受験を決意したら、まずは試験の詳細を押さえましょう!
さまざまな公務員の種類
公務員には数多くの種類があります。大きく分けると「国家公務員」「地方公務員」の2つに分類でき、国の機関あるいは地方公共団体に属するさまざまな種類の仕事をしています。

試験区分と職種
区分について
地方自治体で行われる採用試験の募集区分には、「大卒程度」「高卒程度」「社会人経験者枠」などがあり、受験資格や試験日程、試験内容、募集状況も異なります。区分の名称が統一されていないため、わかりづらく感じることもありますが、右の「試験区分」では、区分の名称と位置づけを整理していますのでご参照ください。

※受験資格は一般的な例を記載していますが、受験先によって異なります。
※「大卒程度」の区分であっても受験資格は学歴不問とされることが殆どです。
職種について
公務員の職種は、行政職(「行政事務」「一般事務」「事務」)をはじめ、心理職、福祉職、技術職、公安職、資格免許職など、仕事の種類が多岐に分かれています。
※職種によって試験内容が異なり、受験先によって募集している職種は異なります。
公務員試験の概要
公務員として採用されるためには、様々な種類の試験に合格することが必要です。筆記試験では「択一試験」「記述試験」が行われ、二次試験以降では人物試験が行われることが一般的な流れとなります。
出願から採用までの流れ

※1=国家公務員試験では「基礎能力試験」と表記。 ※2=専門記述は、試験によって実施の有無がある。 ※3=官庁訪問は、国家総合職、国家一般職のみ行う
試験の出題科目
択一試験
【教養択一試験 (基礎能力試験)】
[一般知能分野]
数的処理 | 判断推理、数的推理、空間把握、資料解釈 |
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文章理解 | 現代文読解、英文読解、古文 |
[一般知識分野]
自然科学 | 生物、物理、化学、地学、数学 |
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人文科学 | 日本史、世界史、地理、思想、文学、芸術 |
社会科学 | 法律、政治、経済、社会 |
【専門択一試験 (行政職の場合)】
法律系 | 憲法、民法、行政法、労働法、刑法 |
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経済系 | 経済原論、財政学、経済政策、経営学 |
行政系 | 政治学、行政学、社会学、社会政策、国際関係 |
事情系 | 社会事情、経済事情 ※その他「会計学」「商法」「心理学」「教育学」などもあります。 |
※専門試験の出題分野は、心理職、福祉職、技術職などの受験職種によって異なります。
記述試験(論文試験)
【教養論文試験】
一般に小論文といわれる試験がこれで、ほとんどの事務職や公安職の試験で課されています。時事的なテーマだけでなく、日常生活における心構えや公務員として取り組む姿勢など様々な観点からの出題が見られます。試験時間は60分~120分、文字数は600字~1200字程度と試験により異なります。
[例題] 特別区Ⅰ類論文
急速に進む少子高齢化やノーマライゼーションの機運の高まり、さらには国際化の進展等により、特別区には、高齢者、障害者、子ども、外国人を含めたすべての人が、安全、安心、快適に暮らし、訪れることができるまちづくりが求められています。このような状況を踏まえ、ユニバーサルデザインの視点に立った人にやさしいまちづくりについて、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。
【専門論文試験】
専門科目について論文試験が課される場合があります。択一対策が一通り終わったら、出題されそうなテーマをいくつか選んで解答例を作成しておくと良いでしょう。試験により解答時間や文字数が異なるので、受験先に応じて準備しておくことが大切です。(専門記述と呼ばれることもあります。)
[例題] 東京都専門記述
・外国人の人権について説明せよ。(憲法)
・市場での自由な取引だけでは望ましい資源配分が実現しない場合を3つ挙げ、それぞれ説明せよ。(経済学)
・ミルズの「パワー・エリート」について、リースマンの多元主義と比較しながら説明せよ。(政治学)
人物試験(面接試験)
[個別面接]
面接官3名(場合により2~7名)と受験生1名で行われるもっとも一般的な面接試験です。一般的にどのような試験においても必ず実施される形式で、志望動機やこれまでの経歴、自己PR、人間関係などについて様々な質疑応答が行われます。
[集団討論]
グループワーク、グループディスカッションといった呼び方もしています。提示された課題に対して複数の
受験生がグループで討議を行います。
[集団面接]
複数の受験者と面接官で行われるタイプの面接試験です。面接官から指名されて質問に答えるパターンもあ
れば、挙手制のパターンもあります。
主な受験先と試験タイプ

①=一次試験で実施 ②=二次試験で実施 ①or②=試験によって実施の時期が異なる △=自治体により実施


この記事を書いた人
クレアール公務員相談室タニオカ
これまで、公務員試験の受験・学習を考える3,000人以上の相談に答えた実績を持つアドバイザー。「公務員 転職ハンドブック」「ココからスタート!公務員試験入門ハンドブック」などを執筆。