはまず無いと思われます。
ただ、今までの紙面上での筆記試験とは異なり、「耳で聞いて口で答える試験」なので、なかなか慣れない独特の難しさはあると思います。
したがって、一切対策をしない、ということは流石におすすめできません。
他、一言追記させていただくと、どうしてもわからないことは正直に「わかりません」「失念しました」と答えてもOKです。
しかし、「わかりません」「失念しました」と即答したり、多くの質問に対して何回もそのように回答すると注意されることもあるようです。
ご自身が持っている知識を基にしっかりと考えた上で、誠実に回答(解答)するようにしてください。
新人研修等
時期尚早ではありますが、新人研修についても書かせていただきます。
令和7年度本試験の手応えがどうであったかを含め、様々な状況で合格された方がいらっしゃるため、司法書士試験最終合格に向けて必ずしも「万全の心構え」の方のみではないと想像します。
そこで、こちらの記事をお読みいただくことで、少しでも新人研修に対するイメージが湧きますと幸いです。
※口述試験対策で頭がいっぱいの方は、口述試験が終わってから、本項目を読まれることを推奨します。
以下、【必須】とありますが、これは「司法書士登録をするにあたり受講が必須」という意味であり、向こう1年以内に司法書士登録の予定がない方は必ずしも受講する必要はありませんので、ご自身が司法書士に登録しようと思い立ったタイミングで受講すれば問題ありません。
※11月4日(火)の最終合格発表後、一刻も早く司法書士登録をして働き始めたいという方は、12月からスタートする【必須】の研修を受け終わらなくとも、「次回の新人研修を必ず受講する旨」の誓約書を提出することによって、司法書士登録自体は受け付けてもらえる(最短で12月登録が可能である)ことが多いようです。
▶各司法書士会により取扱いが異なる可能性がありますので、ご自身がご登録予定の司法書士会に予めお問い合わせください。
★★★令和7年度司法書士新人研修の要綱が公開されています!★★★
※「日司連研修総合ポータル」の該当ページにジャンプしますので、下部の「▶詳細はこちら」をご覧ください。
中央新人研修【必須】
日本司法書士会連合会が実施する研修で、
・司法書士制度の歴史
・現在の司法書士のメイン業務の概要
・司法書士業務を行うにあたっての姿勢
・司法書士としての倫理や職責
等を学びます。
後述のブロック新人研修と比べ、司法書士業務全体を広く見渡すような内容や、学問的な内容を多く含んでおります。
特筆すべき点として、web形式のみで完結する研修となります。
約37時間の講義の受講の他、効果確認問題の解答と修了レポート(500文字×5問)の提出が求められます。
費用は44,000円です。
★令和7年度は、下記の通り2つのグループに分けて実施されます。
第1グループ(関東ブロック以外の7ブロック):
令和7年12月6日(土)0時00分~12月26日(金)23時59分
第2グループ(関東ブロック):
令和8年1月6日(火)0時00分~1月26日(月)23時59分
※詳細はこちらの「令和7年度司法書士新人研修のご案内(日司連研修総合ポータル掲載)」P4,5等をご覧ください。
ブロック新人研修【必須】
全国を8つに分けたブロック会でそれぞれ実施され、かなり細かい司法書士業務の項目ごとに、実務に直結する知識を学びます。
開業予定地での受講が推奨されています。
費用は33,000円です。
★令和7年度は、下記のとおり全てのブロックで、「集合形式」にて研修が実施されます。
・北海道ブロック会 〔7日間〕
日 程:令和8年1月 26 日(月)~2月1日(日)
・東北ブロック会 〔8日間〕
日 程:令和8年1月 11 日(日)~19 日(月)
・関東ブロック会 〔8日間〕
日 程:令和8年1月 15 日(木)~1月 22 日(木)
・中部ブロック会 〔7日間〕
日 程:令和8年1月 12 日(月・祝)~18 日(日)
・近畿ブロック会 〔13 日間〕
日 程:令和 7 年 12 月 13 日(土)~15 日(月)、
