合格に直結する「続く努力」を身に着ける!-『頑張る』のあやふやさを乗り越える‐

公認会計士コラム

監修:森 大地(公認会計士)

大学在学中に公認会計士の勉強をはじめ、公認会計士論文式試験に一発合格。現在は、クレアールの公式YouTubeチャンネル「公認会計士対策ワンポイントアドバイス」にて、監査法人での仕事や試験対策の学習法などを紹介している。

「頑張る」は良いことばかりではない?

モチベーションが上がらないと悩む受講生は多く、受験生時代の私もその一人でした。
私は無職で会計士を目指していたため、勉強が当時の仕事だったわけですが、やる気がなくて勉強時間がゼロの日が続くと自己嫌悪やら現実逃避やらで、気持ちがさらにネガティブになりました。何とか頑張ろうと気合を入れるのですが、そう上手くはいきません。

難関資格に挑戦していると、結果が出なくても”頑張っている自分”に満足してしまっている時があります。反対に、結果にこだわるあまり、やる気がない自分に鞭を打ちすぎて心が疲弊してしまうこともあります。

頑張る」という言葉には様々な意味があります。
一生懸命努力する、という意味のほかに、気合で乗り切る、無理やり何とかする、というニュアンスもあると思います。

今回は、こうした「頑張る」の弊害を乗り越え、合格に直結する「続く努力」を身につける方法を考えます。

結果を中心に計画する

学習時間は目安として便利な目標になりますが、こだわり過ぎてしまったために、結果の伴わない努力になることも多くあります。例えば、”今月の目標時間を達成したけどまとめノートを作るのにほとんどの時間を割いてしまった”というのは、まとめノートで大幅な学習効率アップを見込めない場合、結果が伴わない努力となってしまう可能性が高いです。
まとめノートには賛否ありますが、作成時間以上の学習効率を見込めるか、という時間対効果の考え方を身につけておくと個々の学習の効率が格段にアップします。学習量を大切にしつつ、同時に学習の質も常に留意することが大切です。

また、学習時間のノルマに縛られてしまうと、先述の私の例のように自己嫌悪になって自分を苦しめ、さらに勉強のモチベーションを奪ってしまいかねません。学習時間ノルマの設定自体は、学習の習慣化、最低限度の学習量の確保などメリットがたくさんありますが、「結果ありきの学習時間ノルマである」点を理解しておくと、自分にとってフィットする学習法が見つけやすいです。

「頑張る」期間を限定する

「頑張る」には一生懸命努力するというほかに、気合で乗り切る、無理やり何とかするというニュアンスがあると述べました。

後者は、資格試験では直前期に求められることが多いのではないかと思います。
なお、試験が難関であるほど合格者に「最後の追い込みで成功した」傾向が強いです。公認会計士試験での体感では、最後の1か月で合格者の全科目平均点が5~10点上昇していました(1か月前に60~65点だったのが、本試験当日に70点になるイメージです)。
合格点に近づくほど1点の重みが増えていく中で、直前期に10点上がるというのは、とてつもないことです。もちろん、それまでの3~4年の積み重ねがあっての総仕上げで点数が上がるのですが、公認会計士試験合格者の直前期の勉強量は極めて多く、その効果は絶大だと思います。

ただし、こちらの「頑張る」が有効なのは、短期間だけです。長期の努力をするためには、頑張らなくても資格勉強ができる”仕組み”が必要です。
学習時間のノルマを上手く使って、毎日一定時間必ず勉強をする習慣を作るのもその一つですし、結果を中心とした学習計画を作り、その週にクリアすべき課題に向かってゲーム感覚で学習を進めるのも一つです。

私はノルマが苦手だったので、後者のゲーム感覚のスタイルが合っていました。机に向かってしまいさえすれば、あとは苦手論点を何度も繰り返し、少しでも先週よりできるようになると「また頑張ろう」というやる気を自然と得ることができます。

自分に優しく、結果に厳しく

長期間の勉強が苦手だった私が自信をもって言えるのは、努力を続けるのが苦手な人ほど、自分を励まし続けてほしいということです。

しかし、努力を続けるのが苦手な方たちは、一般的に良しとされる「自分へのプレッシャー」が、よりやる気を削ぐ結果になりがちではないかと思います。
ですので、その代わりに、試験合格という結果から、各段階の達成すべき結果を逆算し、与えられた課題に対しては必死に食らいついてほしいと思います。

ペースは人それぞれでも、目の前の課題を一つずつクリアできれば、その先に合格が見えてきます。結果重視の思考で、着実に合格可能性を高めていきましょう。

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