公認会計士試験合格者 森 大地
公認会計士に強くあこがれ、誰よりも会計士試験合格への思いが強いにもかかわらず、勉強のやる気が出ない日々が続いてしまう人がいます。ある人は、「とにかく目の前のタスクに集中しろ」と言い、ある人は「しばらく休めば、自然とやる気が戻る」と言い、またある人は、「根本的にその目標を望んでいるのか、内省が大切だ」と言います。
①とにかく目の前のタスクに集中しろ型
やる気は、行動するための手段です。資格合格のためには、勉強をするという行動を積み重ねて、得点力という能力を高めることが必要です。やる気がなくても、勉強さえすれば、得点力さえ手に入れられれば、目標は達成するのです。だったら、まずはやる気より、「行動」から入ってみる。勉強という行動を繰り返せば、勉強の範囲内で小さな達成感が積み重なり、その達成感が将来のやる気につながります。行動をきっかけにやる気を獲得するというスタイルが、「とにかく目の前のタスクに集中しろ型」の特徴です。
②しばらく休めば、自然とやる気が戻る型
やる気は、有限です。運動をすると身体が疲労を感じるように、仕事や勉強をしていくうちに、精神面での疲労も重なります。精神面での余裕度がやる気といえるのです。ある程度、勉強を積み重ねた結果、やる気が出なくなったのであれば、それは精神面の黄色信号です。それ以上、無理をすると、精神的ストレスから身体面へダメージを与えかねません。キャパオーバーになる前にしっかりと休息を取るべきというのが、「しばらく休めば、自然とやる気が戻る型」の特徴です。
③根本的にその目標を望んでいるのか、内省が大切だ型
やる気ある行動には、必ず目的が伴います。ディナーの約束のために早く上がれるよう仕事を頑張る、友人を喜ばせるためにプレゼントを贈る、安定的な収入を得るために資格へチャレンジをする。一方、やる気が入らないとき、行動の目的が不明瞭であることが少なくありません。日々の生活のために仕事する、付き合いでやむなくお歳暮を贈る、自分探しのために資格を目指す。小さくても心から納得できる目的が見つかれば自然と行動に結びつくというのが、「根本的にその目標を望んでいるのか、内省が大切だ型」の特徴です。
どうしてもやる気がでないときは、自分の内側の変化に焦点を当てる
上記の3パターンは、形は違えど、いずれも真実だと思います。問題はどの解決策を試すかというより、「自分の内側の変化」に気づくことではないでしょうか。やる気が出ないことには必ず原因があります。それは、勉強とは全く関係ない些細なことかもしれないし、勉強に直結する成績や将来ビジョンの話かもしれません。単に心身の調子が優れないだけかもしれないし、一時の怠惰かもしれません。いずれにしても、まずは「やる気が出ない自分」という存在を認識することが大切です。「やる気があった自分」から「やる気のない自分」へと状態が変化した事実に焦点を当てる。そうすることで、本質的な解決策のヒントが見えてくるのではないでしょうか。