公認会計士合格体験記「三振→移籍後即リベンジ」佐藤 達也さん

学習スタートから合格までの軌跡

2018年 7月 学習開始
2018年12月 短答式(お試し)⇒不合格
2019年 5月 短答式⇒不合格
2019年12月 短答式⇒合格
2020年11月 論文式⇒不合格
2021年 8月 論文式⇒不合格(経営学科目合格)
2022年 8月 論文式⇒不合格・三振(監査論科目合格)
2022年12月 短答式⇒合格(2回目)
2023年 8月 論文式⇒合格

目次

<公認会計士を目指した理由・きっかけ・動機>

公認会計士を目指したきっかけはやはり難関資格だからという点に集約されます。
私はそもそも大学を出ていません。訳あって自由な時間が欲しかった事もあり数年間非正規労働者だったことも相俟って転職の際は書類選考の段階で見送りされる事も多く、ようやく拾って貰った会社は正真正銘のブラック企業という有様でした。
それまで私は自由奔放に生きてきましたし、それについて後悔はほぼしていません。ただ、人から初対面で評価されることは難しいと分かっていました。そして、それ自体を諦めていました。
しかし、その状況を貫き通せるほどの武器を私はそれまでの人生で獲得できませんでした。自分の中でさまざまな将来の不確実性に対する不安と焦燥感が年々強くなっていくことを私はひしひしと感じていました。
そして私はある日、このままではジリ貧だと初めて自分のこれまでと本当の意味で向き合うことが出来ました。不安を直視できるようになってからは解決策として様々な方法を検討しました(今にして思うと検討できる時点で向き合えた私はまだ恵まれていたと思います)。そこで「難関かつ需要のある資格」を取得することを決めました。
なぜ「取得可能性が高くかつ需要のある資格」でなく「難関かつ需要のある資格」を検討したかというと、一般に難関資格の方が周りに評価されますし、様々な可能性が広がります。また、私個人でいうと人生で何かを成し遂げることが出来たという実感がないまま、ただ年齢を重ねてきたという経歴、これに伴う自信のなさを難関を制することでどうしても解消したかったからです。
そこからいくつかの難関資格を検討した結果、司法試験と公認会計士に絞られました。
それぞれ法律、会計資格の最高峰であり所謂三大国家資格と呼ばれる資格です。司法試験は予備試験ルートでも法科大学院ルートでも予備校等の費用がとてつもなく重く、そもそも法学しか学ばないとういうことから足踏みしてしまいました。また、司法試験は合格してからも必ずどこかに拾って貰えるという安心感はありませんでした。
対して公認会計士試験は予備校代が初学者でも良心的(特にクレアールはかなり良心的だと思います)で、科目が会計から監査、法律、税法、経営等多様かつ身近で面白そうだと思えました。また経営や企業そのものの成り立ちにも興味がありました。更に監査法人への就職も売り手市場で一般事業会社等にも需要がありました。
極めつけに企業の社長と対面しアドバイザリー等できる道等があり、間接的に社会的有益性のある会社を増やすことが出来る可能性があるというのも、ブラック企業で働いたことのある私からすると何だか使命のように感じました。
かくして公認会計士講座への申し込みを行いました。

<クレアールを選んだ理由>

価格が非常にリーズナブルであり、かつ非常識合格法を試してみたくなったからです。
少し長くなります。私はそもそもクレアールで学習をスタートしたわけではありません。論文式試験を三振するまで一貫して某大手予備校の通信教育で学習していました。短答合格、論文科目合格(監査論・経営学)まではそちらにお世話になった後に予備校をクレアールに変更したという経緯です。勘違いないようにお伝えしますと、元の予備校に対しても大変感謝をしています。
タイトルで示したように私は論文式試験を三振しています。三振なんてするわけない。短答式試験に初めて合格した時はうっすら、しかし確実にそう思っていました。『どんだけ酷くても3回目までには受かるだろう』そう高を括っていました。これは会計士受験生界隈で蔓延る一つの通説である『短答に合格すれば論文は余裕で合格できる』というものを真に受けた結果でした。しかし、蓋を開けてみれば三振惨敗でした。私の受験番号がスマートフォンでみた合格者受験番号の画面に存在しなかった時のことは今でも鮮明に思い出せます。頭をトンカチで殴られたかのような強い衝撃が全身を駆け巡り、その直後は電池が切れたかのようにまるで力も入らず、思考は一時的に完全にシャットダウンされました。涙も出てきませんでした。しばらくして消え去りたいという気持ちだけが脳内を彷徨っていました。

