大阪府の公務員試験について、試験の受験資格や日程、試験内容といった概要を、詳しくご紹介します。また、大阪市の公務員試験の違いについても、仕事内容や給与などの観点から解説します。大阪府の公務員試験を検討している場合には、ぜひ参考にしてみてください。
公務員試験の内容は「大阪府」と「大阪市」で異なる

大阪で公務員として働く場合には、「大阪府庁」「大阪市役所」の2種類の公務員試験があります。それぞれに、申込みの受付期間や試験日程、試験内容などが異なります。
なお、どちらにも共通しているのが、「大学卒程度」「社会人等」「高校卒程度」の順に試験が行われるという点です。そして、「大学卒程度」「社会人等」は春ごろ、「高校卒程度」は夏ごろに、試験の申込み受付が始まります。(社会人等は秋季試験も実施)ただし、採用区分によってはそれぞれの試験で試験日が重なっている場合があるので、併願する場合には注意しましょう。
大阪府庁、大阪市役所ともに、募集している職種はさまざまあり、代表的な「行政」以外にも、「福祉」「技術」「土木」などがあります。
ぞれぞれの試験の概要については、このあと詳しく解説します。
大阪府庁の試験概要

今回は、多数ある採用区分の中から、代表的な「行政(大学卒程度)」を例に説明します。ほかの採用区分では、受験資格や試験日程などが異なることがあるため、大阪府より公表されている試験案内をご確認ください。
採用区分
大阪府の大卒程度の採用職種区分は次のようになっています。各年で変動がありますので、実際に受ける際には公務員試験総合ガイドの各自治体の試験案内をご参照ください。
行政・警察行政・技術(土木・建築・機械・電気・ 行政・警察行政・技術 環境・農学・農業工学・林学)など
受験資格
受験資格は、採用される年の3月31日時点で、次の(ア)(イ)のどちらかを満たす人です。なお、日本国籍を保有していなくても受験は可能です。
(ア)22歳~25歳の人(学歴や職務経験は不問)
(イ)21歳以下の人で、大学を卒業した人、または採用年の3月までに卒業見込みの人、あるいは人事委員会が同等の資格があると認めた人
試験日程
●行政(大学卒程度)
受付期間: 3月初旬~4月初旬
第一次試験:試験日: 5月中旬
第一次試験:合格発表日: 6月初旬
第二次試験:試験日: 6月中旬~7月初旬
第二次試験:合格発表日:7月中旬
第三次試験:試験日:7月下旬~8月初旬
最終合格発表日:8月中旬
これまでの傾向からみた試験日程は上記の通りです。ただし、必ず同じような日程で行われるとは限らないため、最新の試験スケジュールは、大阪府のHPにてご確認ください。特に流行り病や災害の関係で日程が変更になる場合に注意が必要です。
参照:大阪府職員採用案内
試験内容
- 第一次試験
【SPI3】
試験時間:約1時間10分
内容:言語的理解力、数的処理能力、論理的思考力
【自己紹介書】
試験時間:事前に記入- 第二次試験
【筆記試験】
試験時間:1時間
内容:受験申込み時に、いずれか1分野を選択。
(1) 見識(論文) 社会事象に対する基礎的知識や、論理的思考力、企画提案力、文章作成力などを問う問題を出題します。
(2) 法律(択一式)(解答問題数20題) 憲法、民法、行政法の法律科目の問題を出題します。
(3) 情報(記述式) 情報処理の基礎的な知識や考え方を問う記述式の問題を出題します。【個別面接】
内容: 対面面接またはWEB面接- 第三次試験
【個別面接】
内容:対面により候補日のいずれか1日に実施
【グループワーク】
内容:5人~8人程度のグループで与えられた課題についての作業
一般的に、公務員試験の第1次試験では、教養試験などが行われることが多いのですが、大阪府庁では民間企業の採用試験などで行われるSPIを採用しています。また、第3次試験まであるため試験回数が多く、面接も複数回行われるのも特徴です。
なお、試験の配点はすべて非公表となっていますが、各試験科目の点数が合格基準に満たない場合には、ほかの試験科目の得点にかかわらず不合格となります。
試験倍率
