公認会計士合格体験記「今まで勉強したことのない分野への挑戦」武雄 斉聡さん

学習スタートから合格までの軌跡

2019年 7月 日商簿記3級から学習開始
2019年11月 日商簿記2級⇒合格
2020年 5月 公詔会計士講座の学習開始
2020年 8月 第Ⅱ回短答式試験⇒不合格
2020年11月 日商簿記1級⇒不合格
2021年 5月 第Ⅰ回短答式試験⇒合格
2021年 6月 日商簿記1級⇒合格
2021年 8月 論文式試験⇒不合格(経営学科目合格)
2022年 8月 論文式試験⇒不合格
2023年 8月 論文式試験⇒合格

・基礎データ
平成4年5月25日生(31歳)
大阪府立岸和田高等学校中退
私立大阪大谷大学薬学部薬学科卒業
薬剤師正社員歴約2年

目次

<公認会計士を目指した理由・きっかけ・動機>

高校を1年の7月で行かなくなってしまい、そこから2年間はほぼ勉強はせず、高校卒業認定資格だけ持っている状態でした。そこで実質高校3年の8月くらいに周りの友人などが大学に行くことを知り、一応大学に行ってみようかと思いました。そのときに夏季講習だけ塾に通ったのですが、当然ながら全くついていけませんでした。しかし、ただ大学に通うだけではもったいないと考えたため、資格の取れる学部がいいなと考えました。そこで「化学」なら好きでそれなりに得意であったためそれを生かし薬剤師を目指すことにしました。
その後無事に薬剤師になり働いていたのですが、今まで全力で勉強をして限界を感じたことはないなとふと思い、本屋さんに立ち寄りそこで難関資格であり、幅の広い公認会計士を知り、すぐに目指すことをしました。

<クレアールを選んだ理由>

選んだ理由は3点あります。
①勉強を始めた際は田舎のほうで働く社会人であったため、通学で勉強することを考えておらず、通信に特化したクレアールで学ぼうと思いました。
②社会人でも安心な4年間面倒を見てもらえるコースが存在することも大きな魅力でした。
③どのコースも他の予備校より比較的安くて始めやすく、また早期に合格するごとに祝い金が出ることからモチベーションの維持にもつながりそうだなと思い選びました。

<具体的な学習方法>

・日商簿記2級まで(最初の約半年) 1日の平均勉強時間3時間
この期間は働きながら勉強していることもあり、とにかく覚えることに集中していました。簿記というものにいままで触れたこともなかったため貸方、借方というものがどういうものなのかという段階から学びました。簿記というものに
ついてある程度理解してからは、その後と比較するとそこまで苦労することなく簿記2級を取得することができました。

・日商簿記1級(勉強開始から半年~1年) 1日の平均勉強時間6時間
この期間で自分には働きながら公認会計士を取得することは不可能と考え、勉強をやめるか仕事をやめるかで後者を選びました。簿記1級あたりから急に難易度が上がり、また範囲も広くなったことから1日あたり3時間の勉強時間では復習に追われて先へ進めないことが分かったためです。具体的な勉強法は、商業簿記・会計学ではこの取引は実際にどのような取引が行われているのか、それを簿記ではどのように処理するのかというのをイメージしながら解く習慣にしました。工業簿記・原価計算では個人的に算数的(数学的)な感覚は苦手ではなかったため、公式などはあまり覚えようとはせずに、試験で問われていることは何かを見失わないように現場で対応する力をつけるため多くの問題を解き臨みました。

・短答式試験(勉強開始から1年~2年) 1日の平均勉強時間8時間
(直前1か月は12時間)
まず、全科目に共通する勉強方法としては、一度学習した後はとにかく問題を解いてみてどのような思考でどこを間違うかを研究しました。いわゆる理論問題でも考えて解くことのできる問題と、暗記していないと解くことができない問題があります。後者の問題は直前に表で覚えたり何度も問題を解いて反射で解くことができるようにしました。計算問題では時間内に難しい問題を見抜く力が大事だと考え、様々な問題に触れ難易度の判別を間違わないようにする努力をしました。本当に記憶力がない自分は、試験直前に見る項目、3日前に見る項目、1週間前に見る項目、2週間前に確認すれば忘れない項目のように分類し、直前2週間の勉強の計画を立てるための勉強を1か月前くらいから行いました。