しかし、現実から逃れることは出来ません。三振してから約3週間後には納付猶予措置で保険的に申し込んでいた令和5年度第Ⅰ回短答式試験が実施されます。論文式試験後は殆ど勉強は出来ていませんでしたし、そもそも予備校自体を申し込みしておらず12月の短答試験は無理だろうと思いました(要は過年度の余っている教材を使うしかない状態ということです)。したがって、試験代金は振り込むだけ無駄であり2万円をドブに捨てるも同等と判断し、今回は回避しておこうという結論を一度は下しました。

そもそも会計士受験を続ける気力はあるのか?そして、本当に合格なんて出来るのか?会計士になる事だけが人生ではないし、私のこれまでの経歴からいえば此処まで来られただけで万々歳ではないか?よく頑張ったのではないだろうか?そもそも初めから無理だったのではないか?当たりのないくじを引き続けてなんになるのだろうか?様々な思考が私の脳内を駆け巡りました。このままでは良くないと考え一旦昼寝をして、好きなものを食べて改めて考えました。納付猶予された試験申し込み代金を振り込むべきかは、最後の最後まで本当に迷いました。
どうしても会計士になりたい(というより合格して終わりたかった)。このままでは自分で自分に納得ができない。この先の人生に絶対に悔いが残る。年齢的に監査法人に就職が厳しくなっても、受験が趣味のようになってしまったとしても続けたい。そう思えました。最終的には最後まで悪あがきを続けようと思い直すことが出来ました。
気付いたら試験代金の振込をしており、時間も教材も十分ではない中で令和5年度第Ⅰ回短答式試験において奇跡的に2度目の短答合格を果たしました。
2度目の短答式試験に合格後、私はこれまでの自分の行いを改めて見つめ直しました。なぜ、時間的制限もあり、大手予備校にも所属しておらず、合格者の大多数が利用する答練を使えなかった私がまたこうして短答式試験の合格に至ったのか。勿論今まで学習してきた知識の過年度の貯金があるのは事実ですし、過年度の物とは言え旧予備校の教材を使いました。試験の様式も大きな変化はなかったので短答試験合格は、それほど珍しいわけではないと思います。しかし、何かが引っ掛かりました。それはやはり、時間がないからこそ、本当に必要だと感じる論点に傾注できたからではないだろうか、と思えました。これは以前読んだ本でクレアールの石井講師が主張されていたクレアールの『非常識合格法』の方針とぴったり合致したのです。直感的にクレアールで学びたいと思いました。
その後、WEBにて受講相談を申し込みました。翌日、クレアールの事務局から電話があり丁寧に対応をして下さりました。私の現状をヒアリングし、非常識合格法を初めとした方針、そして様々な提案をしてくださった事がクレアール入会の決め手となりました。

<具体的な学習方法>

これは私は学習期間が長期間に及んでいる以上、あまり参考にならないかと思います。したがって私の具体的な学習方法は参考程度に章末に書きます。
短期間で合格している方の情報が今の時代には有料無料問わず簡単に手に入りますから、まずはそちらを調べてみてください(もっとも私も短期間合格者の情報通りに学習したのですが・・・)。
次に、得た情報と現時点の自分がもつ能力を擦り合わせてください。これは、得た情報のうち現時点の自分にとって有用かどうかを識別をするためです。例えば、極端な例ですが東大卒の人間とそもそも大学受験を経ていない人間の(あくまでも後天的に獲得した)学習能力が同じだと思いますか?私は違うと思います。会計士試験に挑まれるまでの人生で試験に合格する上で有利なアイテムを持った人間は存在すると考えるべきです。スタート時点、学習時間が同じでも結果が異なる人が存在するのはこれによる所が大きいと私は思います。要はスタート時点とスタートラインは違いますよってことです。
また、二次情報というのは音声、文字等に変換されますが、情報発信者が伝えようとしている情報を本当に自分は咀嚼出来ているのか疑う必要があると思います。もっと踏み込むと「情報の性質」にまで目を向けましょう。要は「情報」を理解し溺れないで下さいということです。情報は利用しましょう。自分に合った学習戦略、学習方針、学習教材、学習方法があると思います。それを講師等に相談した上で吟味してください。間違っても一人で突っ走らないことが大事です。いきなり最適解を選べる人間はそう多くないはずです。
あとは、ご自身ですべてを決定し(すべて自己責任です。忘れないでください)、時に立ち止まり、講師ないし信頼のおける方に相談をし、修正を繰り返しながら走り続けてください。とにかくPDCAを回し続けましょう。
それと論文生は論文試験後3か月間は結果発表まで期間が空きますが、この期間中は強度は落としたとしても勉強した方が私は絶対いいと思います。学習しなくていいという情報が流れることがありますが、冷静に考えると論文式試験は短答合格者の7割弱は通らない試験なわけですから、この期間を有効活用してダメだった時に備えておく方が合理的だと思います。もちろん最低限就活も行っていくことは忘れてはなりません。私は論文後これらを殆ど行わなかった関係で、合格発表後は毎年ロクでもないことになっていました。

