健康保険法 3 被保険者資格の取得及び喪失、確認 [健保法35条、36条、39条等]
目次
問題
問1適用事業所に期間の定めなく採用された者について、就業規則に2か月の試用期間が定められている場合は、その間は被保険者とならず、試用期間を経過した日の翌日から被保険者となる。(平成26年)
健保法35条、昭和26年保文発5177号
一定の試用期間が設けられている場合であっても、雇入れ当初より被保険者の資格を取得する。
問2新たに使用されることとなった者が、当初から自宅待機とされた場合、雇用契約が成立しており、かつ、休業手当が支払われるときには、その休業手当の支払の対象となった日の初日に被保険者の資格を取得する。(平成26年)
健保法35条、昭和50年保険発25号・庁保険発8号
設問のとおり。
問3同一の事業所において、雇用契約上一旦退職した者が1日の空白もなく引き続き再雇用された場合は、被保険者資格を継続するものであるが、60歳以上の者で、退職後継続して再雇用される場合は、使用関係が一旦中断したものとみなし、被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出することができる。(平成24年改)
健保法36条、平成25年保保発0125第1号・年年発0125第1号
設問のとおり。平成25年4月から、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢が段階的に引き上げられることとなったため、60歳以降に退職後継続して再雇用される者については、退職後引き続き再雇用されたときに使用関係が一旦中断したものとみなし、事業主から被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出させる取扱いとして差し支えないこととされた。
問4任意適用事業所の適用の取消しによる被保険者資格の喪失は、厚生労働大臣の確認によって、その効力を生ずる。(平成26年)
健保法39条1項
任意適用事業所の適用の取消しによる被保険者資格の喪失については、厚生労働大臣の確認は必要としない。
ポイント!!
| 事由 | 時期 |
被保険者資格の取得 | 適用事業所に使用されるに至ったとき | その日 |
使用される事業所が適用事業所となったとき |
適用除外の規定に該当しなくなったとき |
被保険者資格の喪失 | 死亡したとき | その日の翌日 |
その事業所に使用されなくなったとき |
適用除外の規定に該当するに至ったとき |
適用事業所の適用取消しの認可があったとき |
資格喪失の事実があった日に更に被保険者の資格を取得するに至ったとき | その日 |
● 被保険者資格の確認
○ 被保険者の資格の取得及び喪失は、保険者等の確認によりその効力を生ずる。ただし、任意適用事業所の取消しの認可による資格の喪失、任意継続被保険者の資格の取得及び喪失は保険者等の確認を必要としない。○ 確認は、事業主の届出、被保険者又は被保険者であった者からの確認請求又は保険者等の職権により行われる。○ 被保険者又は被保険者であった者は、いつでも確認の請求をすることができる。
ポイント+α
○ 使用されるに至った日とは、事実上の使用関係の発生した日をいい、試みの使用期間を設けて使用された者であっても、雇入れの当初より被保険者となる。○ 雇入れ当初から自宅待機とされた者が、雇用契約が成立していて、かつ、休業手当が支払われるときは、休業手当の支払対象となった日の初日に被保険者資格を取得する。○ 雇用契約は存続していても、事実上の使用関係がない者は被保険者資格を喪失する。○ 休職中に給料を全く支払われない場合、名義は休職でも実質は使用関係の消滅とみることが妥当なときは、被保険者資格を喪失する。○ 育児休業期間中、介護休業期間中であっても被保険者資格は存続する。○ 被保険者が、使用される事業所の労働組合の専従役職員となりその職務に従事するときは、従前の事業主との関係では被保険者資格を喪失し、労働組合に使用される者としてのみ被保険者となる。