今回は会計学です。下記の表は70点台の方と60点台の方の各科目別得点の平均を集計したものです。
| 商業簿記 | 会計学 | 工業簿記 | 原価計算 | |
| 70点台 | 14.5 | 20.7 | 22 | 17.9 |
| 60点台 | 12.1 | 16.1 | 21.4 | 14.6 |
会計学は易化傾向
ここ数年、連結・企業結合で会計士短答レベルの難問が出題されていました。この影響で配点調整が行われる回が続いていましたが、168回から難易度が大幅に下がりました。
上記の表のように合格者であれば8割以上は取れる内容です。基本的な事項を幅広く問うような出題にシフトした印象があります。
連結会計が出題されなかった
171回本試験では連結会計の出題が皆無でした。受験生をはじめ、各予備校の担当者も驚いたと思われます(筆者も思わず「マジか」と言ってしまいました)。
次回本試験で連結会計の出題可能性は不明ですが、仮に連続して出題されない場合、会計士試験等との差別化を図る出題者のメッセージとも受け取れます。
連結会計の対策
とはいえ、対策なしで試験に向かうことは得策ではありません。過去実施回の受験生の得点を調べると、「持分法→連結の移行処理」「一部追加取得」に関連する論点は押さえる必要があります。企業結合は個別上の処理まで押さえておけば他の受験生に遅れをとることはありません。
一方、「一部売却」「包括利益」は差別化を図りたい方が押さえる箇所と考えます。自身の守備範囲を明確にしておきましょう。
168回会計学の連結会計は基本事項が詰まった問題です。
X1・X2年度の完答が合格ライン、X3年度まで完答できれば大きなアドバンテージとなります。実力の目安として活用できるので、チャレンジしてみましょう。
理論対策
1級の理論問題は出題回によって難易度にかなり分かれます。今回は難しい回でした。私見として特段の理論問題対策は必要ないと考えています。範囲が膨大な上、対策したとしてもその箇所がピンポイントで問われる可能性が低いためです。
①日頃の計算問題演習から処理の流れを意識する(丸暗記はNG)
②試験直前にテキスト各章の冒頭数ページを読み込む
この2点を押さえておけば、理論問題で足を引っ張ることはないと思われます。
次回は、工原編です。