<私の学習方法(当てにしないこと)>

【短答式試験】
計算(財務会計論、管理会計論)はA 論点かつ難易度Aと言われている所は確実に取りに行きました。ここでこけた段階で挽回することが運任せになってしまう為です。そして、C 論点かつ難易度Cは確実に捨てました。
以上を踏まえた上でテキストを中心に理解を重視し、過去問を解いて少しでも不安に思う所や関連論点で不十分だと思われる所はテキストに必ず戻りました。
理論(財務会計論、管理会計論、監査論、企業法)は一問一答は回転することはしませんでした。一問一答を定期的に解き、自分ならここで引っ掛けるという意識を持ちながら、テキストを読み込みをひたすら続けました。四肢中二肢を×、又は〇に出来ればいいので一問一答のみで完璧に押さえるというのは形式も違うし、網羅性の観点からも個人的にはどうかなと思います。

【論文式試験】
まず得点率52%とはどういう世界なのか知るべきです。私は一応合格していますが、正直なところ合格した気持ちがしていません(余り手応えを感じられなかったということです)。
全科目平均で得点率52以上を取れないから不合格になるわけですが、相対試験だということを念頭において学習しないと、資源の配分を誤り、科目間の学習比率のバランスを崩すきっかけになってしまうので短答式試験以上に重要性に重きをおいて学習するべきです。以下科目ごとに述べます。

◆財務会計論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
計算はとにかく出題履歴を参照して重要論点を中心にテキストを完璧にすることを意識していました。ここでいう完璧とは脳内で仕訳や、下書きが瞬時に想起でき、注意点、引っ掛かりポイントも一瞬で思い出せる形を理想としていました。
具体的には目次を用いて訓練をしました。また、実際に問題を解かないと勘が鈍るので最低でも3日に1回は答練を解くことは意識しました。当然1回目よりも2回目の方が正答出来るので時間制限を60分→45分→30分みたいな形で縛りをきつくしプレッシャーをかけていきました。間違ったところや、不安な所はテキストに書き込み、何度も確認し意識付けをしました。
理論は重要論点を強調し、キーワードを意識して時間の許す限り、何度も何度もテキストを回転しました。それだけを行うとマンネリ化するので論文理論問題集も回転こそしませんでしたが、理解を重視して問いと答案構成の関係性を意識して時間を定めて少しずつ進めていきました。また、答練などでも模範解答の分析は欠かさず行い、配点されるポイントを理解していきました。

◆管理会計論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
基本的に計算も理論も財務会計論と同じですが、管理会計論は論点融合型問題として出されることがあります。テキストに書かれていることを「はいはい、そーですか」という意識で押さえると本試験で対応し辛くなる事が予想されたので、例えば伝統的原価計算とABCを対比して考えるなど、論点間の横のつながりを財務会計論よりも強く意識して学習しました。
どちらかというと学習というより研究をしている意識で学習をしていました(研究なんてしたことはなく小学校の夏休みの宿題である自由研究も母に任せた人間ですが)。
また、これから論文式試験の勉強をされる方は出来るだけ早めに過去問を数年分、時間を計って解くことをお勧めします。個人的には会計士試験の科目の中で一番得点を伸ばしにくい科目だと思っています。したがって、早めに得点の伸ばしづらさを理解し、そのうえで得点率52を獲得する為に必要な箇所を確実に得点するという感覚を身に付けるべきだと思います。現時点で管理会計論が苦手だという方は、間違ってもいきなり得点率60を目指す学習方針を立ててはいけないと思います。私は46⇒48⇒50といった感じでまずは平均点をとることを当座の目的としていました。

