公認会計士合格体験記「社会人をしながら30代で会計士試験に挑戦」高野 圭児さん

高野 圭児さん

受験回数3回

目次

<はじめに>

私は、都内グループ病院の人事部で事務職として勤務しながら、公認会計士試験に挑戦し、約4年の受験を経て合格しました。

私は現在30代であり、受験生の多くが若い方や、時間に融通の利く学生が多い中、社会人をしながら試験に臨むのは、少し不安を感じていましたが、将来が不安だったり、人生を変えたい!という気持ちが強かったため、受験を決意しました。

以上のような経緯ですので、私の体験記は、以下のような方に対してお役に立てればと思っております。

①現在社会人であり、時間のやりくりに不安を感じている

②自身の年齢が高めで、若い受験生が多い中、受験をするか迷っている

③会計士試験を目指しているが、受験期間が長引いている

上記の①~③に関しては、自分もすごく悩みました。①と③については、「科目別勉強法」の項目で、②については、「公認会計士を志した動機」で自分がどう考えて乗り越えてきたか本文で詳しく説明しますので、是非ご覧になってください!

<公認会計士を志した動機>

私が公認会計士を目指した動機ですが、4年ほど前に大学の同期が公認会計士試験に挑戦し、合格したとの報告を聞いたことです。今までは公認会計士のことを知る機会がなく、それをきっかけに色々調べると、色々な会社の財務諸表が正しいかどうかをチェックする監査というお仕事をしており、好奇心旺盛な私はいろんな会社を訪問したり、会社のことが勉強できる!ことがとても魅力的に感じました。

そして、公認会計士は社会的身分も高い!というのも魅力の一つでした。

大手の法人であればどこも都内の一等地で働け、お給料もたくさんもらえる!(これだけに惹かれるのも問題かもしれませんが)という点も公認会計士の特権だと思います。

以上のような点で公認会計士を目指しましたが、やはり不安もありました。

その時私は既に30代であり、受験層が比較的若い人が多い公認会計士試験に挑戦して、合格できるのかという不安と、仕事を辞めて専念するにはリスクが大きいため、仕事をしながらの挑戦になってしまうという点です。

一つ目の不安は、クレアールの先生に相談させて頂き、30代の方でも頑張って挑戦している方も多いことを聞いたので、ならば自分も頑張ろう!と思って決意しました。現在30代の方で当時の私と同じように受験することを迷っている方も多いと思います。確かに、この試験は難関であり、合格するためには今まであった自由な時間や場合によっては仕事よりも勉強を優先しなければいけないタイミングがくるかもしれません(試験の直前期など)。

ただ、合格すればそのように犠牲にしてきたものは倍になって帰ってきます!

ですので、公認会計士に合格できた場合のメリットと現状を脱却したいというモチベーションがあれば勉強で忙しい際も乗り越えられるかと思います。

また、クレアールには、同じように社会人の方で年齢も高めの受験生が多くいらっしゃるイメージがありますので、もし年齢のことで不安な方がいらっしゃったら、先生に相談されることをお勧めします。

二つ目の不安ですが、社会人の方であれば受験に専念するために仕事を辞めた方がよいか検討する方もいるかと思います。ただ、私は受験に専念することはおすすめしません。この試験はやはり難関であり、いつ合格できるか目処が立たない点があり、受験が長期化した時に再就職できなくなるデメリットがあるためです。

受験期間を2年までと割り切って挑戦しない限り、年齢が高い方は特に注意した方がよいかと思います。また、短答式試験を合格後に論文式試験は専念して受験する方も聞きますが、私は仕事を続けながら挑戦しました。

論文式試験は受験生の平均よりも少し上をとれば合格する(総合偏差値が52以上)ので合格しやすいとよく聞きますが、周りの受験生の声を聞くと、論文式試験も合格が難しく、中には三振されてまた短答式試験から挑戦という方も一定数いらっしゃいます。そのためまだ合格するか否かが安心できない点と、論文式試験は年に1回のため、準備する時間にも余裕があると感じたためです。

