面接のヒント 第2回「どんな人が合格できる?」

目次

自己分析の前に知っておくべきこと

これから自己分析をスタートするうえで、最初にお話しておきたいことがあります。

それは、どんな人が合格できるか、です。

さっそく核心に触れるような話ですが、面接で合格できる人をイメージすることで、その人物像を思い描きながら面接対策を進めていくことができると思います。

面接で合格できる人とは?

面接で合格できる人、それは「一緒に働きたい」と思ってもらえる人です。

当たり前すぎて拍子抜けするかもしれませんね。では、どうすれば一緒に働きたいと思ってもらえるでしょうか。

「真面目に仕事をしてくれそうな人」?

「優秀な人」?


どれも間違ってはいませんが、いろいろな点をまとめると、以下の3点においてバランスよく評価される人といえます。

面接で評価される3つの重要ポイント
1.人柄
2.適性(能力)
3.意欲(熱意)

 面接で聞かれる質問、あるいはエントリーシート、面接シートに記入する項目のほとんどが、上記3点のいずれかを評価するためのものと考えてもよいと言えます。


 面接対策にあたって、これからさまざまな質問への回答を準備することになりますが、その時に「この質問によって何を評価しようとしているのか」がわかっていれば、的を射た回答ができると思います。

1.人柄

 面接というと、「人柄を見るための試験」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、具体的にはどのような人柄が求められているのでしょうか。


 代表的なキーワードを5つ挙げると、以下の5つがあると思います。
(すべてSで始まるので、「面接で見られている人柄の5S」と称します。)

面接で見られている人柄の5S
1. 誠実さ…社会常識をわきまえ、倫理観に基づき規則を守ることができる。
. 清潔感…きちんとした身だしなみができている。
3. 責任感…自分の役割を自覚し、困難な課題に対しても求められる結果を出そうと努力できる。
4. 社交性…周囲の人たちと円滑なコミュニケーションを取ることができる。
5. 素直…我を張らずに人の意見に耳を傾けることができる謙虚さがある。

 おそらく、「自分はこんな高スペックな人間じゃない!」と思ってしまう人もいると思いますが、これらすべての要素が高水準で備わっていなくても大丈夫です。

 あくまでも、それぞの項目について「人並み」と見なされていればよいとお考え下さい。(逆に言えば、これらが「著しく欠如している」と思われないことが大切です)

 そのうえで、面接において一番大事なことがあります。

 それは、「人柄」を見せることです。

 面接を通してあなたは、面接官から「信頼」を得る必要があります。

なぜなら、採用試験は「これから同じ組織で一緒に働く仲間」を選ぶためのものであり、信頼できない人物は仲間にしたいと思わないからです。

 しかしながら、面接に対して試験モードで捉え、「優秀な人物を演じなければいけない」という錯覚を起こしてしまう方が非常に多いのです。

 面接に対して試験モードで臨んでしまうと、評価が下がらないように背伸びをしたり、型にはめたような模範回答をする人がいますが、これは要注意です

 面接は「正しい答えを口頭で回答できるか」という試験ではありません。

試験だからといって、本当の自分ではない人物を無理に演じてしまうと、面接官から「この人の本音がまったく分からない」「どんな人なのか判断ができない」と思われてしまいます。

つまり、「よく見せようと演じれば、本当の姿が見えなくなり、評価できなくなる」のです。

 正解がないからこそ、模範回答を求める気持ちはよくわかりますが、あくまでも参考程度に考えておかないと、あなたの面接対策は望ましくない方向に向かってしまうということも心得ておいてください。

2.適性(能力)

人物評価の3大要素、2つ目は「適性」ですが、これは「職務能力」とも言い換えることができます。

 近年の人物試験では「コンピテンシー面接」が導入されていますが、コンピテンシーとは、「高い業績を上げる職員に共通してみられる行動特性・思考」で、これを人物評価に取り入れた試験と言われています。

 それまでは面接官の感覚に任されてしまい、主観によって合否が左右されることもありましたが、より明確な評価基準を設けることで受験生の「職務能力」を測ることができるようになりました。

皆さんもご存じの「ガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)」は、社会人としての経験がない学生に対して、部活やアルバイトなどのエピソードについて深く掘り下げた質問をしながら、与えられた役割や直面する困難に対して、どのように考えて行動し、成果を出すことができるかを図るために行われているコンピテンシー型の面接と言えます。

 また、その他にも公務員として求められる職務能力を判断するために「ストレス耐性」「対人スキル」などを測るような質問もあります。

 人柄や意欲を示すことができたとしても、職務能力を示すことを考えないで面接に臨んでしまい、「適性があるのかどうかわからない」と判断されたことが敗因となるケースもあります。

 人柄と同じことが言えますが、自己分析を通して自分自身がどのような職務能力を発揮できるのかを事前に準備しておくことで、適性をアピールすることは十分できるとお考え下さい。

3.意欲(熱意)

人物評価3つ目の要素は「意欲(熱意)」ですが、これが一番大事ではないかと思います。
人柄がよく、職務能力も高い人物だと評価されても、意欲が低いと判断された場合は不採用となってしまう可能性が高いからです。

 受験者の中には、複数の試験を併願している人が多く、第一志望の内定が決まった場合は併願先を辞退することになります。そのため、内定を出した瞬間に採用側と受験者の力関係が逆転するのです。

 また、辞退しなかったとしても働きはじめてすぐに「思っていたのと違う」と、早期に退職してしまうこともあるため、こうしたことがないように面接で受験生の意欲・熱意が本物かどうかを確認しているとお考えください。
 志望動機や採用後にやってみたい仕事を聞くのは、受験者の意欲を知りたいという意図があるわけですが、逆に言えば、これらをしっかり考えて準備しておくことによって、そこで働きたいという熱意をアピールできるのです。

 つまり、意欲をアピールするためには、時間と労力をかけて公務員という仕事への理解を深めることや、情報収集をする必要があるため、早めに面接対策を始めておくべきという結論になります。

以上、これから面接対策を立てる前に知っておくべき「人物評価」の基準についてお話いたしました。

それでは、次回から自己分析編がスタートとなります。
 

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