「社会人1年短期合格のススメ」 Vol.2.まずは試験制度の特徴を押さえよう!-論文式試験編-

目次

はじめに

最近は暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
昨今、東京都心では35.8度を観測したそうで、今年初の猛暑日を記録したようです。私も通勤途中に天気予報でそのことを知り、とても驚きました。

その一方で、受験生の皆様は勉強最優先であるため、なかなか外出できず、ご自宅で長時間冷房にさらされている方も多いのではないでしょうか。
調べてみたところ、夏であってもクーラーで体が冷えた時には、体のだるさや重さ、むくみ、冷え性等を感じる“クーラー病”という症状に悩まされることもあるようです。

なかなか外出できず、ご自宅で過ごされることが多い方も、くれぐれも体調管理に注意を払い、ご自身の目標に向かって毎日チャレンジを続けていきましょう!

“敵を知る”とは -論文式試験編-

前回のVo.1.では、「敵を知り己を知らば百戦危うからず」という有名な言葉をご紹介いたしました。その上で、まず、“敵を知る”こと、すなわち会計士試験のしくみを知ることの大切さをご説明し、短答式試験の特徴について触れました。

今回は、その続きとして、私が考える論文式試験の特徴についてお話しします。

受験時の経験を踏まえ、私は論文式試験には大きく分けて3つの特徴があるのではないかと思います。

① 記述式試験ゆえ、各人の実力が反映されやすいこと

論文式試験は、マーク式である短答式試験とは異なり、記述式です。
マーク方式であれば、各設問の正誤がはっきりしているため、正しい答えが分からない場合であっても、まぐれで正解していることがあります。
一方、記述式の場合は、計算問題を除き、各設問の問題の趣旨や論点に沿わない回答をしてしまった場合には、合格点を獲得することは難しいと考えられます。
逆に言えば、実力を十分に身に付けた受験生であれば、突拍子もないような問題を除き、安定して問題の趣旨・論点を押さえた回答を記述することができると考えられます。

即ち、論文式試験は受験生自身の実力が反映されやすく、運の要素が少ない試験であることを意味しています。
極端なことを言えば、マーク式の短答式試験をまぐれで突破したとしても、実力が伴っていないために論文式試験に不合格となり続ける可能性があります。

これらを踏まえると、論文式試験合格という目標達成のためには、短答式試験対策のときから、運の要素を頼りにせず、自分自身の実力をしっかりと身に付けていく必要があります。

② インプットよりもアウトプットが重視されること

論文式試験では、自分の頭の中にただ知識を詰め込むだけではなく、知識を解答用紙にしっかりとアウトプットする力が求められます。

例として、「財務会計論」の税効果会計の資産負債法と繰延法の論点を考えてみましょう。

短答式試験では、資産負債法と繰延法に関するある程度の文言が問題文に記載される出題が大半かと思います。したがって、それらの文言をもとに回答を考えることができるため、断片的な知識しか持ち合わせていない場合であっても、ある程度正誤の判別はつくと思います。

一方、論文式試験では、例えば、下記のような文章をゼロからアウトプットすることが求められます。下記の文章をゼロから正確にアウトプットするとなれば、ある程度抵抗を感じる方も多いのではないでしょうか。

“資産負債法とは、会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額との間に差異が生じており、当該差異が解消するときにその期の課税所得を減額又は増額する効果を有する場合に、当該差異(一時差異)が生じた年度にそれに係る繰延税金資産又は繰延税金負債を計上する方法である。”

これらを踏まえると、論文式試験に太刀打ちできるような実力を身に付けるには、「より精緻な知識の蓄積」と「絶え間ないアウトプットの練習」を繰り返す必要があることを知っておかなければなりません。

③ 出題範囲が広いこと

短答式試験の受験科目は、財務会計論、管理会計論、企業法、監査論の合計4科目です。
一方、論文式試験の受験科目は、会計学(財務会計論+管理会計論)、企業法、監査論、租税法、選択科目(経営学・経済学・民法・統計学のうちいずれか1つを選択)であり、実質的に合計6科目対策をする必要があります。

論文式試験では、租税法と選択科目の2科目が新しく増えます。特に、租税法の対策に時間を要する受験生が多いようです。
(なお、私の体感では、租税法の学習は、管理会計論をゼロから仕上げるくらいのボリュームがあるのではないかと思います。)

選択科目は経営学・経済学・民法・統計学のうちいずれか1つを選択することとなりますが、多くの受験生は費用対効果の観点から経営学を選択するようです。私も経営学を選択し、論文式試験を受験しました。

それだけではなく、短答式試験で既に学習した財務会計論、管理会計論、企業法、監査論の合計4科目についても、論文式試験用の対策をする必要があることを忘れてはいけません。
特に、企業法については、論文式試験独特の回答方法(=お作法)があり、短答式試験とはまったく異なる科目に変貌するように思います。
ただし、クレアールが提供する企業法の教材は、論文式試験対策が非常に充実していたため、私は安心して学習を進めることができました。

これらを踏まえると短答式試験を合格なさった受験生であっても、一息つく間はあまりなく、これまでとはひと味違う論文式試験の対策をコツコツと進めていく必要があることを知っておかなければなりません。

おわりに

今回は、試験制度のうち論文式試験の特徴について紹介いたしました。
前回のVo.1.でご紹介した短答式試験の特徴とは異なる点が多いのではないでしょうか。
やはり、“敵を知る”こと、すなわち会計士試験のしくみを知ることが重要であることは言うまでもありません。

次回は、受験生である皆様の、ご自身を理解することの大切さについて、ご紹介したいと思います。

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