19 日(金)~21 日(日)
令和8年 1月 10 日(土)~12 日(月・祝)、
16 日(金)~18 日(日)、24 日(土)
・中国ブロック会 〔7日間〕
日 程:令和 8 年1月8日(木)~14 日(水)
・四国ブロック会 〔7日間〕
日 程:令和8年1月8日(木)~14 日(水)
・九州ブロック会 〔8日間〕
日 程:令和8年1月 10 日(土)~17 日(土)
※詳細はこちらの「令和7年度司法書士新人研修のご案内(日司連研修総合ポータル掲載)」P9,10,23等をご覧くださいませ。
司法書士会研修(配属研修)【任意(原則)】
各都道府県の司法書士会ごとに実施され、一定期間実際に司法書士事務所に配属されて、OJT形式で実務を学びます。
原則として、即独立を考えている人を対象者として実施される研修ですが、受講したからといって必ずしも即独立しなければならないわけではありません。
補助者経験のない合格者の方が、事務所勤務を開始する前に受講するということも多々あるようです。
地域によって実施期間や費用がかなり異なるので、即独立希望の方や、補助者経験がなく本格的に勤務する前に司法書士の実務を経験されたいという方は、開業予定地のエリアの配属研修について是非お調べになってください。
※【必須】とされている司法書士会もあるのでご注意ください。
ちなみに、クレアール司法書士講座でおなじみの「記述式ハイパートレーニング解説講義」や、2025年9月から開始した「オンラインゼミ」をご担当いただいている米谷純講師は、配属研修をご受講された後、即独立されています。
▼是非、こちらの記事も併せてご覧ください!
東京司法書士会主催の新人研修【任意】※全国から参加OK
ちなみに、東京司法書士会の新人研修は、既述の配属研修とはかなり毛色が異なります。
※まだ令和7年度の要綱が出ていないので、令和6年度の実施状況についてお話しします。
ご参考:東京司法書士会主催「令和6年度新人研修会(WEB研修)」のご案内
令和6年度は、定員400名として、12月初旬~1月末の期間で完全web形式で実施され、全国の合格者が受講しました。
※講義は全てweb形式なので、東京以外の合格者も参加可能です。
開会式・閉会式、法務局見学、裁判傍聴、実務家講師と合格者のZOOMによる顔合わせ会等、先着順で様々なイベントも実施され、非常に充実していました。
時間の都合がつく方は、①②の研修と併せて是非参加されてみてください。
講義は36時間(3時間×12コマ)で、費用が33,000円でした。
(おまけ)特別研修【任意】
新人研修が終わった後、特別研修が実施されます(令和6年度の合格者を対象としては、令和7年5月下旬~6月末に実施されました)が、こちらの受講も任意です。
認定司法書士(※)となるための認定考査の受験資格として、特別研修修了が必須となりますので、認定司法書士を目指す方は受講してください。
(※)認定司法書士とは…
特別研修を修了した司法書士(有資格者)が、毎年9月頃に法務省が実施する「認定考査(簡裁訴訟代理等能力認定考査)」に合格すると、「認定司法書士」として、通常の司法書士業務に加えて簡易裁判所における訴訟代理等関係業務を行えるようになります。
最後に
如何でしたでしょうか?
筆記試験合格者の方は、しっかりと口述試験対策をして、是非有終の美を飾ってください。
個人的には、合否線上で合格された方や筆記試験に悔いが残る方ほど、口述試験の対策をしっかり行い、心残りを少しでも少なくしていただきたいと考えております。
また、新人研修については、口述試験が終わったタイミングからでよいので、乗り遅れないように情報収集し、1年以内に登録予定の方は忘れずに申込みをしてください。
※令和7年度司法書士新人研修(中央・ブロック)は、最終合格発表日(11/4)よりも一日早い、令和7年11月3日~申込開始となります※
ご参考:令和7年度司法書士新人研修スケジュール(日司連研修総合ポータル掲載)
受験生の方は、是非とも来年口述試験と新人研修を受けられるように、気持ち新たに学習ノルマをこなしていきましょう!