中田 有香さん
なぜ司法書士資格を目指したか
いきなり過去の話をさせていただき恐縮ですが、自分は学生時代からモチベーションが低く、高校も何度か中退しようと思っていたし、何とか両親の助けで入学できた専門学校でも、ただ日々を過ごすだけの毎日を送っていました。
そんな調子でしたので就活はことごとく失敗し、地元でフリーターをしていたのですが、ある時思い立って実家から少し離れた場所で一人暮らしを始めました。
その時自分があまりにも世間知らずで、甘えて育ってきたんだと突き付けられる出来事があり、もっと社会を知り、一人でも生き抜けるようにと法律の本を読み始めました。
段々法律の勉強が楽しくなり、せっかくなら何か資格を取ってみようと、宅地建物取引士の試験に挑戦し、続けて行政書士の試験に合格したことで、「実務家として仕事に活かせる司法書士を目指したい」と思い、学習を始めました。
予備校選びのポイント
宅建、行政書士は独学でやってきたので、予備校選びはとても迷いましたが、クレアールを選んだ決め手は、次の3点です。
① サンプル動画を視聴して、講義の説明が分かりやすく、自分に合っていると感じた。
② 他社と比較しても劣らない教材の量なのに、破格にコストが低い。
③ 万が一の安心保証プランがある。
クレアールで学習して良かった点
まず決め手となった先生方の講義は、やはり選んで正解だったと思える内容・質でした。
清水先生は初学者の自分でもすっと内容が入ってくるよう、事例を多数用いて丁寧に講義をされますし、古川先生は試験に出るポイント、出題形式などを意識した効率的に知識を得られるような講義で、素晴らしかったです。
クレアールの目玉教材である択一六法は、条文だけでなく、判例・先例、さらには横断的に知識をまとめた図表等の掲載があり、これ一冊で大体の範囲は網羅できると思いました。
直前期には答練・模試が毎週のように届き、記述式の精度・スピードアップが出来ましたし、モチベーションを上げるのにも良かったと思います。
CROSS STUDYの進め方
(a)どのように利用したか
使用頻度
自分はCROSS STUDYの存在に気付いたのが遅く、2024年2月ごろから始めたのですが、4月からは毎日ランダムで150問は解くと決めてやっていました。
使用タイミング
電車通勤中はもちろん、日常のちょっとした時間(食事・お風呂・トイレ・ベッドに寝転がっていたり)にも使用していました。あまり良いことではありませんが、スマホが手放せない人間なので睡眠中以外割と全ての時間といった感じです。
(b)学習時期・段階ごとの利用方法の変化
前述の通り学習開始当初は利用していなかったので、2024年2月ごろから直前期の話になりますが、初めの1か月は、定期的に配信される確認テストの問題を解いてみたり、苦手科目のみを解いてみたり、クロスワードを利用してみたり、とにかくCROSS STUDYの機能に慣れるところから始めました。
直前期は毎日必ず150問を解き、一周終わったら間違えた問題を再度解いていき、試験日までに解けない問題をゼロにしていきました。
(c)復習の際に意識したこと
間違えた問題は、解説や関連知識までしっかり読むことを意識しました。
(d)各種機能の利用方法
① 重要度の設定につきましては、間違えたら☆5、当てずっぽうで正解したら☆4、正解は判断できるが理由まで説明できなければ☆3、理由まで説明できるが、一応もう一回解いておきたいと思ったら☆2、完全に解けるし、絶対に間違えない自信があれば☆1と設定して一周しました。
② ユーザータグにつきましては、個人的に「解説」というタグを設定していました。誤って解釈してしまっている問題や、解説欄に関連知識が横断的に掲載されている問題について、短時間で復習したいときに役立ちました。
③ クロスワードにつきましては、一通り項目ごとに全部解き、苦手が判明したものは繰り返し演習しました。
④ 確認テストにつきましては、毎週送られるものを解くだけで、特に復習等はしていませんでした。
⑤ 複数単元組合せ機能につきましては、私の場合は全科目全単元をランダムで行っていました。そうすることで毎日満遍なく問題に触れることが出来ますし、飽き性の自分には一つの単元を集中的に演習するというのは難しかったからです。
(e)CROSS STUDYを使い始めてからの学習法の変化