◆監査論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
イメージが付きにくい科目なので内部統制監査や四半期レビュー、法規などは後回しでとにかく監査の全体の流れを意識して何度も何度もテキストを読み込みました。逆に答練などは一度解き、復習をして、必要な部分だけ切り抜きテキストの該当箇所に挟み込んだら残りはシュレッダーにかけていました。
なお、読み込みとはテキストの1ページ目から順序よく読書をするという意識ではないです。論点間の縦と横のつながりを意識し、知識同士を繋げ知識を吸収する感覚です。これを行う上で監査の基礎概念(監査総論)が一番大事だと思うので、まずはそこを人に説明できるようにしました。また、監査論で得点を伸ばすには、事例問題に対処できるようになる必要がある為、財務会計論理論の知識定着が重要だと個人的には思います。
文章をよく読み、問いに素直に答える感覚で解答すれば論点ズレの心配もあまり大きくないと思うので、言うほど大外れする科目ではないと思います。なお、監査論は大手予備校時代に科目合格を獲得していますが、受験直後は足切りを覚悟する出来でした。いざ蓋を開けてみると得点率は60近く。そんなものだと思います。

◆企業法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
利害対立を考えればどうしてその法規が必要なのかを理解出来ます。
したがって条文を理解する為に、具体的なステークホルダーを意識して学習していました。要は誰を保護する条文なのかという観点が大事です。普段から条文を引く癖もつけました。論文式試験では事例問題が中心となるので普段から脳内に登場人物を用意し知識のメンテナンスを図りました。
他には、問題集を用いて答案構成をゆっくりでいいので漏れなく行う訓練を繰り返しました。実際に書き出す時間はないので書くのは答練だけでした。論文式試験においては、基礎となる三段論法を確実に理解して使えるよう意識しました。なお、答練は書いて提出することをお勧めします。適切な答案構成をすることと、答案構成通りに文章に表現することも当たり前のようで難しいので、まずはクレアールの基礎答練レベルの問題にしっかり対応できるようなレベルにまで持っていくことを目標にするといいと思います。

◆租税法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これはとにかく要件を確実に押さえた上で例題と答練を反復することが大事だと思います。とにかく、テキストを細部まで細かく暗記しました。私がこんなこというのはあれですが、一度マスターしてしまったら、要件を文章で書きだすわけではないですから、メンテナンスは本当に楽でした。あまり思考もいらず、複雑な下書きも必要ないので、本試験では緊張をコントロールし時間配分さえミスしなければ会計士試験のすべての科目の中で本試験でのブレも少ないと思います。
本試験では一般に時間が足りないとされる科目なので、過去の出題頻度を意識し、取りに行く論点の優先順位を事前に付けておき、埋没問題に嵌らないよう意識しました。

◆経営学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
理論は少なくとも、知っている知らないだけの世界なので、ある意味一番学習しやすかったです。「はいはい、そーですか」が一番通用しやすい解答形式だったので、テキストに載っていることをそのまま押さえました。中には現場対応型の問題が出題されることもありますが、そもそも後回しにしがちな科目だと思いますので、過去問でどのようなものが出ているのかを確かめるにとどめ、本試験では割り切ってその場で何とか捻りだすのがいいと思います。
計算も数式は一見難しそうに思えますが、実際に手を動かすとそうでもなく基礎問題を何度も何度も繰り返し解きました。ちなみに私は2回目の論文で科目合格を貰っていますが、答練を解いたことはそれまで模試の1回だけで、他は例題レベルの問題を何度も繰り返し解くらいの勉強しかしていませんでした。

<クレアールで学習して良かった点>

端的にいうと選択と集中という意識が見える教材作りです。まず必要な教材しか提供しないところがよいと思います。私は心配性なので一度に沢山の教材を配られる(通信だと顕著だと思います。一気にドカッとくるので)と必要ないだろうと一度は思っても、最終的には不安からあれもこれもと手を出して曖昧な知識を増やしてしまいがちでした。
この点クレアールはあくまでも合格するために本当に必要な教材のみを提供するという意識が見えました。クレアールは主張していることとやっていることが一致しているので余り悩まずに学習できたと思います。
あくまでも論文合格(最終合格)を見据えて、教材を安易に増やさない姿勢は本当に素晴らしいと思います。
例えば、本試験で本来なら埋没となる問題が出題された場合に、教材を沢山配布する予備校がたまたまその問題を答練などで的中させていた時にクレアール受講生は相対的に不利になる可能性があり、クレアールは批判を受ける可能性があります。しかし、その場合に受講生から批判されるリスクを受ける覚悟で教材を絞っているわけです。こういった一貫した教材作りの精神が私にとってクレアールに対する信頼性を高めてくれました。

