「会計士としてコンサルティング会社で働く!」Vol.2.コンサルティング会社の種類

目次

はじめに

 前回の執筆記事ではコンサルティング業界や実際の業務の特徴についてご説明しました。「顧客第一主義(クライアントファースト)であること」や「若いうちから高いビジネスレベルの仕事に携わるチャンスがあること」等の他の仕事とは一風変わった特徴があったのではないでしょうか。今回は前回の続きとして、コンサルティング会社の具体的な種類についてご紹介したいと思います。

コンサルティング会社の種類

 コンサルティング業務と一口に言っても、クライアントが抱える悩みは多種多様であり、それらに対応するための専門性の違い等により、様々な種類のコンサルティング会社が存在します。以下では、会計士資格と比較的親和性が高いであろうコンサルティング会社(=コンサルティングファーム)に絞り、それぞれご紹介したいと思います。

■戦略コンサルティングファーム

 まず皆さんが持つコンサルティング会社としてのイメージに最も近いのは「戦略コンサルティングファーム」なのではないでしょうか。
彼らは企業の社長等のトップマネジメント層が抱える問題を解決することが主な役割です。具体的には、クライアントが抱える課題の中でもとりわけ難易度の高い中長期の戦略立案・新規事業戦略・M&A戦略等の抽象度が高い課題に取り組むことが多くなります。このような難易度の高い課題を解決するため、「戦略コンサルティングファーム」で勤務するコンサルタントには、専門知識のみならず高い論理的思考力やクライアントを成功に導く高いコミュニケーション能力が求められるようです。

■総合コンサルティングファーム

 「総合コンサルティングファーム」では、「戦略コンサルティングファーム」が取り扱うような戦略立案等の抽象度の高い課題のみならず、戦略の実行のためのオペレーション改善・プロジェクトマネジメント等を含む幅広い分野のサービスを提供すると言われています。
「総合コンサルティングファーム」では「戦略コンサルティングファーム」よりも取り扱うサービスの幅や専門性が多岐にわたることも多いため、企業規模が大きく多くの従業員や拠点を持つことが多いようです。ただし、「総合コンサルティングファーム」であっても「戦略コンサルティングファーム」と同様に高い論理的思考力やコミュニケーション能力が不可欠であることに変わりはないようです。

■ITコンサルティングファーム

 昨今の企業活動ではIT活用が不可欠となってきており、DXを含めたIT課題の解決を専門とする「ITコンサルティングファーム」の需要が高まっています。
「ITコンサルティングファーム」の提供サービスは多岐にわたり、企業のIT戦略の策定からシステムの見直し、新システム導入の提案、システムの最適化や動作検証まで幅広いと言われています。なお、昨今の企業が抱える課題の解決にはITが何らかの形で関与することが多いため、上述の「戦略コンサルティングファーム」や「総合コンサルティングファーム」の提供サービスが「ITコンサルティングファーム」と競合するケースも多いようです。
「ITコンサルティングファーム」では、高い論理的思考力やコミュニケーション能力に加え、ITに関連する知見や経験等が求められるようです(「ITコンサルティングファーム」で求められる知見・経験等はインターネット上に多くの解説記事がございますので、気になった方はぜひ調べてみてください)。

■財務アドバイザリー系コンサルティングファーム

 「財務アドバイザリー系コンサルティングファーム」は、主に会計・税務等の領域に軸足を置いたサービスの提供を生業としています。
企業の合併や買収を意味するM&A(Mergers and Acquisitions)に関する支援が中心的な業務であり、FAS(Financial Advisory Service)という名称で呼称されるケースも多いです。具体的には、M&A(企業買収や合併)のための買収価格を決定する際、買収者が買収対象企業の財務などに関する情報を入手し、その情報が真実であるかを調査する「デュー・ディリジェンス」や、企業価値評価のための「バリュエーション」、実際の交渉業務を専門とする「ファイナンシャルアドバイザリー」等の業務を提供します。
他にも、企業の不祥事が発生した際の不正調査等を提供する「フォレンジックス」や後述の「企業再生」に関連するサービスを提供することもあるようです。会計領域の知見を活かす機会も多いため、監査法人出身の会計士がネクストキャリアとして検討することが多いコンサルティングファームであるようです。

■企業再生系コンサルティングファーム

 「企業再生系コンサルティングファーム」は、経営の窮地に陥った企業の立て直しの支援を生業としています。具体的には、企業が経営危機から脱するための現状把握、再生計画の立案、資金繰り改善等の多岐にわたるサービスを提供しているようです。
「企業再生系コンサルティングファーム」が上述のコンサルティングファームと大きくなる点は、「マイナスから業務が始まる」という点にあると言われています。上述の他のコンサルティングファームでは現在の収益を向上させる等の企業にとってのプラスの状況の更なる改善を行うという面が強いですが、「企業再生系コンサルティングファーム」は経営危機等のマイナスの状況の改善を担うことから非常にストレスフルな業務を抱えることが多いようです。しかし、コロナ禍等で世の中の多くの企業が窮地に陥った際には企業にとって心強いパートナーとなることは間違いなく、成果が目に見えることの多いため非常にやりがいのある業務であるそうです。

おわりに

 今回はコンサルティング会社のうち、会計士資格と比較的親和性の高いものをピックアップしてご紹介しました。次回は上述の各コンサルティング会社別に会計士資格を実際にどのように活かすことが可能か、ご紹介したいと思います。

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