こんにちは。クレアール司法書士講座受験対策室です。
令和8年度司法書士試験まで、あとわずかとなりました。
本試験前にお届けする司法書士コラムも、今回が最後です。
毎年この時期になると、多くの受講生の方から、直前期ならではの不安や過ごし方についてご相談をいただきます。
そこで今回は、試験前日や当日におすすめしたい勉強法や過ごし方をご紹介します。また、本試験前の不安や緊張を和らげ、プレッシャーの中でも実力を発揮しやすくするための方法についてもお伝えします。
気になる箇所だけでも、息抜きがてら気軽にご覧いただければ幸いです。
試験前日(前泊時など)のおすすめの勉強・過ごし方
試験前日は、ご自身のルーティーンや願掛け、験担ぎを行う方もいれば、あえて勉強をせず、リフレッシュに充てる方もいらっしゃると思います。
一方で、「最後まで勉強していないと落ち着かない」という方も少なくありません。そこで、そのような方に向けて、試験前日や当日におすすめしたい学習内容をご紹介します。
択一式対策
- 出題予想論点総チェック講義のレジュメを見直す
「特定の科目だけを追い込みたい」という方でなければ、まずおすすめしたいのが「出題予想論点総チェック講義」のレジュメです。レジュメには、その年の本試験で出題が予想される論点がバランスよく盛り込まれています。試験直前に全科目の重要事項を一通り確認できるため、「ここまでは確認できた」という安心感にもつながります。
また、講義を受講した際や復習時に、「試験直前にもう一度見返したい図表」や「忘れやすい箇所」にあらかじめ印を付けておくと、最後の見直しをより効率よく行うことができます。
レジュメに載っていない知識であっても、試験前に最終確認したい内容があれば、関連する科目や分野のページに書き込んでおくのもおすすめです。自分だけの「ファイナルペーパー」として活用できるため、試験当日の最終確認にも役立ちます。
記述式対策
- 『合格書式マニュアル(ひな形集)』の見直し
苦手なひな形や、答練・模試で間違えたひな形には、その都度チェックを付けておきましょう。試験直前には、チェックが付いているひな形を重点的に確認するだけでも、効率よく復習できます。
- 記述式のミスノートの確認
これまでに作成したミスノートがあれば、試験前日や当日に見直しておきましょう。
特に、不動産登記の連件申請で繰り返し間違えたパターンや、商業登記の「登記できない事項」の判断ミスなど、自分が苦手としている論点を確認しておくことをおすすめします。
ただし、本試験まで残り時間が少ない段階で、新たにミスノートを作り始めることはおすすめできません。ノートを完成させること自体が目的となり、他の学習がおろそかになってしまうおそれがあるためです。
まずは『合格書式マニュアル(ひな形集)』の確認を優先し、時間に余裕がある場合や、これまでの学習で作成してきたミスノートがある場合に、試験前日や当日の昼休みなどを利用して見直すとよいでしょう。
(前泊される方へ)試験前夜、慣れない環境で一睡もできなかった場合
試験会場は各都道府県に設けられているわけではないため、会場近くのホテルなどに前泊される方も多くいらっしゃいます。
そのような場合、慣れない環境や本試験への緊張から、移動や勉強で疲れているにもかかわらず、なかなか眠れないことがあります。なかには、それを見越して数日前からホテルに宿泊し、環境に慣れるよう工夫される方もいらっしゃいます。
眠れないと体調や試験への影響が気になってしまいますが、横になって目を閉じ、身体を休めるだけでも疲労の回復にはつながります。「眠れなかったらどうしよう」と考え続けるよりも、まずはゆっくり身体を休めることを意識してください。
目覚ましをセットしたら、あとは本試験当日の自分を信じましょう。当日は適度な緊張感もあり、多くの方が自然と目を覚ますことができます。
実際に、令和5年度の合格者の中には、試験前夜に人生で初めて一睡もできなかったにもかかわらず、本試験では普段どおりの力を発揮し、見事合格された方がいらっしゃいました。
緊張感のある場では、体力の不足分を集中力で補うことができるのだと思います。どうか必要以上に心配せず、落ち着いて本試験当日を迎えてください。
令和5年度司法書士試験 合格者インタビュー
>今年の司法書士試験を振り返って
>これから学習する人、現在学習を始めている方へのアドバイス
試験当日(試験前、昼休み)のおすすめの勉強法・過ごし方
試験当日は、本試験だけに集中するため、あえて教材を持参せず、休息を優先するという方もいらっしゃいます。その考え方も、もちろん一つの選択肢です。
一方で、「試験開始直前まで少しでも知識を確認しておきたい」という方も少なくありません。どちらが良いかは、直前期の学習状況や、ご自身が安心して試験に臨める方法によって異なります。
ここでは、試験開始直前まで学習したい方に向けて、おすすめの学習内容をご紹介します。
試験前
多くの方は、民法や会社法などの苦手分野を確認されると思います。そこで、ここではそれ以外におすすめしたい内容をご紹介します。
① 手持ちの過去問題集やCROSS STUDYで憲法の問題文を読む、または憲法の条文を確認する。