以上のような不安を感じつつも、公認会計士に合格して頑張りたい!という気持ちが強かったため挑戦を決意しました。

<クレアールを選んだ理由>

様々な予備校がある中でクレアールを選択した理由は、クレアールはテキストが比較的薄めで自分にあっていると感じたためです。

公認会計士試験の試験範囲は膨大であり、他の予備校ですとタワーが積み上がるくらいのテキストの量だと思いますが、クレアールではまずは簿記2級~1級あたりのテキストや動画を視聴できるようになり、簿記が合格すると、さらに会計士試験のテキストが配られるといった段階的な勉強スタイルであり、さらにテキストもそれほど厚くなく回転しやすいと感じたため、選択しました。

また、最初にクレアールに相談にいった際に先生がフランクに相談にのってくださり、短答式試験や論文式試験を受験する時に不安だった際も電話で相談させて頂き、親切に相談にのってくださったため、とても励みになりました。

<科目別学習法>

  • 財務会計論

財務会計論を制するものは、会計士試験を制する!と言われるくらいに重要な科目です。

私は最初の頃、財務会計論の勉強が中々進まなかったのが、短答式試験合格までの時間が少しかかった原因だと思っています。ですので、財務会計論の勉強方法と、私の公認会計士試験の流れを詳しくここで書きたいと思います。

公認会計士試験に挑戦すると決めた際に、まず最初に取り組んだのが簿記2級でした。

簿記2級は、商業簿記(財務会計にあたる)と工業簿記(管理会計にあたる)の2科目です。

クレアールでの簿記2級のテキストは薄く、これなら簡単だと思い、勉強から3ヶ月後に試験を受けて、合格しました。これで勢いをつけて、簿記1級も簡単だ!と思って挑戦しましたが、クレアールからきた簿記1級の会計学のボリュームは辞書並の分量の冊子が3冊!さらに工業簿記もあり、簿記1級の試験範囲の広さに驚きました。

ただ、やってみないと進まないと思い、こつこつ勉強してテキストを一通り勉強できた頃に簿記1級に挑戦しましたが、残念な結果になりました。

簿記1級を再挑戦するとともに、公認会計士試験の短答式試験の勉強も始めましたが、こちらも中々うまくいきませんでした。この時期は仕事もしながら試験の結果も思うように出ず、苦しい時期でした。

そこで、クレアールの先生に勉強方法について相談しました。そこでアドバイスをもらったのが、

「簿記1級のテキストの例題を何回も何回も繰り返し行い、簿記の計算が体に染みつくまでやりなさい」

でした。その時、私の勉強は過去問を解いたり、色んな参考書に手を出したりと非効率的な方法でした。自分のやり方ではうまくいかないと悟り、素直に先生のいうとおり、簿記1級のテキストの例題を繰り返し解くことを決意しました。ただ、先ほども書いたように、簿記1級のテキストは辞書並の厚さです。

通勤時間やお昼休みも効率的に勉強したいと思っていたので、鞄にテキストを一々運んでいたら、かさばって重く、勉強しにくいのがネックでした。

そこで工夫したのが、テキストはPDFデータでも入手できるため、スマートフォン上で勉強できるようにダウンロードしたり、例題の部分に関しては、コピーして別の紙に印刷することで持ち運びが難しい点を克服しました。以上のような工夫をすることで、お昼休みの休憩中でも簿記の復習ができるようになり、何回も何回も例題を解ける体制を整えることができました。

以上のような工夫により、簿記1級は合格することができ、短答式試験に関しても、財務会計論に関してはある程度点数をとれるようになりました。(短答式試験に関してはその他の科目にも問題があったため、後ほど説明します。)

財務会計論の勉強法は、クレアールの先生のアドバイスで大変助かりました!

簿記1級のテキストを繰り返し解くためには、時間がとてもかかります。ただ、それを行うことで簿記1級から公認会計士試験の短答式試験、さらには論文式試験の会計学の計算部分までカバーすることができるため、費用対効果は高いと思います!

