目次
問題
問1振替加算されている老齢基礎年金を受給している者であって、その者の厚生年金保険の被保険者期間が、離婚による年金分割を行ったことにより離婚時みなし被保険者期間を含めて240月以上となった場合であっても、当該振替加算は支給停止にならない。(平成19年)
問2遺族厚生年金の支給に当たっては離婚時みなし被保険者期間も厚生年金保険の被保険者としての期間に算入されるため、かつて厚生年金保険の被保険者でなかった者であっても、離婚時みなし被保険者期間を有する者であれば、その者が死亡した場合には遺族に遺族厚生年金が支給されることがある。(平成19年)
問3加給年金額の加算要件(被保険者期間240月以上)となる被保険者期間には、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間が含まれる。(平成24年)
問4厚生年金保険法第78条の14に規定する特定被保険者が、特定期間の全部をその額の計算の基礎とする障害厚生年金の受給権者であったとしても、当該特定被保険者の被扶養配偶者は3号分割標準報酬改定請求をすることができる。(令和3年)
問5離婚等をした場合における標準報酬改定請求は、平成19年4月1日前の対象期間に係る標準報酬も改定又は決定の対象としている。(平成19年)
ポイント!!
● 離婚時みなし被保険者期間の取扱い(主なもの)
項目 | 取扱い |
① 老齢厚生年金の加給年金額の加算要件(被保険者期間が原則240月以上) | 離婚時みなし被保険者期間は算入しない。 |
② 特別支給の老齢厚生年金の支給要件(被保険者期間が1年以上) | |
③ 特別支給の老齢厚生年金の定額部分の計算 | |
④ 特別支給の老齢厚生年金の長期加入者の特例(被保険者期間が44年以上) | |
⑤ 遺族厚生年金〔長期要件〕の支給要件 | 離婚時みなし被保険者期間も含める。 |
⑥ 老齢基礎年金に加算される振替加算額 | 離婚時みなし被保険者期間を含めて240月以上ある老齢厚生年金を受けることができるときは振替加算が行われなくなる。 |
● いわゆる離婚時分割と3号分割との比較
いわゆる離婚時分割 | いわゆる3号分割 | |
当事者 | 第1号改定者→第2号改定者 | 特定被保険者→被扶養配偶者 |
分割請求者 | 第1号改定者又は第2号改定者 | 被扶養配偶者 |
厚生年金保 険の被保険 者とみなさ れた期間 | 離婚時みなし被保険者期間 | 被扶養配偶者みなし被保険者期間 |
分割対象 期 間 | 対象期間(婚姻期間) 平成19年4月1日前の期間も含む | 特定期間(婚姻期間のうち、妻が第3号被保険者であった期間で、平成20年4月1日以後の期間) |
合 意 | 必要(按分割合に関する合意又は家庭裁判所の決定) | 不要 |
按分割合 | 1/2が上限 | |
改定割合 | 按分割合により計算される | 一律1/2 |
請求期限 | 原則として離婚後2年以内 | |
障害厚生年 金受給権者 に係る取扱 い | 規定なし | 特定被保険者が、特定期間の「全部」をその額の計算の基礎とする障害厚生年金の受給権者であるときは不可。なお、特定期間の「一部」をその額の計算の基礎とする障害厚生年金の受給権者であるときは、その額の計算の基礎となっている期間を除いた期間について、3号分割の請求をすることはできる。 |