22年10月上旬。都内某所のクレアール社内にて行った、行政書士講座・杉田徹講師への突撃取材。後半は「受験当日のアドバイス」を伺いました。
その中で「行政書士の勉強は漢字テストと似ている」という発言が！その真意と、法律家になることについて杉田先生の想いを伺いました。
（取材・文＝泉麻里子）
法律家になるということ
杉田先生：行政書士試験の勉強は、小学校や中学校の時の漢字テストに似たところがあります。
クレアール：？？
杉田先生：漢字テストは、その漢字を覚えているかを問う試験です。したがって、いくら一つひとつの漢字の意味を理解していたとしても、正確な暗記をしておかないと良い点はとれない。
行政書士試験の勉強も似ています。行政書士試験では条文や判例知識が問われますが、いくら条文や判例を理解していても、それら知識を正確に丸暗記していないと合格点はとれないのです。
とはいうものの一般的には、意味不明なことより、理解したことの方が暗記しやすいのは当然です。特に法律科目は難解な概念が多く、それらを暗記するには理解が必要です。そのために予備校などで講義を受ける必要があるのです。しかし、行政書士試験の科目は多いので、試験で必要な条文を全て理解するのは困難です。
だから、理解できるものは理解するとして、理解しきれない箇所はそのまま覚えてしまうのがよいのです。つまり分量が多いので、全てのことを理解してから暗記しようとすると、とても1年や2年では合格できないのです。
特に、行政法系は意味不明なものも多く、面白みにかけます。地方自治法とか訴訟法とか手続法とか。合格者インタビューで合格者の方も、頑張って覚えたと言っています。面白くないけどって(笑)
そしてこの暗記の作業は、他人が手伝えないものなので、一人ひとりの努力にかかっています。暗記の効率とか、よく聞かれます。「どうすれば覚えやすいでしょうか。」と。
そんなものはありません。
クレアール（心の声）：（おお…バッサリ！）
杉田先生：だから法律家は商売になるのです。六法全書が、素人でもすぐわかってしまう内容だったら、誰も法律家に相談しません。六法全書を見ても分からないから、お金を払って法律家を頼るんです。
つまり、法律の勉強が眠くなるのは当たり前、退屈なのは当たり前なのです。そこを自力で乗り越えることが法律家になることなのだと思います。
クレアール：マインドセットを変えるということですね。
杉田先生：一般の方は、どんなに法律に詳しくても、業として行政手続きを行ったり契約書を書いて報酬をもらうと、逮捕される恐れがある。対して行政書士は、行政手続きを代理して報酬をもらう特権が、国から与えられています。ライセンスにはそれだけ重みがありますし、その分責任も強くなる。
いま、勉強がつらいと思っている人も多いかもしれません。でも、実務に就いて、依頼者から事件を受任した時のプレッシャーのほうがはるかに大きいです。行政書士の勉強で苦しいなと思う時は、実務に比べたらマシなんだと、考え方を変えてみてください。
受験当日のアドバイス
クレアール：受験当日のアドバイスはありますか？
杉田先生：はい、3つの気持ちを持ってほしいですね。
まずは試験を楽しんでください。試験というのは、子供の頃のピアノの発表会とか野球の試合、演劇の公演とおなじく「ハレの舞台」です。試験日のために皆さん練習をしてきたのです。だから、怖いのは当たり前かもしれないけど、ハレの日なんだから楽しんできてください。楽しんだ方がリラックスできます。
あとは家族など、周りの方々への感謝の気持ちを忘れないでください。試験を受けるまで、少なからず周りの方々に迷惑をかけてきたはずです。だから、試験を受けられるという幸せをかみしめて試験を受けていただきたいのです。
そして最後まで諦めないこと！あともう2分だからいいやではなくて、最後の最後までやる。勉強に自信のない人は「今日、自分は奇跡を起こしてやる」という気持ちでいいんですよ。
クレアール：最後までかじりつけということですね。
杉田先生：はい。合格するんだとの強い信念を持って、試験に臨んでください。
YouTubeでも杉田先生に会える
クレアール：杉田先生はYouTubeの活動も積極的にされていますね。
杉田先生：いまは行政書士や試験に関する情報発信をしています。どこでも手に入る情報ではなくて、ここ（クレアール）じゃないと、という内容を発信していきたいですね。
以前、個人的に直前の講座を配信していた頃、試験が終わった後で視聴者さんから「合格しました」とメッセージいただいたこともありました。報告があると嬉しいですね。
クレアール：最新のYouTube番組には、今回のインタビューでは伺えなかった役立つ情報もご紹介されていますね。こちらもぜひご覧ください！
【行政書士試験まであと1ヶ月！】直前期にやるべき勉強と注意点（4分46秒）
クレアール：杉田先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。
杉田先生：ありがとうございました。
