公認会計士合格体験記「30代働きながらの挑戦」A.Hさん

学習スタートから合格までの軌跡

2021年 4月 簿記2級から学習開始
2021年 6月 日商簿記2級⇒合格
2021年11月 日商簿記1級⇒合格
2022年 3月 公認会計士講座の学習開始
2022年12月 令和5年第Ⅰ回短答式試験⇒不合格
2023年 5月 令和5年第Ⅱ回短答式試験⇒合格
2023年 8月 令和5年論文式試験⇒合格

・基礎データ:30代
上場会社経理担当(学習スタート時点で4年以上経験)
学習スタート時点の保有資格:日商簿記3級、中小企業診断士

目次

<公認会計士を目指したきっかけ>

私が公認会計士を目指そうと考えたきっかけは3年前のことになります。当時の私は、経理になってから4年が経過して、担当している決算業務にもかなり慣れてきたところでした。そうした中で、決算業務への理解を一層深めるためには、会計についてしっかり学ぶ必要があると感じていました。はじめは、日商簿記への挑戦を検討しました。ただ、決算業務において監査人である監査法人の会計士の方とやりとりする機会も多く、監査する側のことを知っていた方が会計のことだけを知っているよりも決算業務を円滑に行うことができると考え、公認会計士試験に挑戦することにしました。

<クレアールを選んだ理由>

・非常識合格法
働きながら、かつ、子供もまだ手のかかる時期だったため、効率を重視する必要があると考えていました。公認会計士試験の学習時間は膨大であり、競争相手の多くは会計士試験に専念している学生等ですので、社会人受験者にとって学習効率は非常に重要な要素でした。その点を念頭に、各予備校のカリキュラムを比較した結果、「非常識合格法」と銘打っているクレアールの講座が最も効率的に学習することができ、そして、社会人でも試験に専念している受験生と十分戦えると判断し、クレアールを選びました。

 ・リーズナブルな価格設定
他校と比較するとかなりリーズナブルな価格が設定されています。通信専門ではありますが、社会人にとって通学の必要がないことは移動時間の削減といった面ではメリットでもありますし、メールなどでのサポート体制もしっかりしていました。また、日商簿記2級と日商簿記1級講座も含まれていましたので、その点もコストパフォーマンスが良かったと思います。

<具体的な学習方法>

全体を通して、「毎日学習する」を大事にしていました。1日に覚えられる量には限りがあり、また、社会人受験生はまとまった時間が取りにくく一度学習スケジュールが遅れると挽回が困難であるため、毎日学習することを大事にしていました。しかし、仕事をしていると残業や疲労の影響もあり毎日勉強するためには工夫が必要でした。私が行っていたことは、①出勤前に学習時間を作る、②5分で良いから勉強する、③学習のハードルを下げる、でした。

①について、出勤前の頭がフレッシュなうちに勉強時間を作っていました。寝る前の疲労が溜まっているときよりも、朝の元気なうちのほうが効率よく学習を行うことができました。

②について、「5分だけで良いから勉強しよう」という気持ちで勉強をはじめていました。疲れていても「5分だけ」であれば、学習をはじめやすく、そして一度始めてしまえば、案外そのまま10分、30分、1時間と続けることができました。

③について、テキストへの書き込みに使用する道具は青のボールペンだけに絞り、勉強の準備が少なくて済むようにしていました。道具が少ない方が気楽に学習に取り掛かれるため、自分への負担を軽減できました。

<簿記検定対策時>

テキストは時間をかけて読み込んだりはせず、問題集を利用してアウトプットを重視していました。また、試験で得点するためには、問題文を正しく理解する力、情報を整理する力、数字を正確に集計する力、などの能力も求められるため、試験直前は過去問等を利用して、実際の試験問題に慣れておくようにしていました。特に日商簿記1級の総合問題は、問題の情報量が膨大になるため、過去問演習を通して情報量に目を鳴らしておくことをしていました。

理解が難しい論点があった場合は、無理にその場でマスターせずに次の項目に進めることにしていました。日商簿記1級ともなると範囲が広いため、まずは全体に目を通すことを目指そうと思い、そうしていましたが、他の論点を学習しているうちに、理解できなかった論点が分かるようになるといった効果もありました。

振り返ってみると、簿記検定対策時に簿記に集中して時間を使ったことで、計算力の基礎が磨かれ、短答式試験に合格する頃には十分な計算力がついていました。計算力が十分についていたことで、論文式試験対策の際に租税法等の対策に時間を使う余裕が生まれ、論文式試験突破に繋がったと思います。

<短答対策時>

・財務会計論

計算問題は、日商簿記の学習で培った計算力に役に立ちました。日商簿記1級の総合問題より短答式試験の方が1問当たりの情報量が少ないため、初めて答練に取り組んだ時も、だいぶ楽に感じました。ただし、短答式試験の方が、細かい論点も出題され、また、連結会計の重要度も上がるため、その辺りは主に答練を利用して補強しました。学習方法は日商簿記同様にアウトプット重視でした。

理論問題は、効率性を重視して、ノート等は作らず、テキストの読み込みとテキストへの書き込みで学習を進めました。また、計算問題の方が好きだったため、好きなものと絡めたほうが記憶に残りやすいと考え、計算問題に絡めて覚えるようにしていました。

