後編です。今回は学習法について考えてみましょう。
解答箇所にメリハリをつけよう
171回試験の商業簿記(連結総合問題)を例にします。
この記事の執筆時点(26年1月8日)の集計で、70点台で合格された方の商業簿記の平均点は18点でした。合格のボーダーとなる目安です。本問を難易度別に分類すると以下となります。
Level1・・・最低限正答したい箇所
・開始仕訳
・繰延税金資産以外の資産・負債項目全て
・純資産のうち資本金
・非支配株主持分、X4年度資本剰余金
・問3:のれん償却額、非支配株主持分に帰属する当期純利益
Level2・・・現状の簿記1級合格標準ライン
・問3:段階取得にかかる差益
Level3・・・連結が得意な人以外は手を出さなくてもいい箇所
・繰延税金資産
・X5年度資本剰余金
・包括利益絡みの箇所
Level4・・・手を出さなくてもいい箇所
・利益剰余金
推測になりますが、Level2までをミスなく解ければ合格ラインに届いたと考えます。言い換えると、大半の方がLevel1の問題を落としていることが伺えます。
Level1は多くが簿記2級の知識で解ける箇所です。例えば、債権債務の相殺消去・未実現利益の消去・貸倒引当金の調整などが該当します。仮にこれらの項目で正答できなかった場合、そこが最優先で対策をかけるべき箇所となります。
日頃の学習で総合問題を解く際も、「ここまでは解ける」「ここは集計量が多いから後回し」「難しいから解かない」などの判断をつけて取り組みましょう。
「完璧を目指さない」勇気を持とう
ご質問で「完璧に仕上げて…」など「完璧」の言葉をお聞きすることが多いです。テキスト・問題集・答練の問題等を全て解けるように目指す意味と考えますが、その思考は危険です。
完璧に仕上げた人はいない
上記の商業簿記の得点を調べた限り、満点を取られた方はいないようです。つまり利益剰余金の金額を正答できた人はほぼ皆無と捉えていいでしょう。
受験者の中で完璧に仕上げられた人はいません。そもそも完璧自体が不可能と考えても構いません。
完璧思考が陥りやすい罠
完璧を目指すことの一番の弊害は、時間配分を考えずに全ての問題に手をつけることです。全ての箇所に手をつけようとするあまり、正答率の高い問題も落とすほど致命的なことはありません。
完璧を目指さない、言い換えれば捨てる覚悟を持つことはかなりの勇気が必要です。資格・検定試験は「簡単な問題を落とさない人から順に合格する」仕組みです。試験に合格できないことは、簡単な箇所を落としていることにその理由があります。
私見として、今回の試験で65点以上であれば、必要な学習量は積まれていると考えます。仮に次回再チャレンジされるのであれば、量を増やすのではなく、戦い方そのものを見直してみてください。


