公認会計士合格体験記「 年齢・経験に関係なく挑戦してください! 」 鵜沼 一浩 さん

鵜沼 一浩さん

受験回数:1回

目次

<公認会計士を志した動機>

 私が公認会計士を目指すと決めたのは33歳のときです。新卒で飲食店の正社員として勤務し始め、10年ほど経ってから今後の仕事や人生について考えてみたところ、「一生の武器となる専門的なスキルを身につけたい」という想いが強くなりました。そんなときにたまたまクレアールの石井先生が執筆された『公認会計士試験 非常識合格法』という本を読んで公認会計士という職業を知り、専門知識を武器に様々な分野で活躍できることに魅力を感じたため受験を決意しました。

<クレアールを選んだ理由>

 仕事と勉強を両立する期間と退職して勉強に専念する期間の2期間を予定していた、かつ、合格までにあまり時間をかけたくなかったため、「受講料が安いこと」「動画での講義形式であること」「要点に絞った勉強内容」を重視しました。

「受講料が安いこと」

 大手予備校よりも圧倒的に安く、この受講料であれば退職後の資金にも困らないだろうと思いました。また、私が申し込んだのは「3年トータルセーフティーコース」ですが、ちょうどキャンペーン中で割引対象となっていたため、むしろ申し訳なくなるくらいのお得感がありました。さらに、簿記検定や会計士試験の受験料を負担してくれたり、合格したらお祝い金をいただけたりということもあったためモチベーションが上がりました。

「動画での講義形式であること」

 勉強期間の初期は仕事と両立しながら勉強する予定であったことや、予備校に通うための通学時間ももったいないと思っていたため、自分のペースで受講できる動画形式があるのは大変ありがたかったです。時間を節約するために倍速再生したり、気になった点を何度も見直したりできるため、学習の進捗に合わせた利用のしかたができるのはとても便利だと思いました。

「要点に絞った勉強内容」

 短期間での合格を目指していたため、あらかじめ勉強内容が試験に本当に必要なものだけに絞られているのはとても魅力的でした。

 講師の皆様が重要論点を厳選してテキストや講義を提供してくださるので、限られた時間内でムダなく勉強したい方にとっては最適だと思います。

<学習について(全般)>

・はじめに

 下記のデータはあくまで個人的に記録したものを集計したものですが、おおまかな勉強時間の目安の把握や勉強計画を立てる際の参考にしていただければと思います。

また、私が実践した勉強計画の立て方や勉強方法も記載しますが、ご自身に合ったやり方が一番だと思いますので参考程度に読んでいただければと思います。

・実際にかかった勉強時間

前提:簿記・会計の知識が全くない状態からのスタート

勉強期間:2021年5月1日~2022年8月22日(479日間)

総勉強時間:3,921時間

内訳:

簿記」

3級:68時間

2級(商業簿記):126時間 (工業簿記):68時間

1級(商業簿記・会計学):532時間 (工業簿記):393時間

「公認会計士試験(短答式)」

財務会計論:709時間(簿記、財務諸表論含む)

管理会計論:290時間

監査論:223時間

企業法:395時間

「公認会計士試験(論文式)」

財務会計論:197時間(簿記、財務諸表論含む)

管理会計論:113時間

監査論:95時間

企業法:152時間

租税法:300時間

経営学:260時間

・勉強計画

 勉強を開始する前に大まかな勉強計画を立てました。ここで利用したのがクレアールの学習システム内で入手できる「講義動画の配信予定表」です。

 この配信予定表には各科目の講義動画の総単元数や答練(模擬試験のようなもの)の総数が一覧化されているため、やるべきことの全体像の把握に役立ちました。このうち、講義動画の単元数を10%ずつに区切り、10%ごとにいつまでに完了させるかを決めました。

例)総単元数 100単元 ⇒ 10%である10単元ずつに区切る

10%・・・12/1までに

20%・・・12/11までに

30%・・・12/22までに

(以下略)

 ただし、最初から勉強計画をカッチリ決めすぎないようにしました。私の場合は、最初の10%だけとりあえずやってみて実際にかかった日数を把握し、計画より少ない日数であれば100%完了する予想日時を繰り上げたり、計画より多い日数であれば勉強時間を増やして間に合わせられないか考えたりして計画を微調整しました。20%以降も必要に応じて計画を修正していきました。

 また、公認会計士試験の1ヶ月前までには講義動画視聴、テキスト、問題集3周、答練1周、過去問を終わらせ、残りの期間は苦手な論点や問題集、答練を回転させるようにしたかったのでそのように計画を立てていきました。

 公認会計士試験は勉強量が膨大ですが、10%ずつに区切ることで勉強の進捗度がわかりますし、「次の10%をやっつける!」というゲーム感覚で勉強できたので、結果的にモチベーションの維持に繋がりました。

<科目別勉強方法、教材等>

 基本的にはクレアールが推奨する勉強方法をそのまま実施しました。また、使用した教材は簿記1級の過去問題集を除きクレアールから提供されたもののみです。ただし、別途『会計法規集』や『監査法規集』、企業法や租税法用の『参考法令基準集』は購入しました。

 以下、科目別に記載します。

・簿記3級~1級

 クレアールでは、公認会計士試験の攻略のために先に計算科目を攻略することを推奨されるため、総勉強時間の内3分の1程度は簿記の勉強に費やしました。

 講師の方々もよく仰っていましたが、多少わからないことがあっても次に進むこと、量をこなすことが重要です。わからないことがあっても後の講義で別の知識を知ったときに「あのときのあれはそういうことだったのか」となることが多かったです。また、何度も同じ問題を解いているうちに徐々に解き方が身についたり、計算構造が理解できるようになったりしてきました。総じて、簿記の学習は「習うより慣れろ」の部分が多かったです。

