女性会計士の魅力と仕事について迫ってみました!
小俣 志穂 さん
太陽ASG有限責任監査法人 東京第一グループ
会計士を目指した理由は?
大学時代、特になりたい職業もなくなんとなく過ごしていました。そんな中、久々に連絡してきてくれた中学時代の友人が、公認会計士を目指すと話してくれました。当時、公認会計士という職業を知らなかった私は、本で公認会計士を調べ、一生役立つ難関資格であること、また受験科目に、親しみのあった簿記があることを知り、なんとなく気になる職業になりました。
その後、しばらくして、母とワインを飲んでいるとき、ふと母が「 私は妊娠して働けなくなったけど、今も仕事していたら、いったいどんな人生だったかな」と話をしてくれました。その言葉をきっかけに、結婚や出産と仕事を両立することが、私の人生の中で大きなテーマになり、数日後には専門学校の公認会計士講座に申し込んでいました。
女性としての会計士の魅力とメリット、職場環境についてお聞かせください
私は現在、上場会社及び会社法をそれぞれ1社、信用金庫1庫、国際監査2社、そして任意監査1社を担当しています。うちの法人は、業種による部門分けをしていないため、様々な業種に関わることができます。この決算からは初めて、建設業に携わっており、勉強の毎日です。新規のクライアントのため、担当の方々との信頼関係の構築が重要ですので、疑問点や課題はすぐに話し合ってひとつずつ解決するように心がけています。初めは担当の方も緊張されていましたが、誠意をもって積極的にコミュニケーションを図ることで、意見や質問などいろいろなことを話してくれるようになります。こんなコミュニケーション能力の発揮は、女性の得意分野ではないでしょうか。
私は、公認会計士として仕事をしている一方、家庭では2歳の女の子の母親をしています。私はうちの法人の産休取得第1号で、仕事と子育ての両立のために、育児支援制度の充実を図る提案をし、今年4月に就業規則を改定しています。一職員の意見に耳を傾け、速やかに制度化に踏み切ってくれた上司には、心から感謝していますし、大変心強くも感じています。その甲斐あって、育児休暇を終了した後輩が復帰して、働くママが増えています。今後も働く女性が、結婚や出産に躊躇することなく働いていけるよう、先輩として道を切り開いていけたらと思っています。
これから学習を始められる方へのメッセージをお願いします。
もし、この記事を読んで「公認会計士を目指したいけど、自分には無理」と思っている人がいたら、それは間違っています。この資格は、前進することを諦めない限りは絶対に合格します。マラソンだって、どんなに辛くても、時々歩いたって休んだって、前進することを諦めなければ必ずゴールにたどり着けるのですから。 順位を他人と比較する必要もありません。
そして、前進することを諦めないで頑張った数年間は、合格後に十分すぎるほど取り返せます。
私も、合格後、結婚をして、子供を産んで、ママをしながら働いていますが、フルマラソンに挑戦したり、大好きなワインをコレクションしたりしています。だから、未来の会計士の皆さん、迷っている暇があったら、早く勉強を始めましょう!