◆簿記
基本的に日商簿記1級のテキストを使っていました。計算科目全般苦手意識はなかったため、そこまで苦労したことはないですが、短答式試験特有の論点の1株当たりの計算などは暗記するしかなく暗記が苦手な自分にとっては苦痛でした。

◆財務諸表論
暗記は苦手であったため、論点は違えど考え方が似ている論点などはひとまとめにして考えるようにしておりました。財務諸表論は一つ一つぶつ切りにして覚えるとそれなりの量になるため、いかに共通する考え方ができるかに着目して勉強しました。

◆管理会計論(計算)
時間的制約から全問題に手を付けることは難しいため、取捨選択がかなり大事になると考えました。全範囲簡単な問題は必ず解けるようになる必要があり、その問題を取り切った後に自分の得意な分野の問題を見るようにしていました。個人的には管理会計分野がひらめきで解けることもあるので好きで得意にしていました。また計算の仕組みをわかっていると答えの選択肢から逆算して解くことができる問題もあるため、公式などを暗記するよりも理解することが重要かと考えています。

◆管理会計論(理論)
管理会計は理論で取るのが常識といわれていますが原価計算の穴埋めなどの問題は暗記以外厳しいため苦手でした。本番も半分の点数だったため、あまりうまくいきませんでした。暗記が苦手ではない方はここはしっかりとるべきところであり、苦手な方は割り切って計算でその分取るという意識を試験前から持っておくことが大事かもしれません。

◆監査論
講義を一周したあとはとにかく問題を解き続けました。何回も間違える問題は当日に見るノートなどにまとめていました。

◆企業法
監査論と同じく講義を一周したあとはとにかく問題を解き続けました。何回も間違える問題は当日に見るノートなどにまとめていました。監査論と異なる点は、表のほうが覚えやすいものは表で覚えるようにしていました。

・論文式試験1回目 1日の平均勉強時間8時間
強制の5月8月の年であり、短答式試験まで論文の勉強は一切していなかったため、7月の時点で総合合格を諦め、そこから選択科目の経営学の勉強しか行わなかったです。

◆経営学(計算)
高校数学をまともに習っていない自分には前提となる知識なども何もなかったですがそこまでテクニカルな計算ではなかったため全範囲勉強しました。授業もわかりやすかったです。

◆経営学(理論)
こちらも全範囲勉強しました。論文式からは記述になるためニュアンスを覚えているだけだと点数が入らないこともあるため、核となる言葉をまずは覚え、その後ニュアンスを頭に入れるイメージで勉強しました。暗記が本当に苦手な自分にとっては1年目に経営学の科目合格を勝ち取れたのは戦略的にはありだったと思っております。

・論文式試験2回目 1日の平均勉強時間7時間
この年は振り返ると勉強方法が失敗でした。そのため科目別ではなく、総括で書かせていただきます。
経営学が科目合格していたこともあり、少し余裕をもってある程度の範囲に広げて勉強する計画でした。論文式試験は記述するため暗記する箇所ももちろん増やしたわけですが、ここまで何度も記載している通り、暗記が極度の苦手のため、勉強が全く進まない日が続きました。ちなみに暗記の仕方は大事な論証を丸暗記する方法をとっていました。
1度この期間に撤退の文字が頭に浮かび、3日ほど何も勉強しない時期がありました。勉強時間の配分は計算(財務、管理、租税)3割、理論(それ以外)7割くらいでした。

・論文式試験3回目 1日の平均勉強時間9時間
この年は前年の反省を生かし、暗記を極力減らす方針にしました。
論文2回目の挑戦の時から他校の模試など受けていると会計学の第5問や租税法(計算、理論)は偏差値が60近くあることも多く、企業、監査、財務諸表論(会計学第4問)などで偏差値40近く、足を引っ張るという傾向でした。そこで前年度行っていた大事な論証を丸暗記しようとすることは一切しませんでした。
その論証の核となる絶対外せないキーワードだけ覚えて、あとは毎回自分で文章を考えるようにしました。10文字以内のキーワードだけなら暗記が苦手な自分でもまだ負担が軽く、勉強が進むようになり、勉強することがしんどいということはなくなりました。そして暗記の負担を軽くすることで得意な計算(主に租税、会計学第5問)に時間を割くことできるようになりました。勉強時間の配分は計算、理論ともにほぼ半分半分でした。

