偽計業務妨害罪は、刑法233条では以下の通りの規定されています。
- 第233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
たとえば、他人名義で嘘の注文をして営業を妨害する(大阪高判昭和39年10月5日)とか、漁場の海底にひそかに障害物を沈めておいて漁網を破損させる行為(大判大正3年12月3日)など、さまざまな判例があります。
試験問題の流出に伴う「カンニング」についても、人を欺いたり、人の錯誤や不知を利用し、試験の運営業務を不正に妨害したということで、刑法の偽計業務妨害罪で逮捕ということになったわけです。
最初にご紹介した2022年1月の事件でも、問題を流出させた受験生は偽計業務妨害罪で逮捕されています。
では、受験生から依頼されて回答した大学生たちはどうなったのでしょうか。

受験生と共謀してカンニングをしたような場合は偽計業務妨害罪の共犯(共同正犯)になる可能性はあります。
しかし、何も事情を知らなかったのであれば、取り調べを受けることは避けられませんが、起訴されるようなことはありません。実際、立件はされなかったようです。