| 申込者数 | 第一次受験者数 | 第一次合格者集 | 第二次受験者数 | 第二次合格者数 | 第三次受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 行政 | 1,550人 | 1,382人 | 691人 | 438人 | 351人 | 297人 | 175人 | 7.9倍 |
2025年度をみると、大阪府庁職員「行政(大学卒業程度)」の採用予定者数は135名程度でした。これに対し、大阪府の公表によると、公務員試験「行政(大学卒程度)」の申込者数は1,550人となり、合格倍率は約8倍という結果になりました。
各試験の合格者数をみると、第1次試験の合格者が多い一方で、第2次試験の合格者は半数近くにまで減少しています。このため、大阪府庁の公務員試験では、第2次試験で行われる論文や個別面接の対策が重要になるといえます。
さらに、大阪府庁は筆記試験の合格ラインが低めで、人物重視ともいえるため、面接対策をしっかりしておくと良いでしょう。
大阪市役所の試験概要

次に、大阪市役所の試験概要について解説します。
今回は、多数ある採用区分の中から、代表的な「事務行政(大学卒程度)」を例に説明します。ほかの採用区分では、受験資格や試験日程などが異なることがあるため、大阪市より公表されている試験案内をご確認ください。
採用区分
大阪市役所の大卒程度の採用職種区分は次のようになっています。各年で変動がありますので、実際に受ける際には公務員試験総合ガイドの各自治体の試験案内をご参照ください。
事務行政・技術(都市建設・建築・機械・電気・化学・造園)・社会福祉・消防吏員・保育士など
受験資格
受験資格は、採用される年の3月31日時点で、次の(ア)(イ)のどちらかを満たす人です。
(ア)22歳~25歳の人
(イ)21歳以下の人で、大学を卒業した人(短期大学を除く)、または採用年の3月までに卒業見込みの人、あるいは人事委員会が同等の資格があると認めた人
試験日程
これまでの傾向からみた試験日程は以下の通りです。ただし、必ず同じような日程で行われるとは限らないため、最新の試験スケジュールは、大阪市のHPにてご確認ください。
●事務行政(大学卒程度)
受付期間: 4月初旬~4月下旬
第一次試験 試験日: 6月中旬
第一次試験 合格発表日: 7月初旬
第二次試験 試験日: 7月下旬~8月初旬
最終合格発表日: 8月中旬
参照:大阪市職員採用ページ
試験内容
- 第一次試験
【SPI3の適性試験】
試験時間:約1時間10分
内容:言語的理解力、数的処理能力、論理的思考力
【筆記試験】
試験時間:1時間30分
内容:「論文(行政)」「論文(デジタル)」「択一式(法律)」から選択- 第二次試験
【口述試験】
配点: 非公表
試験時間:非公表
内容:個別面接
大阪市役所の第1次試験では、大阪府庁と同じ「SPI」を採用していますが、大阪府庁とは違って、同日に筆記試験もあります。
ただし、大阪市役所は第2次試験までとなっており、大阪府庁よりも試験回数は少ないです。
試験倍率
| 採用予定者数 | 申込者数 | 第一次受験者数 | 第一次合格者数 | 第二次受験者数 | 第二次合格者数 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事務行政 | 約200人 | 1,788人 | 910人 | 449人 | 394人 | 279人 |
大阪市の公表結果によると、採用予定者数に対する申込者数は約8.94倍と、大阪府庁よりも高い倍率です。
各試験の合格者数をみると、第1次試験で3割ほどまで人数が絞られます。このため、大阪市役所の公務員試験では、基礎的な思考力を問われる問題や、筆記試験対策が合格のカギになるといえます。
なお、筆記試験の「択一式」は、ほかの公務員試験の専門科目と内容が重複しているため、この対策をすでにしている場合には、こちらを選択すると良いでしょう。
一方で、民間企業と併願する場合には、「論文」を選択することで、勉強時間を最小限におさえることが可能です。
大阪府庁職員と大阪市役所職員の違い
ここでは、大阪府庁職員と大阪市役所職員のそれぞれについて、仕事内容や給与、勤務地などが、どのように違うのかを解説します。
特に仕事内容に関しては、どのような人と関わるのかという点が異なってくるため、事前に把握しておきたところです。
仕事内容
【大阪府庁】