CROSS STUDYを使い始めてからは、紙の過去問題集は一切使用していません。なぜもっと早く利用しなかったんだと今でも悔やむほど、快適に、気楽に、気軽に過去問知識を習得出来たからです。
自分はとにかく机に向かって勉強するのが苦手で、正直CROSS STUDYが無かったら合格できなかったと思います。
本試験はもちろん紙で出題されますので、紙の問題集で解くのも大切だと思いますが、CROSS STUDYで過去問知識を完璧にしてから紙の問題集をこなすのも、ありなんじゃないかと思います。
(f)紙の過去問題集との使い分け
紙の過去問題集は、学習開始から1年あまり利用していました。利用方法は、学習ナビで先生が勧めてくださっているように、肢ごとに理解度に応じて正の字をつけていき、全科目全ての肢が正の字になった段階でCROSS STUDYの存在に気づき、以降は切り替えて学習していました。
学習全般
学習スケジュールをどのように立てて学習を進めたか
学習初期~中期にかけては、配布された配信予定表&学習計画表に沿って、次の単元の配信が開始される前に講義を視聴できるようなペースで、予定を立てていました。
過去問演習に関しては、昨年のお試し受験の時までに一度は全ての問題を解き、Aランク問題は完璧に理解できるようにするのを目標に、一日10問(50肢)は解くようにしていました。
学習直前期も同じく、答練・模試は期日までには必ず提出していました。本試験までにもう一度解き直したかったので、逆算して復習のスケジュールを立てていました。
学習初期、学習中期、直前期の学習方法の変化
学習初期
まずは短期間で講義を1周視聴し終えるようにするため、可能な限りの時間を割きました。
具体的には、講義動画を倍速で視聴し、2か月で全科目を視聴しました。その際、各講義動画の最後に紹介されていた参考過去問を解きながら進めました。
その後の過去問演習は、一日10問(50肢)を最低ノルマとし、こちらも可能な限り多く解き進めました。毎日同じ科目では飽きてしまうのと、満遍なく多くの科目に触れるため、少なくとも一日3科目の過去問題集を解いていました。
具体的な進め方としては、Aランク問題から、理解度ごとに正の字をつけながら一通り解き、何周かやって全てのAランク問題を完璧にしていきました。
記述式に関しては、講義を視聴しながら一緒に書いてみたり、書式ひな形トレーニングの穴埋め問題をやっていました。ひな形は、お試し受験の直前に目を通した程度でした。
学習中期
お試し受験後、択一式合格論点マスター講義を視聴しながら、引き続き過去問題集のBランクとCランクの問題を同じ要領で進めていきました。
記述式は、書式解法マスター講義や記述式ハイパートレーニング解説講義を視聴しながら、2周しました。ひな形も不動産登記・商業登記それぞれ1つずつ書き写していました。
択一式解法マスター答練(現:択一式解法マスターWeb答練)も、毎回期限内に提出するようにしていました。
直前期
過去問演習は全てCROSS STUDYに移行して行っていました。
具体的には、全問題をランダムで毎日150問演習することを最低ノルマとし、重要度設定の☆で理解度を振り分け、間違えた問題は完璧に理解できるまで何度も繰り返しました。全ての問題が完璧になったら☆をリセットして、同じように解き直しました。ただ、一度完璧になったと思っても、3割くらいは忘れてしまったり、自信を持って正解できない問題が出てきました。最終的に5回以上解いてもよく理解できない問題が100問程あったので、「間違えやすい問題」のユーザータグをつけて、試験当日の電車の中で確認していました。
記述式は、書式講義テキストと記述式ハイパートレーニングの問題を、何も見ずに書けるようになるのを目標に、最低2周はやりました。苦手な問題は5回ほどやっても間違えてしまい不安でしたが、毎日最低でも不動産登記2題、商業登記1題はやると決めて進めていました。
答練・模試は期日内には必ず提出して、次の教材が送られてくる前に復習講義を視聴したり解説を読んでいました。記述式は特に自信が無かったので、試験日までの日付を逆算して、時間を計りながらもう一度解き直しました。
効果的であった択一式対策、記述式対策
択一式はとにかくCROSS STUDYをやり込むことが効果的でした。苦手分野はクロスワードを使い、周辺知識も身につけていくのが良いと思います。