 簿記3級、2級の講義は主に山田先生が作成された「講義ノート」を使用しました。ポイントがたくさん載っていて簿記初心者の私にとってわかりやすく、講義動画もこれをもとに進めていたのでオススメです。

 ちなみに、私は簿記1級の検定試験は落ちてしまいましたが本命の公認会計士試験には合格できたため、簿記検定の合否はあくまで通過点でしかないと思います(もちろんヘコみましたが(笑))。なので、もし簿記検定に落ちてしまっても気にせず公認会計士試験の勉強を始めた方がよいと思います。

・財務会計論(簿記・財務諸表論)

 公認会計士試験の簿記については、簿記1級の知識をベースにいくつか論点が追加されるというイメージなので先に簿記1級をやっていてよかったと思いました。また、勉強方法も簿記3級~1級とほとんど変わりませんでした。ただし、より複雑な計算問題をより短時間で解く必要があるため、計算構造の理解が必要になってくると思いました。

 連結会計の攻略法については藤橋先生が実施してくださる補講がとても参考になりました。どの数字がどこに繋がるのか、簡単に計算するためにはどう情報をまとめればよいかを詳細に説明してくださるのでオススメです。

 財務諸表論については、石井先生が会計基準をかなりかみ砕いて説明してくださるので会計基準を理解するための基礎ができました。あとは、クレアールが推奨する「スピーチ」という勉強方法をひたすら実施しました。自宅にいるときは、第三者から見たら危ない人間だと思われるくらい講義で知った内容をブツブツつぶやいていたと思います(笑)。

・管理会計論

 計算問題については、簿記1級の知識をベースにいくつかの論点が追加されるというイメージだったので勉強方法は簿記とほとんど変わりませんでした。

 ただし、理論については原価計算基準(『会計法規集』やテキストに収録されています)のような少しとっつきにくい文章を読むことになりますが、講義の中でその文章の意味していることや注意点等をかみ砕いて解説してくれるため理解が進みました。

 論文式試験用の理論対策については、5月の短答式試験が終わってから本格的に対策をし始めた影響で8月の論文式試験まで残り時間が少なかったため、実際に文章を書くことよりもとにかくひたすら「スピーチ」を実施することを優先していました。

・監査論

 堀江先生が講義動画の冒頭で仰っていたように、まずは監査論の「骨格」や「全体像」を把握することが大切だと思いました。多くの受験生と同じく私も監査実務を経験したことがなかったのでなかなか内容を理解しにくかったですが、「監査って要するに何がしたいのか?」という目的を自分の言葉に変換できるように努めました。それを意識していくと、監査基準や監基報(『監査基準委員会報告書』という監査実務で使うもの)に記載されている内容はその目的を達成するための考え方や手段であるということに徐々に気づき始めました。特に短答式試験は細かい内容が問われることが多いため、過去問を解く際にも何についての問題を解いているのかわからなくなり迷子になってしまいがちでしたが、「骨格」や「全体像」をある程度形成していくと落ち着いて俯瞰できるようになりました。

 少し具体的な勉強方法を記載しますと、私は短答式試験の過去問で出題された内容については、『監査法規集』に収録されている監査基準や監基報の原文の該当箇所にアンダーラインや印を付けるようにしていました。すると、少なからず毎年似たような箇所から出題される傾向にあることがわかったため、直前期には集中的に該当箇所とその周辺を頭にたたき込むようにしていました。また、アンダーラインや印を付ける過程でどこに何が書いてあるかがおおまかに把握できるようになったため論文対策で役立ちました。

・企業法

 「素の条文を読んでください!」と講義動画の中で山本先生が口酸っぱく仰ってくれますが、この言葉のおかげで企業法ができるようになったと思います。

 法律科目を勉強するのは初めてだったので法律の考え方や言葉の使い方に苦戦しましたが、講義動画やテキストで条文の趣旨や似たような内容の条文間の違い等を確認して素の条文を読むことを繰り返しました。また、過去問を解く際も1問解くごとに該当する条文を確認するようにしていました。直前期には条文集自体がテキスト代わりになっていき、短答式試験当日も条文集を確認していました。

 ただし、論文式試験はあまり点数が取れなかったので、論文対策にもっと時間をかけるべきだったと反省しています。

・租税法

 よく言われるように、租税法はやればやるだけできるようになります。ただし、できるようになるまでに時間はかかると思いました。私は論文式試験の6ヶ月前から租税法の勉強を始めましたが、しばらくは答練を解いても全く点数が伸びず煩悶としましたが、試験1ヶ月前になって急に問題が解けるようになっていきました。この頃になってやっと問題文の情報をどう整理すればよいかが分かったり、計算方法が身体に染みついたりしたからだと思います。どの科目にも言えることですが、特に租税法はコツコツやり続けることが大切だと思いました。

・経営学

 理論科目については、社会人として過ごした中で聞いたことがある内容が散見されたため、他の科目に比べてとっつきやすかったです。テキスト、答練、スピーチを中心に勉強しました。

 ただし、計算科目は苦戦しました。私は大の数学嫌いだったので(恥ずかしながら、中学レベルの数学も怪しかったです(笑))、経営学の勉強時間の大半を計算科目に費やしたと思います。逆に、高校数学まで難なくできる方にとっては容易な科目らしいので、ご自身がどちらのタイプかによって勉強時間が変動すると思います。

<さいごに>

 ここまでお読みいただきありがとうございました。長々と記載してしまい申し訳ございません。この体験記が少しでもこれから公認会計士試験合格を目指す皆様のお力になれたら幸いです。私はクレアールのやり方を最後まで信じた結果合格にたどり着くことができたので、今どこの予備校にしようか悩んでいる方がいましたら是非ともクレアールをオススメさせていただきます。

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