- 府の政策の企画立案や条例制定など幅広い業務を行う「行政職」
- 警察活動に関する企画立案や遺失・拾得物の取り扱いなどの業務を行う「警察行政職」
- 道路や公園などの施設の整備・維持管理等の業務を行う「土木職」
- さまざまな人への相談・生活支援などを行う「社会福祉職」
- そのほか、「建築職」「機械職」「電気職」「心理職」など
大阪府庁の仕事内容として、大阪府に住んでいるの住民と、直接的に関わる業務が少ないのが特徴です。国と各市町村は、お互いに直接やり取りできないため、この仲介を大阪府庁が担っています。このため、このような国と各市町村を仲介する業務や、大阪府内に事業所のある法人への対応などを行います。
このように、大阪府庁はどちらかというと、市町村と国をつなぐ架け橋のような役割なのです。また、実際に住民と関わる業務の多い大阪市役所に比べて、大阪府庁では規模の大きな業務が多いといえます。
ょう。
【大阪市役所】
- 市役所や市民と関わりさまざまな業務を行う「事務行政職」
- 道路や施設など都市の発展・維持管理など主に土木分野の業務を行う「都市建設職」
- 市内の施設や設備の管理・整備などを行う「機械職」
- そのほか、「建築職」「電気職」「造園職」「社会福祉職」「消防吏員」など
大阪市役所の仕事内容としては、大阪府に住んでいるの住民と、直接的に関わる業務が多いのが特徴です。仕事の割り振りや名称は大阪府庁と似ていますが、この点が大きく違います。
実際の業務としては、住民票の転出入の受付や、地域のイベントの企画などを行います。そのほかには、「政令指定都市」として、通常は都道府県が行う業務を担うこともあり、規模の大きな業務に携わることもあります。
とはいえ、全体的には地域住民に密着した業務が中心のため、住民とより直接的に関わりたいという人におすすめです。
給与・手当
【大阪府庁】
大阪府庁の一般行政職の初任給は、大学卒で月額268,500円、高校卒で月額230,200円です。なお、この中には諸手当の中の地域手当が含まれています。また、民間給与の動向により改定されることもあります
【大阪市役所】
大阪市役所の一般行政職の初任給は、大学卒で月額264,016円、高校卒で月額238,496円です。なお、一般行政職の平均給料は、月額329,800円となっています。
また、地域手当や通勤手当など、職種や個々の状況に応じた、さまざまな諸手当もあります。
配属先
【大阪府庁】
大阪府庁の行政職の配属先は、本庁にある知事部局以外にも、府税事務所や土木事務所など幅広く、さまざまな出先機関へ配属されます。なお、行政職以外ではそれぞれがもつ専門的な知識が活かせる職場への配属となります。
行政職では4年程で異動があり、新規採用職員については幅広い視野をもつために、本庁と出先機関などにそれぞれ2年程度配属されます。ただし、合格した試験区分によって異動の時期は多少異なります。
【大阪市役所】
大阪市役所の事務職員は、採用後しばらくは各局や区役所へ配属されます。ここで3年~5年程度働いたあとに、異動の可能性が出てきます。
なお、大阪市役所の人事異動には自己申告制度などがあり、人材育成の観点からもその職場に適した人材配置となるような仕組みになっています。
大阪府内の市役所試験データ(2025年)

大阪の公務員試験では試験の概要をおさえた対策が重要
大阪の公務員試験には、「大阪府庁」「大阪市役所」の2種類がありますが、どちらも公務員試験への合格が必要です。しかし、どちらの試験も受験者が多く、合格倍率が高いため、合格するためには試験の概要をおさえた上で、効率的に対策する必要があります。
クレアールは、このような公務員試験の合格を目指す人をサポートする通信講座で、合格者も多数輩出しています。公務員試験の合格を目指していて、今の勉強法に不安がある人や、万全な対策をしておきたい人は、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を監修した人
クレアール公務員相談室タニオカ
これまで、公務員試験の受験・学習を考える3,000人以上の相談に答えた実績を持つアドバイザー。「公務員 転職ハンドブック」「ココからスタート!公務員試験入門ハンドブック」などを執筆。




