こんにちは!クレアール講師の吉田です。
本項を書いているのは3月です。3月に入り寒暖の差が激しくなってきました。受験生の方は体調管理には最新の注意を払うことを心がけてください。5月短答受験する方にとって、この時期は極めて重要な時期となり、1日の停滞が後に重く響いてしまうことになります。
さて、主に社会人を対象とした学習アドバイスの続きです!
- 自分の標準学習時間を決めること
- まずは全範囲を終わらせること(←本記事はここ)
- 全ての教材を可能な限り繰り返すこと
- 答練の点数は気にせず、全ての答練を全部解くこと
- 基礎テキストと基礎問題集を重視すること
まずは全範囲を終わらせること
初学者にとって最初のゴールがまさにこれです。一般に資格試験の範囲は盛りだくさんで、受講生の皆様もよくご存じの通り、公認会計士試験の試験範囲も非常に膨大です。
まずは、これを終わらせることが最初の目標となります。
終わらせるとは、必要な講義は全て聞いたうえで、継続的に復習する(基礎テキストを読み、基礎問題集を解く)、ということを意味します。
例えば簿記であれば、個別、連結、企業結合(事業分離)、(連結)CF等の全ての範囲について、これを行うことが必要となります。
もちろん財務会計理論、管理会計、企業法、監査論、租税法、選択科目についても同様に行うことが必要です。
この「全範囲終わらせる」というのは言うは易し。難易度は非常に高いと思います。
特にデータがあるわけではありませんが、全範囲を終わらせることなく、途中で断念してしまう受講生の方はかなりいると思います。
それくらい「全範囲終わらせる」ということのハードルは高いです。特に仕事をされている方にとっては。
試験範囲を「全範囲終わらせる」ことができたのであれば、理解度はともかくとして最初の第一関門をクリアしていることになるので、大いに自分を褒めてあげるべきでしょう。
言うまでもなく、試験は基礎が大事。本番では基礎は全部わかっている前提で、応用的な問題も出題されます。
全範囲終わらせていないのであれば、「基礎ができていない」ということになり、短答試験や論文試験で手も足も出ないことになります。予備校の答練も解けないでしょう。
ですので、初学者の方は最初の目標を「全範囲終わらせる」ということに設定したほうがよいでしょう。
「全範囲終わらせる」ことの注意点
「全範囲終わらせる」ことの注意点は以下となります。
原則として基礎講義は全て受ける
これが非常に大事であり、実はここに落とし穴があります。というのも基礎講義は非常にたくさんあるため、途中で飽きたりモチベーションが切れたりしやすいのです。前回触れた「学習標準時間の設定」等、工夫を凝らして毎日、定期的に確実に消化していく必要があります。
基礎講義でも「これは受けなくても大丈夫」と思えるものは受けない
かといって基礎講義を機械的に全部消化すべきか、というともちろん違います。そもそも講義というのは極力短くあるべき。時間の節約は非常に重要であり、受けなくても理解できるというものがあればもちろん受けなくてもよいです。私個人で言えば、選択科目である経営学の組織論等はテキストを読めばわかると思ったため、まったく講義を見ませんでした。これはもちろん人によって異なると思います。
定期的に復習する。ただし復習時間は人や科目により異なる
当たり前ですが、講義を機械的にどんどん進めていけばいいかというとそれは違います。要所要所で復習をしないと、前の知識が定着しておらず、今の講義内容が全然わからないということになってしまうためです。
そして、復習時間については以下のことが言えます。
「しっかり復習しないと先に進めない」ものはしっかり時間を取って復習すべき。
私の感覚では初学者にとっての「簿記」「管理会計論」、特に簿記の「連結」「企業結合(事業分離)」あたりです。前の講義の知識が完璧にわかっていないと今の講義がちんぷんかんぷん、というところが多いため、このあたりは次の講義に行く前に時間をかけて復習すべきでしょう。
一方、理論科目(企業法・監査論・経営理論等)については、復習はさっとすませて、どんどん先に行く、ということが考えられます。今少々わからなくてもとりあえず先に進む、ということが可能と思われるからです。後にも触れますがテキストはいずれ何度も読み返す必要があり、後でリカバリーができるのではないかと思います。
「まずは全範囲を終わらせること」のまとめ
- 全範囲を終わらせることが最優先→ 基礎講義を計画的に受講し、途中で挫折しない工夫が重要。
- 全範囲を終わらせることは非常に難しい→ できたら第一関門突破!自分を褒めてあげましょう。
- メリハリをつけた復習を取り入れる
資格試験はとにかく「全範囲を終わらせること」。これが非常に大事です。

【次回に続く】