東 雅人さん
受験回数:1回
公認会計士を志した動機
元々は、自分のスキルアップを目的に日商簿記1級の勉強をしていました。しかし、試験に一度落ちました。その時とても悔しくて、いっそのこと公認会計士を目指して勉強してやる、と思ったのがきっかけです。
クレアールを選んだ理由
公認会計士試験の受験を志した当初、独学するつもりでした。しかし、市販されている参考書は量・質ともに乏しく、独学は難しいと考えを改めました。その後、各予備校の情報を集めるうちにクレアールの存在を知りました。
各予備校と比較検討する中で、①「非常識合格法」に基づく無駄を省いたテキスト、②そもそもの受講料の安さ、③合格お祝い金制度、これらに魅力を感じましたので、クレアールを選択しました。また、私は社会人ですが、社会人の方の合格体験記が多く見受けられたのも理由の1つです。
勉強計画・ツールの活用
勉強計画
勉強計画には最も注意を払いました。週に1、2時間程度は時間を使い、講義や答練等の勉強予定をGoogleカレンダーでスケジュールしました。勉強時間は平日は4~5時間、休日は8時間を確保するようにしました。ただし、毎週土曜日18時以降は勉強の予定は入れず、息抜きの時間にあてていました。
勉強時間の記録
「Toggle Track」というアプリケーションを使用して、日々の勉強時間の記録・集計をしました。勉強している科目に偏りが出ていないか等を確認するためです。
なお、公認会計士講座が開講された2020年6月から論文式試験があった2021年8月まで、私の勉強時間は2041時間でした。この時間には、答練や模試の解答時間も含まれています。日割りをすると、一日平均4.5時間。ひとつの目安にすぎませんが、参考として紹介させていただきます。
アプリの活用
暗記ツールとして「Anki」というアプリケーションを使用しました。「Anki」は単語カードをアプリにしたものなのですが、細かいカスタマイズができます。短答式の肢別問題や覚えたいことなどを入力して、スキマ時間に繰り返しやっていました。このアプリの長所は、忘却曲線に沿った出題を自動的にしてくれるところです。おかげで効率的な復習ができたと考えています。アプリに慣れるのに少し時間がかかるかもしれませんが、使いこなせば強い味方になってくれます。
時期別学習方法
これからは、私の学習方法を時期別に紹介します。基本的には、どの科目も①講義で知識をインプットし、②例題・問題集を繰り返し解いて基礎的な知識の定着を図り、③答練・模試を受け、④難問・奇問、埋没論点は切捨てながら、⑤答練・模試で点が取れなかったところを覚えなおす、ということの繰り返しです。
日商簿記1級(2019年11月~2020年6月)
商業簿記・会計学、工業簿記・原価計算ともに、「講義動画を視聴し、テキスト例題・問題集を解く」という流れで各単元をこなしました。通勤電車の中でもスマートフォンで講義視聴しました。その場合は、帰宅後すぐに問題を解いていました。
講義を視聴した後は、テキストの例題や問題集の周回を徹底してやりました。答練もすべて解きました。クレアールの答練や公開模試はかなり難しかったですが、そのおかげか本番では問題が解きやすく見えました。併せて市販の過去問題集を購入し、10回分程度は解きました。
公認会計士基礎期(2020年6月~10月)
各科目とも、講義動画の視聴を進めました。特に、企業法はコマ数が多く、最初はすべてこなせるか心配でしたが、山本先生の講義が大変面白く、無理なくすべての単元をこなせました。
9月に入り、基礎講義を進めるかたわら、直近の短答式過去問を1度解きました。本番の問題の雰囲気やレベル感を肌で感じておきたかったからです。計算はボロボロで、理論も3割程度しか得点できませんでしたが、解ける問題が少しはあることを確認できたので、むしろモチベーションは上がりました。
日商簿記1級対策専念期(2020年11月上旬)
11月上旬は、日商簿記1級対策に専念しました。ただし、短答式試験が例年どおり12月に行われていたとすれば、そうはしていなかったと思います。