午前の部は比較的時間に余裕がありますが、緊張すると、憲法の長い問題文が頭に入りにくくなり、思わぬところでペースを崩してしまうことがあります。
そのため、本試験前のウォーミングアップとして、憲法の問題や人権分野の判例を読んでおくことをおすすめします。これは、実際にクレアール司法書士講座受験対策室の講師も実践していた方法です。
憲法は、民法や会社法に比べて学習時間や演習量が少なくなりがちな科目です。そのため、試験会場へ向かう電車の中や試験開始前の時間を利用して目を通しておくことで、頭を試験モードに切り替えやすくなります。
なお、憲法の問題を読む以外にも、試験前に頭の働きを整える簡単な方法がありますので、後ほどご紹介します。
② CROSS STUDYの特定のユーザータグを付けておいた問題を確認する。
CROSS STUDYを利用されている方は、ユーザータグを活用した最終確認もおすすめです。例えば、「間違えやすい問題」や「最終確認する」といったユーザータグを付けておけば、試験当日の朝でも効率よく復習できます。
実際に、令和6年度の合格者の中には、理解が不十分だと感じた約100問に「間違えやすい問題」のユーザータグを付け、試験当日の電車内で集中的に確認していたという方もいらっしゃいました。
試験直前は、新しい知識を増やすよりも、「自分が間違えやすい問題」を確実に押さえることが大切です。ユーザータグを活用すれば、限られた時間でも効率よく最終確認を行うことができます。
令和6年度司法書士試験 合格体験記
>学習初期、学習中期、直前期の学習方法の変化 >直前期
昼休み
午後の部は3時間に及ぶ長丁場です。そのため、昼休みはできるだけ頭を休め、午後の試験に備えることをおすすめします。周囲の受験生の様子に気を取られず、一度頭をリセットするつもりで、落ち着いて過ごしましょう。
一方で、「何か確認していないと落ち着かない」という方は、次のような内容を最終確認するとよいでしょう。
① 供託法の苦手知識を確認する。
供託法は過去問の知識がそのまま問われることが多く、直前の確認が得点につながりやすい科目です。
② 民事保全法、司法書士法の苦手知識を確認する。
いずれも出題範囲が比較的狭く、短時間でも効率よく復習できます。
③ 不登法の連件申請のミスパターンを想起する。
特に「名変」など頻出論点は、「当たり前だから大丈夫」と思っている知識ほど、本試験では意外と抜け落ちてしまうことがあります。記述式のミスノートや、『合格書式マニュアル』に書き込んだ注意点などがあれば、午後の部開始直前に見直すのも効果的です。
本試験前の不安や緊張に打ち勝つ方法
どれだけ念入りにシミュレーションを重ねてきても、本試験になると、普段では考えられないほど強い不安や緊張を感じるものです。
例えば、「問題文を読んでも頭に入ってこない」「いつもなら分かる知識が思い出せない」といった経験をされたことはありませんか。
その原因の一つが、「ワーキングメモリ」の働きです。
ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持しながら処理する、いわば「頭の中の作業机」のようなものです。ところが、強いプレッシャーを感じると、この作業机が不安でいっぱいになり、本来の力を発揮しにくくなってしまいます。
では、不安や緊張を和らげるには、どうすればよいのでしょうか。
おすすめしたいのは、今感じている不安を、そのまま紙に書き出すことです。
「そんな簡単なことで効果があるのだろうか」と思われるかもしれません。しかし、この方法は臨床心理学の研究でも効果が示されている方法です。
不安を書き出すことで、自分の感情を客観的に整理できるようになり、頭の中を占めていた不安が軽減されます。その結果、ワーキングメモリが本来の働きを取り戻しやすくなり、問題文を落ち着いて読んだり、知識を思い出したりしやすくなると考えられています。
ノートでもメモ帳でも構いません。不安に思っていることを、思いつくまま書き出してみてください。きれいな文章を書く必要はありません。前後のつながりや表現を気にする必要もありません。
「あの分野の復習ができなかった」「最後まで理解しきれなかった論点がある」など、不安はいくらでも浮かんでくるでしょう。それらをすべて紙の上に吐き出してみてください。
不安でいっぱいだった「頭の中の作業机」に少しずつ余裕が生まれ、本来、問題を解くために使えるはずだった力を取り戻しやすくなります。
試験本番は、実力を伸ばす場ではありません。これまで積み重ねてきた力を、十分に発揮する場です。ぜひ試験前に数分だけ時間を取り、不安を書き出すことを試してみてください。
最後に
いかがでしたでしょうか。
少しでも皆さんのお役に立てる内容がありましたら幸いです。
ここまで試験前日や当日の過ごし方についてお伝えしてきましたが、最後にお伝えしたいことは、とてもシンプルです。
受験票を忘れないこと。着席時間を守ること。
クレアール司法書士講座事務局・受験対策室スタッフ一同、皆さんが令和8年度司法書士試験で、これまで積み重ねてきた力を十分に発揮されることを心より願っております。
体調に気を付けて、最後までベストを尽くしてください。
そして、結果発表の日には、皆さんの喜びの声をお聞かせいただけることを楽しみにしております。

