公務員の志望動機の書き方とは?合格するためのポイントや例文を紹介

公務員を目指すうえで避けては通れないのが志望動機。この記事では、公務員の志望動機で書くべき内容や例文、地元以外の自治体を受ける際の志望動機のポイント等についてご紹介します。必要なポイントを押さえて、採用担当者によい印象を与える志望動機を準備しましょう。

目次

公務員の志望動機を書く前の下準備

公務員に限らず、志望動機はいきなり書き始めようとしてもなかなかうまくまとまらないことが多いです。まずは志望動機に含める情報を集めるために行いたい3つの下準備について解説します。

公務員の役割や仕事内容について調べる

まずは、公務員の役割や仕事内容についてのリサーチを行いましょう。公務員の安定的な働き方だけに目を向けるのではなく、職種ごとの具体的なの役割や仕事内容について調べることが重要です。

特に、「なぜ民間ではなく公務員なのか」「なぜその省庁(自治体)を選んだのか」については、面接でも頻繁に聞かれるポイントです。公務員と民間企業の役割の違い、国家公務員と地方公務員の仕事内容の違いなどについては、説得力のある答えを用意できるよう、情報収集を徹底しましょう。

リサーチの方法としては、Webサイトや本を使用するのはもちろん、公務員として働いている先輩を見つけて、実際の仕事内容や働き方について聞いてみるのもおすすめです。

仕事内容だけでなく、残業時間や休暇の取得状況などを通して、自分が希望している働き方が実現できるワークライフバランスなのか考えてみましょう

自己分析を行う

志望動機を作成するには、自己分析を通して、自分の強みや将来像を見つめなおしておくことも大切です。

自己分析においては、公務員の特徴である「給与体系が年功序列」、「2~3年に一度転勤が発生する(国家公務員の場合)」、「民間よりも大規模な仕事が多い」などを踏まえたうえで、自分の適性を検討し、「なぜ公務員でなければならないか」を明確にさせましょう。

自分の強みが分からないという人は、家族や友人に質問してみるのも一つの方法です。客観的な視点から見える自分の姿を把握することで、より説得力のある志望動機につながります。

志望先の課題および取り組みについて調べる

志望先のよい面だけでなく、抱えている課題やそのための取り組みを理解しておくことも重要です。

リサーチする際は、志望先の公式サイトはもちろんのこと、地方紙やローカルニュース、同規模の他自治体が取り組んでいる施策等についても確認しておきましょう。自分が住んだことのない自治体を志望している場合は、実際に足を運んで、地域の特色を感じてみるのもおすすめです。 

説得力のある志望動機には、志望先が現在抱えている課題や、力を入れている取り組みについて調べたうえで「自分がその志望先で何をやりたいのか」「自分の強みをどう活かせるのか」を説明できるようになることが欠かせません。

公務員の志望動機に書くべき内容

次に、具体的に公務員の志望動機を書くにあたり、必ず入れたい4つの項目について解説します。それぞれ見ていきましょう。

希望する職種や仕事内容

志望動機は、必ず希望する職種に合ったものを作成しましょう。公務員の職種は多岐に渡り、職種によって仕事内容や働き方、志望する理由も大きく異なるからです。

例えば、国家公務員であれば、総合職や一般職、専門職である財務専門官や国税専門官、裁判所事務官などが主な職種として挙げられますが、仕事内容は各官庁によってさまざまです。地方公務員の場合も、県庁職員、市町村役所の職員、警察官、消防士など、職種によって業務内容は大きく異なります。同じ公務員といえども、各官庁によって取り組む業務は変化するため、仕事内容にあわせた志望動機を作成することが重要です。

志望動機を書く際は、その職種ならではの業務や働き方、生かせる自分のスキルを踏まえたうえで、職種にあった内容を書くようにしましょう。

国や地域にどのように貢献したいか

自分が公務員となって、国や地域にどのように貢献したいのかを含めることで、志望動機に説得力が生まれます

ポイントはできる限り「具体的」に記載することです。例えば、「自分が育った地元の地域づくりに貢献して恩返ししたい」では抽象的すぎて、どのような仕事を通じてどう貢献したいのかが分かりにくい印象があります。「地元の○○という課題に対して、○○という形で貢献したい」というように、具体的に記載することで、採用担当者を納得させる志望動機に近づきます

仕事への熱意

公務員の志望動機では、仕事への熱意を示すこともポイントの一つです。公務員は、国民・住民への貢献を通じて社会を良くする役割を担います。公務員の報酬は、民間企業のように個々の業績と直接的に連動しているわけではないため、国民や住民への貢献意識がモチベーションの源となる傾向にあります。志望動機から公務員の業務に対する熱意が全く感じられなくては、採用担当者側も早期退職の心配をせざるを得ないでしょう