この時期は、簿記の答練・公開模試・過去問を解き、できなかったところはできるようになるまで復習する、ということを徹底的に繰り返しました。日商簿記1級は、無事合格することができました。公認会計士試験合格のチェックポイントを通過できた気持ちになり、うれしかったです。
短答式・論文式対策並行期(2020年11月下旬~2021年3月)
日商簿記1級の試験が終わると、公認会計士試験に向けた勉強に再度シフトチェンジしました。この時期は短答式と論文式の対策を並行して行いました。
【短答式対策】
短答式対策として、肢別問題集や答練をひたすら解き、間違えればテキストに戻り覚えなおす(計算問題であれば解けるまでやる)ということを繰り返しました。また、企業法に関しては、山本先生が何度もおっしゃっていたとおり、勉強の際に「条文を引く」ということを徹底してやりました。
【論文式対策】
論文式対策が本格化し始めたのもこの時期です。論文式のみ出題される租税法・経営学についても、この時期から学習に取り組みました。
特に、経営学のうち財務管理論は高校程度の数学の知識が必要です。文系で数学をあまり勉強してこなかった私にとっては、理解に時間がかかりました。インターネット上で公開されている高校生向けの数学の解説サイトを参照することもありました。併せて、自分の弱点は財務管理論だと自覚しましたので、他の科目よりやや厚めに勉強時間を配分しました。
また、年明けの2021年1月から論文式答練の配信が始まりました。基礎答練は配信される都度答案を提出しましたが、応用答練や論文マスター答練は、短答式対策と並行しながら期日通りに提出することが難しくなりました。そこで、思い切って応用答練などは短答式試験の後に取り組むことにしました(遅れての提出は採点いただく先生方にはご迷惑だったかもしれませんが・・・)。
2021年3月には、短答式・論文式ともに、他校の公開模試を受けました。他校の受験生と比較する形で、自分の実力を確認したかったからです。
短答式対策専念(2021年4月~2021年5月)
2021年4月に入り、短答式対策に専念しました。全科目、すべての短答式答練を2、3周しました。併せて、配布された過去問題集のうち、重要度がA・Bの問題はすべて解けるようになるまで繰り返し周回しました。特に監査論・企業法は過去問と類似した問題が一定数出題されますので、両科目は過去10回分の問題はすべて解けるよう徹底的に周回しました。監査論はこの戦略がうまくはまり、短答式で90点という望外の得点が稼げました。
論文式対策専念期(2021年5月~2021年8月)
短答式試験が終わった後は、論文式対策に専念しました。ためていた答練をこなし、わからなかった問題は解答や解説講義で論点を覚える→後日同じ問題をみてアウトプットできるか確認する、ということを繰り返しました。併せて、論文式向けテキストにある論点を覚えていきました。2021年7月には、他校の公開模試をもう1度受けました。
試験日2週間前くらいからは基準集の活用方法、具体的には「この論点は基準集のここから解答が導き出せる」というややテクニカルな部分の確認もしました。特に、監査論は基準集から解答を埋められることが多々あります。吉田先生の監査論論文対策講座では、基準集で押さえておくべき箇所の解説もされていましたので、非常に役立ちました。
おわりに
先ほども申しましたが、公認会計士試験に合格するためには、どの科目も①講義で知識をインプットし、②例題・問題集を繰り返し解いて基礎的な知識の定着を図り、③答練・模試を受け、④難問・奇問、埋没論点は切捨てながら、⑤答練・模試で点が取れなかったところを覚えなおす、ということを根気強く繰り返すしかないと思います。クレアールのテキストや問題集は、各問ごとに「難易度・重要度」が付けられているので、抑えるべき論点・切り捨てて構わない論点の区別がしやすかったです。また、公認会計士試験の採点の仕組み上、極端に苦手な科目を作ってしまうと苦しくなります。各科目バランスよく勉強することが肝心だと思います。
最後に、クレアールの先生方、本当にありがとうございました。先生たちのテキストや講義、答練のおかげで、社会人として働きながら、公認会計士試験に一発合格できました。クレアールを選んでよかったです。
この体験記がこれから公認会計士試験の合格を目指される方々の参考になれば幸いです。