はじめに
近年、中途採用のみならず新卒採用においてもコンサルティング業界への就職人気が高まっています。この記事を読んでくださっている皆さんも、コンサルタントといえば「高収入」「高ステータス」というイメージを持っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。
私は公認会計士試験に合格後の現在は主に会計領域の職務に携わっていますが、新卒時には何となくかっこいいという「憧れ」や「専門性」を求めコンサルティング会社で勤務した経験もあります。今回はそのときの経験等も踏まえ、皆様が目指されている会計士資格のコンサルティング業務への活かし方について、数回にわたり記事を執筆したいと思います。今回は初回ですので、まずはコンサルティング業界や実際の業務の特徴等についてご紹介したいと思います。
コンサルティングとは顧客の悩みを解決する仕事
そもそもコンサルティング業務とはどのような仕事なのでしょうか。一般的にコンサルティング業務とは、とある業界・分野についての深い知見と経験等の専門性をもとに、企業を中心とした依頼者(=クライアント)の悩みに応え、解決策を提示する仕事だと言われています。ただし、あくまで最終的な意思決定権はクライアントにありますので、コンサルティング会社はクライアントと並走する伴走者としての役割を担うこととなります。
コンサルティングと類似する言葉として、アドバイザリーという言葉があります。コンサルティングとアドバイザリーの間に明確な定義の違いは存在しないようですが、いくつかの違いがあると言われています。大きな違いの一つとして、コンサルティングはクライアントが抱える特定の課題を解決するためのソリューションを提供する一方、アドバイザリーはクライアントやその部署等のそのものに対して全体的にアドバイスを提供するといわれています。そのような違いも相まって、コンサルティングはアドバイザリーと比較し、クライアントへの役務提供期間が比較的短期間になるようです。ただし、クライアントが抱える課題に対する解決策を提示するという業務の本質は、コンサルティングとアドバイザリーはいずれも共通しているようです。
コンサルティング業務の特徴
コンサルティング業務は世の中の他の仕事と比較し、たとえば次のような一風変わった特徴を持っていると言われています。
①顧客第一主義(クライアントファースト)であること
前述の通り、コンサルティング業務の本質はクライアントが抱える課題に応え解決策を提示することです。その仕事の特性上、クライアントの課題が解決しなければ仕事はもちろん完了しませんので、顧客第一主義(クライアントファースト)が求められる職業であると言われています。クライアントが希望する納期・クオリティ等に見合う成果物を提供することが強く求められるようです。
したがって、クライアントのためであれば泥臭く地味な仕事であっても完遂することが求められ、成果物が納期に間に合わないことのないよう平日夜遅くや休日も働くことは珍しくないようです。このように、コンサルティング業務では、クライアントのニーズに応えるためには手段を選ばず結果にコミットすることが求められるといえます。
②若いうちから高いビジネスレベルの仕事に携わるチャンスがあること
コンサルティング業務の仕事の特性上、クライアント自身では解決できない課題に取り組むことは珍しくありません。そして、そのような課題を取り扱うのはクライアントの中でも上席者(たとえば、経営者や部長等)であることが多いので、コンサルタントの仕事相手は必然的にクライアントの上席者となることが多いと言われています。
若いうちから年齢や職位が上のクライアントの上席者とともに仕事をすることはチャレンジングではありますが、幅広いビジネススキルを身に付ける機会があり、業務レベルも高いため、多くの成長機会が存在します。多くの成長機会が存在する一方、精神的なプレッシャーや肉体的負荷が大きいため、ある程度のハードワークは覚悟しなければならないといえます。
③高年収であること
コンサルティング業務はクライアントが抱える難易度の高い課題に取り組むことが多く、それに伴いクライアントから多額の報酬を受け取ることが多くあります。そのため、コンサルティング会社で勤務するコンサルタントの平均年収は高く、新卒1年目であっても年収500万円を超えることは珍しくありません。
そして、クライアントに提供した成果物の良し悪しで評価される仕事であるため、クライアントに大きな付加価値を提供したコンサルタントには多額のボーナスが支払われることも多いと言われています。現在の日本人の平均年収が500万円に満たないことも踏まえれば、若いうちから高年収の獲得が期待できる点は大きな魅力ではないでしょうか。
おわりに
今回は会計士資格のコンサルティング業務への活かし方についてご紹介するにあたり、まずはコンサルティング業界や実際の業務の特徴等についてご紹介しました。次回以降では、コンサルティング会社の具体的な種類について記事を執筆いたします。