「面接のヒント」第4回は、引き続き自己分析編のSTEP3「自分に関する特性を言語化する」です。
これまでは「経験」や「出来事」についてアウトプットしてきましたが、今度は内面について掘り下げを行っていきましょう。
まずは自分の「特性」から掘り起こす
自己分析を行う時に、いきなり長所や短所を書き出す人も多いのではないでしょうか。
そして、「短所はどんどん出てくるのに長所が思いつかない!」と、落ち込んでしまう経験ってありますよね?
長所や短所というのは、行動や考え方の「特性」をどんな視点で見たかによって決まるものです。
例えば、「自分は何か意思決定をする時に時間がかかってしまうことが多い」という特性をネガティブサイドから見ると「優柔不断」という短所になり、視点をポジティブサイドにすると「慎重に考えて行動する」という長所になります。(どうしても短所しか思いつかない場合も、このように視点を変えることで長所を発見できます。)
当てはまる傾向や特徴 | ポジティブSIDE | ネガティブSIDE |
思い立ったらすぐに行動する | 活動的、積極性、バイタリティ | 慎重さが足りない、せっかち |
行動するまでに時間がかかる | 思慮深い、慎重 | 消極的、優柔不断 |
細かいことが気になる | 繊細、感受性が豊か、気配り | 打たれ弱い、心配性 |
細かいことは気にならない | 大らか、寛大、打たれ強い | 無神経、鈍感、感受性が低い |
マメ、派手なことが苦手 | 几帳面、細やか、丁寧 | 神経質、印象が薄い |
長年続けていることがある | 粘り強い、持続力 | 変化に対応するのが苦手 |
集団行動ができる | 協調性、社交的、調整力、気さく | 長いものに巻かれる、八方美人 |
集団行動が苦手 | 独立独歩、自分の価値観を重視 | 協調性に欠ける、社交性が低い |
物事に動じない | 冷静、感情に流されない、論理的 | 冷たい、共感性が低い |
映画や小説に感情移入しやすい | 感受性が高い、共感性 | 感傷的、感情に流される |
事前に段取りを決めたい | 計画的、論理的、慎重 | 融通が利かない、アドリブに弱い |
無駄なことはしたくない | 効率的、合理的 | コスパ偏重、損得だけで判断 |
人をまとめることが多い | リーダーシップ、自発的 | 独善的、高圧的、独りよがり |
アイディアを出すのが得意 | 独創的、企画提案力、創造性 | 思いつきで行動しやすい |
細かいことが気になる | 気配りができる、几帳面 | 心配性、気にしすぎ、不安症 |
新しいものに興味を持ちやすい | 好奇心旺盛、柔軟 | 移り気 |
物事を続けられるタイプ | 粘り強い、集中力、一貫性 | 諦めが悪い、変化が乏しい |
人の意見に耳を傾ける | 素直、柔軟、臨機応変 | 自分の意見がない、自信がない |
自分の意見を通すことが多い | 交渉力、折衝力、意志が強い | 頑固、わがまま、強引 |
負けず嫌いなところがある | 向上心、努力家 | 嫉妬深い、諦めが悪い |
自己主張をしないタイプ | 温和、協調性、 | 大人しい、存在感がない |
世話好きなタイプ | 面倒見、サポート力、アシスト | お節介、過干渉 |
話をするのが得意 | 話し上手、論理的 | おしゃべり、空気が読めない |
聞き役に回ることが多い | 聞き上手、傾聴力 | 自分の意見がない、話下手 |
一度決めたら最後までやる | 責任感が強い、粘り強い | 引き際が悪い |
「ひとりブレスト」で記憶の中の情報をシャッフル
「ひとりブレスト」とは、ひとりブレインストーミングのことです。
ブレインストーミングは企画会議のような場面で、チームメンバーがそれぞれ自由に意見やアイディアを自由に出し合う集団発想法ですが、自己分析において「ひとりブレスト」を行うのがおすすめです。
物心のつく3歳頃から22歳までの19年間とすると、おおよそ6,935日分です。
その期間の膨大な記憶が普段から取り出しやすい場所に保管されているわけではないため、一度じっくりと外にアウトプットしておく必要があるのですが、その時にブレストの手法が効果的といえます。
まずは、小さなメモ用紙をたくさん準備して、とにかく自分に関する情報を書き出してみましょう。
どこから書けばわからない場合は、一つのお題を決めてみるのもおすすめです。
- 嬉しかったこと
- 悲しかったこと
- つらかったこと
- 許せないこと
- 人に自慢したいこと
- 自分はこういうタイプ
- 友達と自分
- これやっておいてよかった!
- こういうところを直したい
- これだけは譲れない
- あの出来事が自分を変えた
- 恥ずかしい思い出
- こんな時が一番幸せ
- これにハマった
お題について思いつくエピソードを書き出してみると、そこからどんどん記憶のフタが開いていくことがあります。
たとえば、「友達との思い出」であれば、友人の顔や名前だけでなく、一緒に行った場所や関係性、自分の成長に及ぼした影響など、忘れていたような記憶が芋づる式に思い出せるので書き連ねていきましょう。
「他己分析」で客観的に自分の特性を掘り起こす
自分を客観視するために、『他己分析』という方法があります。
他己分析は、家族や友人など、周囲の人たちに自分という人間をどう見ているか聞くことにより、客観的な視点から自分という人間の特徴を知ることできるものです。
「自分はこんな風に思われていたんだ!」と、意外な評価に驚くこともありますし、自分と周囲の評価が一致していれば、思い込みではなく客観的に見た特徴だと言えるようになります。
[他己分析用のアンケート項目例]
・長所または短所はどんなところだと思う?
・(家族以外)第一印象はどうだったか
・改善すべき点はあるか?
・どんなタイプだと思っているか
・持ち味はどんなところだと思う?
・何か印象に残っている自分の言動はあるか? など
自己分析は少しずつ進める
今回は自己分析STEP3の「自分に関する特性を言語化する方法」についてお話しましたが、あくまでも「自分を言語化する」ためのヒントであって、これから先も少しずつアウトプットを続けていただくことが大切だと思います。
外に情報を出すということを一度思い切りやることによって、今後何かのきっかけに思い出すこともあれば、ちょっとしたスキマ時間に考えることもできるようになります。
そうやって絞り出した「自分のネタ」を書き出し続けていれば、必ず自分に関する知識は整理されていくとお考え下さい。
それでは、次回はSTEP4の「自分の辿ってきた『選択』と『その理由』」についてお話いたします。