前回に引き続き、簿記3級リベンジ合格のためのポイントを解説します。
今回は第3問に焦点を当てます。
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第3問(総合問題)
70点台で合格された方は、この箇所で35点満点中27点程度、おおよそ8割を得点されています。一方、60点台の方は20点程度と、他の大問と比較して点数が開く箇所です。
総合問題ときくと身構える方は多いと思いますが、実は出題内容はパターン化されており、簡単な問題も多く存在します。パターンを分析してみましょう。
①決算整理事項は確実に押さえよう
以下はほぼ確実に出題されます。
・売上原価/棚卸資産(仕入・繰越商品・繰越商品・仕入)
・減価償却
・貸倒引当金
・経過勘定(未収・未払・前受・前払)
上記のような「基本的な処理を正確に解答できるか」が合否の境目です。
不安が残る方はテキスト等に戻って最優先で復習を行いましょう。特に経過勘定は食わず嫌いにならないように。
「水道光熱費◯◯円が未払いである」「受取家賃◯◯円を前受けしている」などの指示で、即座に仕訳が思い浮かべられることが目標です。(月割り計算はその次のステップです)
②未処理事項等は難しい
未処理事項や仮受・仮払・誤処理が絡む問題は、難しいと思って構いません。
複数の勘定科目に影響すること
例えば、「商品◯円を掛けで販売したが未処理であった」のような指示であれば、売上・売掛金・貸倒引当金・仮受消費税等の金額が変動する可能性を考慮しなければなりません。
初見でここまで対応することは難しいです。
期中処理を考慮する必要があること
仮受・仮払・誤処理は、期中に行われた処理を考慮する必要があります。過去に遡る問題は難易度が上がると捉えて構いません。
合格された方でも②は落としていると推測されます。①で確実に正解を狙い、②に時間をかけすぎないことが重要です。
また、当期純利益や繰越利益剰余金の算出も、他の項目が全て正答できないと求めることはできません。これらは点数すら振られていないことも考えられるため、深追いは禁物です。
まとめ
簿記3級の再チャレンジに必要な考え方として、以下をお伝えしました。
・仕訳対策として、勘定科目と資産・負債・純資産・収益・費用をリンクさせる。
・第2問は対策に時間をかけすぎない。半分できれば十分。
・総合問題は決算整理事項を正確に。未処理・誤処理事項は難しいので深追いは禁物。
検定・資格試験では学習量を確保することは当然ですが、「戦い方」を考えることも重要です。
簿記3級を足掛かりに、難易度の高い試験にチャレンジされる方も多いと思います。戦い方の参考になれば幸いです。
おまけ
最後に、ここまで読んでいただいた方へのお役立ち情報です。総合問題で、税金が絡む問題は簡単なことが多いです。
消費税
前T/Bの仮受消費税と仮払消費税を引き算すれば、未払消費税の額は求められます。
例えば、前T/Bの仮受消費税が300円、仮払消費税が100円であれば、300−100=200円が未払消費税の額です。(未処理事項があれば確認を忘れずに)
法人税等
「当期の法人税等の金額は◯◯円であった」等、金額が明記されていれば、サービス問題です。この場合、問題の金額をそのままP/L法人税等、B/S未払法人税等に書き写すだけで正解です。仮払法人税等があればその金額を引いてB/S未払法人税等に書きましょう。
税金が絡む問題は苦手にされている方が多く、問題文の最末尾に指示があることからも手を回しきれない方が多い印象です。問題を最後まで読んでから解くクセをつけましょう。