◆簿記
勉強方法は短答時とほとんど変わらずで、第5問対策の総合問題対策を厚く勉強しました。企業結合、事業分離も論文式試験では難易度が結構ぶれる傾向があると考えており、簡単な問題は確実に取り、難しい問題は早めに切り上げる判断が求められると考えておりす。よって、この範囲を全部切るということはしませんでした。連結C/Fにおいても同様で難しいとされている箇所以外はとり切れる勉強をしていました。

◆財務諸表論
前述のとおり丸暗記は一切しませんでした。キーワードだけ覚えて、あとは問いに対してしっかり答えるということにしました。ただ第4問は大きくやらかしてしまい、偏差値35付近だったため多くを語れるものではありません。

◆管理会計論
計算は短答時と大きく勉強法は変わらずで理論も暗記はせずキーワードだけ覚えるということに徹しました。計算は問題によって偏差値が大きくぶれるためあてにはできませんが、簡単な計算の箇所を見落とさないことは模試などから常に意識していました。

◆監査論
こちらも暗記は一切しませんでした。事例問題に苦手意識はなく、問題文から引用することで、ある程度点数が取れていました。とにかく問われていることは何か、核となるキーワードはなにかという意識は常に持ち続けました。
あまり負担なく偏差値53程度あったので作戦は成功だったと考えています。

◆企業法
こちらも監査論同様、キーワードだけ拾っていく勉強を行っていました。講義の判例の解説が丁寧で、理解することに徹しどの判例も知っている状態では挑みました。監査論同様負担なく偏差値51半ばだったためこちらも作戦成功と考えています。

◆租税法
もともと計算に苦手意識はなく、租税法の理論は暗記する必要が一切ない科目であるため個人的には攻めの科目としていました。計算はほとんど出ないいわゆるC論点やD論点といわれるところまで手を広げ、計算プロセスも頭で理解したうえで勝手に手が動く状態に仕上げました。特に法人税の問題は個別に点数がふられているため、所得税、消費税よりも優先順位は高いと考えています。理論に関しても、ある程度主要な条文の場所は把握し、問題文を読んだだけでどの論点かすぐにわかる状態に仕上げました。
時間を節約することによって模試などで時間切れになり見ることができなかった問題があったという状態に陥ることはありませんでした。本番も偏差値58半ばあったため、租税法(主に計算)に時間をかけた作戦は成功と言えます。

<クレアールで学習してよかった点>

質問した際に、山田先生が科目問わず丁寧教えてくださったことから、理解もできるうえやる気の向上にもつながりました。また、セーフテイコースだと早期合格することで合格祝金がもらえるためモチベーションアップにつながりました。

<公認会計士を目指すか迷っている方やつまずいている方に向けて>

この試験は受験資格がないため誰でも勉強することができます。
もちろん合格者の方はいわゆる高学歴の方が多く、自分なりの勉強法を確立されている方も多いと思います。それでも勉強を開始し、壁にぶち当たってもその都度勉強法について相談してみたり、自分なりに考えてみることでどのような方でも戦える試験だと思います。
もともと自分も高校も行かず、理系の大学出身であることから国語、数学などはほぼ中卒レベルでしたが、なんとか合格までたどり着くことができました。つまずいている方の中には計算が極端に苦手であったり、暗記がほとんどできない人もいるかもしれません。そのような方はそれを受け入れて苦手な科目は最小限にして、他の苦手ではない科目に時間を割いてそれを得意にするという柔軟な考え方もあってもいいかもしれません。
合格か不合格かしかない試験ではありますが、合格の形にはいろいろあると思っています。是非、自分なりの合格の形を見つけてほしいと思っています。
最後になりましたが、この場をお借りし山田先生はじめお世話になった先生方、支えてくれた家族、友人に感謝の言葉をお伝えさせていただきます。本当にありがとうございました。

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