もし財務会計論の勉強で困っている方がいましたら、上記の勉強をおすすめします。

②管理会計論

管理会計論は、対策が難しい科目の一つです。なぜなら計算量も多く、時間以内で解けきれない分量であることと、そもそも問題自体が応用問題的なものが多く、難しいからです。

ただし、対策はいくつかあります。一つ目は短答式試験であれば特にそうですが、理論問題で点を稼ぐことです。理論問題であれば安定的に点数を稼ぐことができるため、効果的ですし、クレアールのテキストにも理論問題集があるため、対策しやすいと思います。

二つ目は、あまり一つの問題に時間をかけすぎず、時間が足りなそうであれば、飛ばすことです。公認会計士試験は相対試験ですので、時間がかかる問題は、周りも解けず、その問題では差がつかないこともあります。逆にいうと、皆が解ける問題が解けないと、致命的になる可能性があります。問題を取捨選択するのは難しいですが、過去問を解く等して解くべき問題の判別ができるように訓練した方がよいかと思います。

③監査論

監査論は、公認会計士試験の短答式試験と論文式試験の両方にある科目です。ただ、それぞれの対策は異なりますので、別々に説明していきます。

短答式試験の場合、財務会計論や管理会計論など計算問題の対策が大変な中、中々監査論など理論科目の勉強の時間をとりにくいと思います。

そこで、私がやっていた勉強法は、財務会計論の勉強法とかぶるのですが、クレアールのテキストをpdfでダウンロードして、通勤時間中やお昼休憩中に勉強していました。さらに、帰ってからも、毎日テキストを開くようにしていました。また、短答式試験はマーク式であり、正誤の判断もつけづらい問題になっています。ですので、短答式試験の直前期はクレアールの答練や過去問を何回も解き直し、よく間違える問題については、メモするなりして、復習しやすいような環境を整えました。

論文式試験の場合ですが、短答式試験とは別物と考えた方がいいかと思います。短答式試験の場合なら、正誤の判別はつけば良かったのですが、論文式試験の場合文章で書かなくてはいけません!しかも制限時間内に書かなくてはいけないため、よく出されるようなフレーズに関しては、空で説明できるくらいでないと、中々難しいと思います。テキストで出てくるワードや模試、答練で出てきた問題に関しては何度も復習しておくとよいでしょう。また、改訂前文は頻出ですので、必ず押さえるようにしましょう。

④企業法

企業法は短答式試験、論文式試験両方とも苦労した科目の一つです。

なぜなら、私は理系出身であり、法律科目はあまり勉強してこなかったからです。なので、法律用語からまず慣れ親しまなければならないことも、対策が大変だった理由の一つでした。特に企業法はまず六法を買うように予備校からアドバイス頂くと思いますが、最初私が勉強を始めた時はそれさえも買わず、テキストを読んでいたため、点数が中々上がりませんでした。

クレアールの先生からアドバイスを頂き、テキストで気になった部分に関しては、まずは六法の会社法の条文を探すようにしました。このような勉強は、短答式試験よりも後の論文式試験で成果が現れますので、やっておくといいと思います。会社法は法律ですので、独特な言い回しが多いです。私のように、大学時代に法律の勉強をして来なかった人の場合、その用語に慣れるまで時間がかかるかと思います。実際に、短答式試験で中々成績が上がらず40点等の成績を取っていました。

そこで、企業法はテキストを読み込み、答練を繰り返し解くようにしました。また、

他校の模試なども活用し、足りない知識はどんどん補充するようにしました。他の科目の勉強法とかぶるのですが、やはり社会人受験の場合、勉強時間が限られるのがネックですので、データをpdfで見れるようにしたり、テキストをまとめる等の工夫が必要です。最終的には企業法も高得点を取ることができ、短答式試験は合格できました。

次に、論文式試験ですが、企業法の論文式試験は短答式試験とは別物のため、対策が必要です!監査論と同じく、短答式試験では正誤の判断がつけばよいのですが、論文式試験ですと論述をしなければなりません!そして、論述式の場合、規範定立などの型が決まっているため、論文のお作法等も勉強しなければならないのです!論文式試験を最初受験した時は、5月短答合格で8月論文受験のため、準備が足りなかったのもあったのですが、足きりを食らいました。