また、クレアールの教材は薄いため勉強をする気にさせてくれました(これ本当にすごく大事だと思います)。分厚いテキストを押さえようと思うと、気が滅入りますが、クレアールくらいの厚さならそこまで気落ちはしませんでしたし、答練の総部数も要点が絞られ少ないため簡単にやり切ることが出来ました。
これらのおかげで超直前期に「あ、あれやってない」とか「あれも出るかもしれない」と思い不安になりあれこれ手を広げることが無くなりました。絞った範囲を確実に押さえられる為、本試験当日に必要以上の不安を抱えて臨むことが無くなりました。

会計士試験は学習した箇所以外から出題される事、膨大な論点の割に実際に本試験において出題される論点は少ない事の関係で試験当日の体調、メンタル、立ち回り方次第で結果が変わることがよくあると思いますが気にしなくなりました。勿論ヤマが当たって有利になる予備校の受講生もいると思いますが、そんなの気になりだすとキリがないです。こういう気持ちにさせてくれました。
最後にこんなことを言うと失礼に当たるかもしれませんが、クレアールは本当に価格の割に頑張っているいう印象を受けました。中には当時の大手予備校よりも進んでいる部分もあり、具体的にはPDFテキスト、PDF答練の導入も早く、運営の考えが柔軟なのだろうと思います。

<最後に>

私は論文式試験の約2か月前に前方不注意の車に轢かれるという交通事故に遭い、意識朦朧という状態で救急車で病院に運ばれました。後頭部を強く打ち、骨折3か所、その他擦り傷多数という有様でした。
搬送時の救急車の中で思ったことは「結局、会計士になれずに死ぬのか・・・自分の人生は本当に残念なものだった。自分らしいオチだけど自分にも家族にもその他の人にも申し訳ないな」でした。要は自分の命がどうなるか分からない極限の状況でも、真っ先に考えたのは会計士になりたかった、ないし合格したかったってことです。
その後、入院をし、死には至らずとも事故後は平衡感覚がおかしくなり、骨折した箇所は激痛、脳内出血を恐れ何度も検査しました。退院後も通院が続き、非常につらい日々でした。現在では完治しましたが、当時は治らなかったらどうしよう、そうなったら加害者を一生恨んでやると本気で思っていました。いい歳して何度も、自分で自分に引くぐらい泣きました。なぜ今なんだ、と。

すぐに気持ちの切り替え自体は出来たものの、平衡感覚の違和感から椅子にまともに座って居られず、勉強にも集中できない日々が続きました。椅子に座ると車酔いのような感覚に襲われ、部屋のちょっとした傾斜で吐き気を催し、勉強が進まない焦燥感におそわれました。これには、流石に参りました。体調ばかりはコントロールできません。
そして、それらの症状が落ち着き本格的に勉強に集中できたのは論文超直前期の8月になってからという有様でした。無理。不合格。来年。何度もこれらの単語が私の頭によぎりました。試験当日は何度も事故を言い訳にして逃げよう逃げようと考えました。しかし、今こうして合格者(ただし、ギリギリ合格者)として、読者に向けこの様な文章を書いています。逃げなかった事がこのような結果を導いていくれたのだと思います。最も期待を壊すようで申し訳ありませんが、私は合格はそれほど嬉しいものではありませんでした(変な声は出ました)。ただ、開放感は確かに感じました。
三振も上記のような体験もしているからこそ、私は受験生のサボりたくなる気持ちも、諦めたくなる気持ちも、言い訳したくなる気持ちも、逃げ出したくなる気持ちも全てとは言いませんが大体わかります。そして私も実際に何度もサボりましたし、諦めましたし、言い訳もしました。でも逃げはしませんでした。

一人じゃないです。応援してくれる方もいると思います。 会計士受験を辞めたから楽になるってわけでもないと思います。 自分次第で変えられる事も世の中には少しはあると思います。だから、志を抱いた以上どうか身体や心が壊れない程度で最後まで駆け抜けて欲しいと切に願います。
 
と、書くと美談のように感じるかもしれませんが、結局のところどうせ合格するのならばサクッと受かってしまうことが現実問題良いに越したことはありません。私も三振なんてしなければ論文直前期に交通事故になんて恐らく遭っていないですから。
どん底を味わう気持ちやそこから這い上がる体験も人生で何度かは必要だとは思いますが、必ずしもここで体験する必要性があるかというとそうでもないと思います。したがって、この合格体験記を読まれた初年度生又はこれから学習を始められる予定の方は私を反面教師にしてサクッと受かりましょう。受験期間が長期になってしまっている方又は一度は諦めてしまったけど再起を検討している方は、私のような人間もいるわけですから、余り気落ちせず私のようにリベンジを実現しましょう。陰ながら皆さんを応援しています。お読み頂きありがとうございました。

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