目の前の問題につまづいて困ったときには~思いがけない解答ミスへの対処法~

公認会計士コラム

監修:角田 優太(公認会計士試験合格者)

仕事と勉強を両立する社会人受験生として、2021年8月にクレアール公認会計士講座にて学習を開始し、2021年11月の日商簿記検定1級、2022年5月の短答式試験、2022年8月の論文式試験に一発合格。現在は会計分野の業務に従事するとともに、主に社会人受験生に向けた公認会計士試験の対策法について、公認会計士ブログ(https://www.crear-ac.co.jp/cpa/category/kakuda/)で紹介している。

正答を確信した問題が解けなかった経験

 皆様、こんにちは!クレアールの公認会計士講座でブログ記事の執筆や学習相談の対応等を担当している角田と申します。

突然ですが、皆様は正答を確信した問題が実は間違っていたという経験をされたことはありますでしょうか。
私もクレアールの公認会計士講座を受講していたときには、何度もそのような経験があり、解けない自分に対して悔しい思いをしていました。

「失敗は成功の母」という教訓がありますが、これには「失敗をしっかりと生かして取り組めば、成功に結びつけることができる」という意味があります。この教訓の通り、問題の解答を誤ってしまったときには、しっかりと見直しすることで問題を正答できる能力を養うことができます。
したがって、「一つの問題からどれだけの学びを得ることができるかどうか」という観点をもって日々の学習に取り組むことは非常に重要です。

 そこで今回は、私の試験学習の経験も踏まえながら、思いがけない解答ミスに遭遇したときに注意すべきポイントについて、お話したいと思います。

まずは自分の間違いを認める素直なマインドが大切

 解答ミスの原因分析をするときには、自分の間違いを認める素直なマインドを持つことが非常に重要です。素直なマインドとは、具体的には、間違ってしまった自分自身を認めるという姿勢を常にとるようにするということです。

解答ミスの原因分析をするということは、自分自身の間違いを直視したうえでそれに向き合う必要があるため、ときにはつらい思いをすることもあるかもしれません。
しかし、何度も悩み目の前の壁を乗り越えた経験は、きっと皆さんの実力アップにつながるはずです。

「なぜ」を繰り返す

 解答ミスの原因分析をするには、「なぜその問題を間違えてしまったのか」という問いを何度も繰り返すようにしましょう。

これは一見当たり前のことのようにも思えますが、そのポイントは「何度も繰り返す」というところにあります。
一度解いた問題の答え合わせをするときに、間違えた理由を少なくとも1回は考えると思いますが、普段から数回にわたってなぜを繰り返す方は少ないのではないでしょうか。

 日本を代表する自動車メーカーであるトヨタは、お客様から注文を受けたクルマをより早く届けるために最も短い時間で効率的に造るための”トヨタ生産方式”を採用しています。 そして、その”トヨタ生産方式”は今や世界中で知られており、改善を積み重ねて確立したトヨタ独自の効率的なモノづくりの思想だと言われています。
そんな”トヨタ生産方式”では、問題解決方法の一環として「なぜなぜ分析」という考え方が用いられています。「なぜなぜ分析」には”問題を発見したらなぜを5回繰り返す”という特徴があり、これにより問題再発を防止するための根本原因分析を行っているそうです。

 この点、試験勉強での解答ミスの原因分析においても「なぜなぜ分析」は非常に有効ですので、ぜひ普段の学習に取り入れてみるようにしてください。

よくある解答ミスの原因とは

 「なぜなぜ分析」を繰り返すことで解答ミスの原因分析を実施できますが、大抵のケースでは根本原因が共通していることが少なくありません。

そこで、ここではよくある解答ミスの根本原因をご紹介しますので、解答ミスの分析の際に役立ててみてください。

出題されている論点を正確に把握できていない

 試験問題自体は出題者(すなわち人間)が作成しているため、各問題には「出題者の意図」や「論点」というものが存在します。したがって、問題の解答にあたっては、「出題者の意図」や「論点」を正確に把握していなければ、パーフェクトな回答を導出できません。

これはすなわち、「出題者が何を解答してほしいのか考えること」が重要であるということです。
いわゆる「ひっかけ問題」に立ち向かう場合には、問題の趣旨や論点は何か考えるようにしてみると良いかもしれません。

問題文自体をよく読んでいない

 これは試験学習の上級者によくあるケースなのですが、問題文をよく読んでおらず問題の前提条件の認識が誤っていたため、解答ミスをすることがあります。当たり前と言ってしまえばそれまでなのですが、問題文は素早く必要な箇所を正確に読み取るように気を付けましょう。

単なる計算ミス

 単なる計算ミスも解答ミスの原因となることがあります。
特に公認会計士試験等の複雑な計算が求められる資格試験においては、単なる計算ミスは致命的なミスとなることが少なくありません。

計算ミスを防止するためには、やはり検算の徹底等が効果的です。解答時間が短い場合には焦る気持ちが出てしまうかもしれませんが、そんなときこそ正確な計算をするように心がけてみましょう。

解答用紙の下書きを間違えている

 複雑な計算問題を解答するケースでは、解答用紙に計算過程等を下書きすることがあります。ただし、この下書き自体を間違ってしまえば、解答ミスにつながってしまうことは少なくありません。

最短時間で正答を導き出すための下書き方法は人それぞれですが、自分自身に適した下書き方法を見つけることは怠らないようにしましょう。私のおすすめは、公開模試や答練等の解説等で紹介されている模範的な下書き方法と現状の自分自身の下書き方法を比較し、改善点がないか考えることです。

日々の学習においては、下書きを疎かにしないようにすることのみならず、現状の自分自身の下書き方法のレベルを高めることができるような取組みを続けるように意識してみてください。

塵も積もれば山となる

 解答ミスに向き合うことは決して楽しいことではありませんが、「塵も積もれば山となる」という言葉の通り、日々の学習で解答ミスに真摯に向き合い、次回は間違えないような学びをコツコツと積み重ねることが非常に重要です。

今回ご紹介した方法やポイントを活かして、普段の学習に取り組んでみてください!

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