「社会人1年短期合格のススメ」 Vol.14.日商簿記2級対策 Part2

目次

はじめに

前回のVol.13.では、クレアールの公認会計士講座の学習カリキュラム「計算力養成期間」における重要なステップである、日商簿記2級の試験制度・学習内容等の特徴をご紹介しました。

今回はその続きとして、日商簿記2級の具体的な学習方法についてご紹介したいと思います。

日商簿記2級は合格を目指す

私が日商簿記を学習していたときには、日商簿記3級は実際に受験せず、日商簿記3級の学習が一段落したら、すぐに日商簿記2級の学習に着手していました。これはなぜかというと、日商簿記2級の試験対策を通じて、日商簿記3級の理解・復習を進めることができると考えていたためです。

日商簿記3級の学習内容は、現金預金や商品売買等の商業簿記の初歩的な論点であり、いずれも重要ではあるものの、日商簿記2級の試験対策の中で十分にカバーすることができます。したがって、日商簿記3級の理解・定着度の確認をするためにも、日商簿記2級については、実際に試験を受験し合格を目指すことをおすすめします。

次より、日商簿記2級の商業簿記と工業簿記の2分野のうち商業簿記について、具体的な学習方法をご紹介します。

基本問題をしっかり押さえる

まず、どの受験生も得点する基本問題を確実に正答することができるようになりましょう。
具体的には、第1問の仕訳問題、第2問の個別論点の中で易しい問題、そして、第3問の決算問題の中で易しい問題を確実に得点できるようになりましょう。

やはり、基礎がしっかり身に付いており基本問題を確実に回答できる受験生であれば、たとえ試験問題の内容が多少変わったとしても得点のブレが少なくなるため、得点率が安定します。そして、確実に得点できる問題の種類・数を増やし、得点率を徐々に高水準に引き上げることができれば、合格ボーダーの70点以上を獲得することができるようになります。

また、公認会計士試験の短答式試験・論文式試験の対策をする場合であっても、基本問題をしっかり得点できるようになることはとても重要です。短答式試験・論文式試験はいずれも上位数%の受験生が合格する相対評価方式ですので、他の受験生が得点源とする基本問題は絶対に失点してはならないためです。

難しい論点は何度も復習

日商簿記3級と異なり、日商簿記2級では、リース取引や外貨建取引、税効果会計等の難易度の高い論点が学習範囲に加わります。
学習し始めたばかりの頃は、それらの論点は理解に時間がかかることから、多少苦手意識を持つ方も多いです。私も、それらの難しい論点をはじめて学んだときは、うまく内容を理解することができず、「やばい。。どうしよう。。」と焦ってしまいました。

このような難しい論点については、何度も手を動かして練習問題を解き、復習を繰り返して理解するのが効果的です。簿記はどの論点であっても、「頭で理解する」というよりも「体に染み込ませる」ようにして理解・復習するのが、近道の学習方法であるためです。

はじめはよく分からない中、難しい論点の練習問題を解くことになりますが、それを繰り返す中で、「これはつまりそういうことを意味しているのか!」というように自然と内容を理解することができるタイミングが必ず来ます(ただし、盲目的に解答手順をただ単に覚えるのは絶対にNGです)。
難しい論点については、辛抱して何度も復習を繰り返しましょう。

難解な連結会計はしくみの理解を大切に

日商簿記2級では、連結会計問題が学習範囲に加わります。具体的には、資本連結・非支配株主持分・のれん・連結会社間取引・未実現利益の消去等を学ぶことになります。

連結会計を学ぶときには、それぞれの手続の意味やしくみを理解するようにしましょう。
たとえば、資本連結について、単に親会社から子会社への投資と対応する子会社の資本を相殺消去し、差額をのれんに計上し、親会社に帰属しない部分を非支配株主持分とする手続と呼ぶこともできますが、はじめのうちは何を言ってるのか私はよくわかりませんでした。そこで、私は何のためにこの手続をやっているのか、自分自身の言葉に置き換えて理解するようにしました。

具体的には、『親会社と子会社の財務諸表を単純に合算してしまうと、親会社が持つ「子会社株式」と子会社が持つ「資本金」等がそれぞれで計上されてしまうため、連結財務諸表を見る人が混乱しないよう、それらの相殺消去が必要なんだ』というように理解するようにしていました。

このように、連結会計の各手続を学習する際には、それらの手続の目的は一体何なのか考えてみるようにしてみてください。そうすれば、きっと難解な連結会計であっても、スムーズに理解ができるはずです。

問題を解く順番を決めておく

日商簿記2級の実際の試験問題では、商業簿記分野でかなり難しい問題が出題されます。
たとえば、連結子会社間取引の相殺消去が出題された場合、完璧な回答をすることができる受験生は少ないはずです。実際、私自身が受験したときには、連結子会社間取引の相殺消去が出題され、試験問題を解きながらパニックに陥ってしまいました。

そのような難しい問題が出題された場合に備え、実際の試験問題を解くときには、問題を解く順番をあらかじめ決めておくことが必要です。そうすることで、得点源となる基本問題をしっかり押さえることができ、合格に近づくことができます。

具体的には、日商簿記2級の試験が始まったら、まず全問題にざっと目を通し、今回の出題問題の全体感を掴みます。そのうえで、単純な計算問題が出題されることの多い工業簿記の第4問・第5問に手を付けた後、商業簿記の第1問・第2問に進みます。そして、比較的難易度の高い商業簿記の第3問は最後に解くようにします。
こうすることで、易しい問題から解くことができ、得点率がアップするはずです。ただし、それぞれの大問にかける時間配分には注意が必要で、第3問を解く時間が少なくならないように注意しましょう。

おわりに

今回は、日商簿記2級のうち商業簿記について、具体的な学習方法をご紹介しました。もし、皆様の日々の学習に活かせるものがあれば、ぜひ参考にしてみてください。

次回は、日商簿記2級のうち工業簿記について、具体的な学習方法をご紹介したいと思います。

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