しかし、その1年後、企業法は51.95とまずまずの成績でした。これは、答練等で解く練習を定期的につける(試験3ヶ月前の直前期には、1週間に1回は答練を解く)ことが功を為したと考えています。

最後に、企業法に関しては、アンテナを広く知識を集める(その際には他校の情報も入れておくといいと思います。)ことと、答練により、解き慣れることが一番の近道だと思います。経験量も重要だと思いますので、他校の模試を受験する機会があれば、受験することをお勧めします。

⑤租税法

租税法は論文式試験から受験する科目の一つです。私の場合、5月短答に合格し、1回目の論文式試験が8月だったため論文式試験のみの対策ができる期間が3ヶ月間しかありませんでした。このような場合、準備不足で租税法の点数は悪くなりがちですが、私の場合1回目の租税法の点数は、52.20でした。合格ラインが52のため、そこそこ良かったと思います。

これは、短答式試験と平行して租税法の勉強も少しずつ続けていたためです。私が受験した時、コロナのため12月の短答式試験が中止されました。そのため、強制的に5月短答の受験になったのですが、12月の段階で5月の短答が通ることを見越して、勉強を行っていたのです。

そのため、租税法の点数は、1回目の論文式試験の際でも良かったのだと思っています。以上のことから、5月の短答式試験の突破を目指している方でも、12月の今の段階から租税法の勉強を少しずつ進めていくのもありだと思います。

⑥経営学

経営学は、論文式試験から受験する科目で、選択式科目の一つです。選択科目は、経営学の他に経済学、民法、統計学等があります。私は最初の論文式試験では、理系だったため統計学を選択しました。その受験の準備のために統計検定2級を受験し、合格しました。ただし、実際に論文式試験を受験すると思ったような問題が出ず、点数はあまりよくありませんでした。その際に考えたのは、統計学だと母数がかなり少ないため、皆が解ける問題を少しでも外すと偏差値がかなり下がってしまうことと、そもそも統計学を選択する人は得意な方が多いため、母数全体のレベルも高いといった点でした。また、母数が少ないことから、対策している予備校も少ないため、勉強しづらいと考えました。

以上のような点から、統計学よりも経営学のほうが対策しやすく、点数も伸びやすいと感じたため、2回目の論文式試験では経営学を選択しました。

結果的に、経営学では57.45と科目合格レベルの点数をとることができ、合格できました。その際に、クレアールのテキスト(財務管理論と経営管理論)と講義動画で基本を勉強して後はテキストを繰り返し解くことと、答練を解くようにしました。さらに、他校の模試も積極的に受験したり、情報を入手することも大事です。なぜなら、経営管理論(理論)の分野は出題が偏っているため、あらかじめ出題予想を認識しておかないと、本番で点数が思ったように伸びない可能性があるためです。

以上の点が、論文式試験の科目選択で迷われている方の参考になれば幸いです。

<今年の本試験を振り返って>

今年の本試験を振り返って、一言で言うと、「ほっとした」という気持ちが強いです。この数年はコロナ禍ということもあり、遊びにいくことは制限されてはいましたが、勉強があるため色々我慢してきたことも多く、また不安もたくさんありました。

今回残念な結果になった場合、来年受験するかどうかも、試験結果の発表待ちの間何度も悩みました。年齢的な部分や、今年受験しても仮にだめだった場合、来年合格するのかわからなかったためです。

今回、幸いにも合格することができ、とてもうれしい気持ちと同時に4年前に本当に受験を決意して良かった、あの時の選択は間違ってなかったと感じました。社会人受験生の方で同じような悩みを感じている方がいたら、その人によいアドバイスができるように、今回の体験記を書かせて頂きました。今頑張っている社会人受験生の方、今はとてもつらいと思いますが、努力は報われるはずです!諦めずに頑張って下さい!

<さいごに>

改めて、今回公認会計士試験に合格できて、とても良かったです。無事、大手の監査法人に内定を頂き、来年の2月からそちらで働く予定です。

これから実務補習や仕事も変わるため、大変なことも多いと思いますが、今までの努力を忘れずに頑張っていきます。

最後にクレアールの先生方には大変お世話になりました!ありがとうございました!

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