・管理会計論

計算問題は、財務会計論と同じく、日商簿記の学習で培った計算力が役に立ちました。財務会計論と比べると日商簿記から追加となる範囲も少ないため、時間配分は財務会計論より少なめにしました。また、管理会計の計算問題は、問題文を理解することが難しい問題が出たり、計算の手間がかかり正答が難しい問題がでたりするため、点数を伸ばしにくいと判断し、理論問題を重視して学習しました。結果的に、私は2回目の短答式試験で計算問題があまり解けませんでしたが、理論問題で得点できたことで大きな失点を避けることができました。

・監査論

基本的にテキストの読み込み、その後、講義視聴による復習という流れで学習を行いました。講義の視聴は通勤中等のすきま時間を利用して聞いていましたが、そうするとどうしてもぶつ切りになったり、音声だけ聞くことになったりするため、まずは、テキストに目を通し、一定程度理解してから講義を視聴していました。また、仕事と関連付けられる論点があれば、関連付けて覚えることで記憶に定着しやすいように意識していました。

・企業法

監査論と同様の学習方法でした。テキストの読み込みと、講義の視聴による復習を中心に学習を進めました。これも監査論と同様ですが、仕事に絡めて覚えることで記憶の定着を図っていました。

<論文対策時>

5月短答が終わった時点で論文対策をしていなかったため、とにかく時間がありませんでした。時間がない中で、少しでも得点を伸ばすために、学習時間に対して、点数の伸びが良いであろう科目を優先しました。まず、手付かずだった租税法と経営学、特に問われることのパターンが決まっていて対策が取りやすい租税法を優先しました。次に、配点が高い会計学に時間を使いました。ただ、計算力にはある程度自信があったため、会計学は伸びしろが少ないと判断し、租税法と経営学に比べると学習時間の配分を少なめにしました。最後に、監査論と企業法は難易度のばらつきが大きく安定して得点をかせぐことが難しいと判断し、学習時間の配分は限定的にしました。

・会計学

計算力は簿記から短答式試験を通して十分についていたため、情報量が短答より多い大問5対策と理論問題の対策を中心にしました。答練を全て解く時間はなかったため、主に大問5対策となる総合問題と模試だけに絞りました。理論問題対策は、論文対策テキストを使い、A・B論点を中心に基本的な論証を暗記しました。

・監査論

論文対策講義の内容に絞って、典型論点の暗記、事例問題の対策を行いました。答練は解く時間がなかったため解いていません。模試だけは解いて、事例問題の回答の組み立て方の確認を行いました。

・企業法

論文対策テキストを使用して、典型論点、重要判例の暗記を行いました。他科目と同様に、答練は解かず、模試に絞って実際に問題を解きました。模試を使って、回答の組み立て方の確認、自分が文章を書くのにかかる時間の確認を行いました。高得点は狙える状況ではありませんでしたので、大きく論点を外して足切りとならないように、できるだけシンプルかつ素直に記述することを意識していました。

・租税法

短答終了時点で対策をしていませんでしたが、業務の中で税務に多少触れていたため、申告調整項目にどんな項目があるか等の知識はありました。そのため、実務の中で身に着けていた知識を骨格にして、論文対策講義の内容を肉付けしていくイメージで学習することで、スムーズに進めることができました。論文対策テキストは、まずは例題を解いてみる、例題の解説を見ながら、テキストの説明文を読み返す、という流れで使用しました。答練は法人税の問題を中心に行いました。法人税、所得税、消費税の中では、配点が相対的に高い法人税に注力しました。

・経営学

租税法と同じく短答終了時点で対策をしていませんでしたが、中小企業診断士試験で一度学習していましたので、完全な初学という訳ではありませんでした。経営管理は、論文対策講義を視聴して、新しいことを覚えるというよりも、過去に覚えたことを思い出すような形で学習を行いました。財務管理は、アウトプットを重視して、答練中心で学習しました。

<クレアールで学習して良かった点>

非常識合格法により効率的に勉強できた点が一番の利点だったと思います。学習時間が限られている中で、私が合格をできたのは、効率的に学習したおかげだと思います。また、簿記の基礎にしっかり時間をかけるカリキュラムになっていたことにも非常に助けられてと感じています。5月短答から論文式試験まで時間がありませんでしたが、計算力が十分に身についていたことで、租税法などに時間を使うことができ、また、会計学自体も得点源にすることができました。

<最後に>

私は5月短答の時点では論文式対策をに手を付けていませんでした。そのため、短答の自己採点結果で合格が確実と分かった時点で、8月論文の合格を目指すか非常に悩みました。そして、合格を目指すのは無理だと思い、勉強する気力を失いそうになっていました。そこで、「合格を目指す」のではなく「論文式試験で1点でも多く点数を取れるように3ヵ月過ごす」と考え方を変えることにしました。合格を目指す場合とやることは変わらないのですが、心理的な負荷はかなり軽減され、前向きに学習に取り組むことができました。
結果的に合格できましたが、合格できなかったとしても、あと1点にこだわって試験前の3ヵ月を過ごした経験と、試験当日全力で戦い抜いた経験は、翌年の論文式試験に活きたと思います。

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