志望動機を書くにあたっては、社会貢献したいという熱い気持ちを表明することが大切です。

仕事に活かせる強みや経験、資格

志望先の仕事で活かせる強みや経験、資格がある場合は、積極的に志望動機に含めましょう。自分が公務員としてどのように貢献できるかを説明するにあたり、裏付けとなる強みや経験に触れることで、志望動機の説得力が大きく高まります

例えば、大学時代のバイトの経験について「コールセンターのバイトで傾聴力を培っていたため、住民対応にも活かせると考えます」などと記載すると、自身の強みの裏付けになるでしょう。

ただし、志望動機はあくまでも「志望先を選んだ理由」であることは忘れないようにしましょう。強みをメインで伝えるのは自己PRです。

国家公務員の志望動機の例文

国家公務員の志望動機について、3つの例文をご紹介します。実際に志望動機を書くにあたって、完成形のイメージを膨らませる参考にご覧ください。

総合職の場合

私が国家公務員総合職を志望したのは、公共政策の策定に深い関心があり、特に環境問題の解決に取り組みたいと考えているからです。大学で環境科学を学び、持続可能な社会の実現を目指すことに深い魅力を感じています。これらの経験を活かし、国家公務員として社会に貢献したいと考え志望しました。

総合職試験であることから、政策的な視野の広さを意識した志望動機です。希望する仕事内容が環境問題の解決であることを明記したうえで、大学で学んだ環境科学の専攻分野を活かして、国家公務員として貢献したいと記載することで、志望動機の説得力を高めています。

一般職の場合

私が国家公務員一般職を志望する理由は、国の行政システムの効率化に貢献したいと考えたからです。大学時代に情報技術を専攻し、特に行政のデジタル化に対して強い関心を持ち、新しい技術の導入の必要性を感じました。この知識を活かし、行政のデジタル化を通じた効率的かつ効果的な行政運営に尽力したいと考えています。

大学時代に学んだスキルを現場で活かしたいという志望動機です。希望する仕事が、デジタル化を通じた行政の効率化であることを記載したうえで、情報技術に関する知識という自身の強みに触れ、行政のデジタル化の観点から国に貢献したいと示す流れになっています。

高卒の場合

私が国家公務員を志望する理由は、地域社会に貢献したいからです。高校時代に地域でのボランティア活動に参加し、公共の福祉に対する貢献に深い関心を持つようになりました。この経験を生かし、公務員として社会への奉仕を果たしたいと考えています。

高校時代に経験したボランティア活動を志望動機に結びつけることで、説得力を持たせつつ、他の受験生の差別化を図った志望動機です。大卒区分と異なり、サークル活動やバイト等の経験が少ない高校生でも、ボランティア活動の経験などの行うことで、自身の経験を強みとして記載することができるでしょう。

地方公務員の志望動機の例文

次に地方公務員の志望動機について、3つの例文をご紹介します。こちらも実際に志望動機を書くにあたっての参考としてご覧ください。

市役所の場合

私が市役所職員を志望する理由は、市の高齢化に伴う福祉サービスの不足を改善したいからです。大学で社会福祉について勉強し、私の地元の○○市も、高齢化という課題を抱えていることに気付きました。この経験を活かして、私も○○市役所職員として地域福祉の向上の一助になりたいです。

市役所職員として、どういった貢献がしたいのかに焦点をあてた志望動機です。希望する仕事内容として、高齢化に伴う福祉サービスの改善を挙げたうえで、地元の抱える課題を指摘し、大学時代の学びを活かして貢献したいという想いを記載することで、説得力を向上させています。

都道府県庁の場合

私が○○県庁職員を志望したのは、○○県の地域経済の活性化に貢献したいと考えたからです。現在、私の地元である○○地域は人口減少と産業の衰退に直面しています。大学で経済学を専攻し、地域振興策に関する知識を深めた経験を活かし、具体的な経済再生プログラムの立案に取り組みたいです。

希望する仕事内容として、地域経済の活性化を記載したうえで、地元の県が抱えている課題を指摘しています。更に県が抱える課題に対して、自身の強みである地域振興策に関する知識を活かして、解決に向けて取り組みたいと示すことで、説得力を向上させた志望動機です。

警察官・消防士の場合

私が警察官を志望したのは、公正な法の執行に貢献したいという思いからです。大学時代に法学部で法律を学び、法律に基づいて社会の安全を保つことの重要性に気付きました。私も警察官として法と秩序を守り、地域住民の方々が安心して暮らせる社会を築くための一助になりたいです。

希望する職種として警察官を明記したうえで、大学時代の経験が志望動機につながったことを記載して、志望動機の説得力を向上させています。また公安職であることから、具体的な行政課題の指摘ではなく、自分の想いを全面に押し出した志望動機です。

公務員の志望動機を書く際のポイント

志望動機に含めるべき内容や例文を確認したところで、実際に書く際に気を付けたいポイントについて解説します。採用担当者に志望理由が伝わる志望動機をつくるために、5つのポイントを見ていきましょう。