記述式は書式講義テキストや記述式ハイパートレーニングの問題を、暗記できるほど書き込むことと、答練・模試の問題を、時間内に書ききれるようになるまで繰り返しやってみるのが効果的だと思います。
具体的な対策
午後の部の効率的な時間の使い方
まず記述式不動産登記を60分前後で解き、択一式を60分前後、記述式商業登記を60分前後の順で解いていくのが良いと思います(記述式は自分が得意だと思う方から解く)。
自分も他の方の合格体験記を読んで実践したことなのですが、まずは得意な方の記述式で頭と手をウォーミングアップし、難しい択一式に入り、最後に苦手な方の記述式で締めることで、次のようなメリットがあると思いました。
- 緊張で震える手をたくさん動かすことで、短時間で平常心に持っていく。
- 記述式の論点は、択一式で出される知識より簡単であることが多いから、択一式を解くためのウォーミングアップにもなる。
- 先に記述式を1題解き終わっているから、時間が想定外に押しても気楽に構えられる。
- 記述式の解答を連続して書かないことで、腱鞘炎にならない。
解く順番について
午前の部については1問目から順番に解いていき、分からない問題は飛ばして最後にじっくり検討しました。
午後の部は、記述式不動産登記→択一式→記述式商業登記の順に解いていきました。
制限時間内に解くためのコツ
午前の部は慣れてくれば時間は十分だと思いますが、午後の部は、本試験当日も正直足りなかったです。その中でもなんとか記述式まで全て書き切れたのは、今になって振り返ると次の3点を意識したことが功を奏したと思います。
- 設問のページの端を折り、捲りやすくすること。
- 答練・模試の演習の中で、【事実関係に関する補足】と【答案作成上の注意事項】 は、ある程度規則性があるので、例外以外を流し読みできるくらいの状態にしておくこと。
- 択一式は全ての肢は検討せず、短い肢のものから2~3つほどの検討でどんどん先に進むこと。
択一式・記述式問題の解き方(マークミス・ケアレスミス防止の対策等)
択一式は、マークシートへのマークを一々行うと案外時間がかかりますし、飛ばした問題のマークミスが発生するおそれがあるので、記述式2題を解き終わり、最終確認をする時にまとめて行うのがベストかなと思います。
記述式が解き終わらなくても、ラスト15分くらいには一度手を止め、択一式の飛ばした問題を検討しマークすれば間に合う時間になりました。
モチベーション関係
集中力が切れたとき、やる気が出ないときのリフレッシュ方法
直前期は自分の中では結構集中して取り組めましたが、どうしてもやる気が出ないときは無理せず休みました。1日限定、何時間限定と決めて趣味に没頭したり、お酒を飲んでリフレッシュしていました。やる気が出ない自分を責めず、明日頑張るための必要な時間だと思うことが大切だと思います。
仕事との両立をどのように行ったか
自分の場合、仕事は出社とリモートが半々だったので、フルタイムで勤務されている方よりは時間を作れたと思います。
出社の日は電車での通勤時間(往復1時間30分)と帰宅後に2時間程度、リモートの日は仕事の合間と業務時間終了後に3時間程度学習していました。
通勤時間には講義の音声データを聴いたり、CROSS STUDYで過去問演習をやったり、スキマ時間が知識定着に良いと聞いたことがあるので、意識的に取り組んでいました。
その他
令和6年度司法書士試験に合格することができた一番の秘訣(総括)
自分の場合、成績通知書を確認しましたら、筆記試験合格点ギリギリでしたので、単純に運が良かったのが大きいと思っています。
その上で、自分の何倍もの時間を費やし、たくさん努力を重ね、それでも叶わなかった方々の気持ちを考えると心が痛くなりますが、合格することができた一番の秘訣は、会社や周りの方の協力、すなわち環境だと思います。勉強時間を確保する時間を与えてもらいながら、生活に困らないだけのお給料をいただけたことで続けられました。自分は一人暮らしですが、ご家族がいらっしゃる方で協力を得るのが難しい環境の方も少なくないと思います。恵まれた環境に何より感謝し、今後は助けていただいた会社や周りの方に恩返しができるよう、より一層精進して参りたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。