志望先が地元の場合は地元出身者にしか分からない情報で差別化を図る

志望先が自分の地元の場合は、地元出身者にしか分からない情報を記載して差別化を図りましょう。

志望先が地元の場合によく見られるのが、「地元に貢献したい」という点のみを全面に押し出した志望動機です。しかし、これでは具体性に欠けるため、他の志望者に埋もれてしまう恐れがあります。志望する自治体が抱える課題や取り組みなど、出身者だからこそ分かる深い理解を示したうえで、地元に貢献したいと考えた理由を伝えることが重要です。これにより、他の受験生と差別化された独自の志望動機を書くことができます

例えば、地元地域が抱える課題や近所のコミュニティに参加している感想を盛り込めば、よりオリジナリティのある志望動機になるでしょう。

志望先が地元以外の場合はその地域を選んだ理由を深掘りする

志望先が地元以外の場合は、その地域を選んだ理由を深掘りすることで差別化を図りましょう。

地元出身者でない志望者は、「なぜその自治体を選んだのか」という点で、採用担当者から注目されます。特に、その自治体を選んだ理由に関しては明確な説明が求められると考えておいた方がよいでしょう。反対にいえば、ここをうまく回答することで、他の受験生と大きく差をつけることができます

例えば「その自治体が独自で実施している○○という取り組みに興味がある」など、その自治体を選んだ理由について、自身の価値観や経験を踏まえたオリジナリティのある回答を準備しておきましょう。

5-3志望動機に「安定しているから」と書くのは控える

国民や住民への貢献を第一に考えるべき公務員の志望動機として、「安定しているから」といった自身の待遇面を挙げることは、採用担当者からの高印象にはつながらない可能性が高いです。

公務員の仕事は利益を生み出すために商品やサービスを売るようなものではなく、国民や市民のよりよい暮らしを保障するための業務がほとんどです。こういった業務の特性上、待遇の話が第一に出てくるような志望者は評価を受けにくいでしょう。前述した「仕事への熱意」に対するマイナスイメージになる可能性も高いため、志望動機として含めるのは避けた方が無難です。

民間企業を落とすような書き方は避ける

公務員の志望動機を記載する際に、民間企業を落とすような書き方は避けましょう。公務員と民間企業の比較するうえで、民間企業のマイナス面を取り上げることは、採用担当者に良い印象を与えません

例えば、「なぜ公務員を選んだのか」という質問に対して、「民間企業は利益ばかりを求めているが、公務員なら公益のために働ける」などと語る志望者は少なくありません。しかし、そもそも国や自治体の予算は、民間企業等が納税した税金によって賄われているため、両者の良し悪しについての言及は避けた方がよいでしょう。

民間企業と公務員の違いについて聞かれた際は、「財源(営業利益か税金か)」や「働く目的(会社のため又は公共のため)」の2点に着目して、両者の立場の違いを説明することが重要です。両者の立場の違いを説明したうえで、自分のやりたいことが公務員でないとできない理由を説明しましょう。

公務員になる方法

最後に公務員になる方法について、国家公務員と地方公務員に分けてそれぞれ解説します。

国家公務員の場合

国家公務員とは、国に勤務する公務員で、国全体に関わる業務を行う公務員です。総合職、専門職、一般職の3つに分かれており、特に総合職は人気が高く、選考を突破するのは狭き門といわれています。

採用にあたっては、国家公務員採用試験への合格だけでなく、合格者を対象とした官庁訪問で志望官庁から内定を受ける必要があります国家公務員採用試験に合格しても、官庁訪問で内定がもらえないケースもあるため、採用試験合格前から、官庁訪問の対策を行っておく必要があるでしょう。

受験資格として、30歳の年齢制限がありますが、官庁によっては民間企業経験者等を対象とした経験者枠も設けられています。

地方公務員の場合

地方公務員とは、地方自治体(都道府県や市町村など)に勤務する公務員で、自治体の住民サービスなどの業務を行う公務員です。主な職種として、都道府県県庁職員、市役所職員、警察官、消防士等が挙げられます。他にも特別職の地方公務員として、市長、副市長、市議会議員などがあります。

採用されるには、自治体ごとに実施されている採用試験への合格が必要です。特に県庁や政令指定都市などの人気の自治体では、10倍近い倍率になることもあるため、入念な試験対策が欠かせません。

受験資格は自治体によって異なりますが、多くの自治体では30歳前後の年齢制限があります。ただし国家公務員と同様、民間企業経験者等を対象とした経験者枠が設けられているケースもあります。

自分だけの志望動機で他の志望者と差をつけましょう!

公務員は高い安定性とやりがいを兼ね備えた人気の職業です。採用されると安定して働くことができますが、その分倍率も高く、採用は狭き門といわざるを得ません。

公務員試験対策について、不安がある方は、予備校の利用も検討してみましょう。少しでも合格率を上げるために、予備校も選択肢の一つとして考えたうえで、自分にあったやり方を選ぶことが重要です。

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