「社会人1年短期合格のススメ」 Vol.13.日商簿記2級対策 Part1

目次

はじめに

ご存知の通り、クレアール公認会計士講座の学習カリキュラムでは、学習ガイダンスの後、まず「計算力養成期間」として、日商簿記3級から日商簿記1級までの学習を順番に進めます。その後、「公認会計士 短答式・論文式試験合格力養成期間」として、短答式試験・論文式試験の学習を進めます。

以前掲載したVol.7.およびVol.8.では、日商簿記3級に焦点を当て、その試験制度の特徴と具体的な学習方法の進め方をご説明しました。今回より、その続きとして、日商簿記2級に焦点を当て、その特徴をご説明します。

日商簿記2級の学習内容・意義

日商簿記2級では、日商簿記3級からステップアップした商業簿記に加え、原価計算を含む工業簿記を学習します。日商簿記3級では、簿記一巡の手続の基礎的なしくみ・考え方が問われていたものの、日商簿記2級ではより深度のある学習を通じて、簿記の知識をさらにインプットすることとなります。

世の中では、日商簿記2級は会計分野の業種に就くための登竜門のような位置づけとされており、取得すればある程度の会計知識を持った人材と認知されます。実際に、私の知人の中にも、日商簿記2級を取得し、異業種から経理職への転職に成功した方がいます。

私は、大学時代に日商簿記2級を受験し合格したのですが、日商簿記3級と比較すれば内容は複雑となったと感じました。また、新たに工業簿記が学習範囲に加わるため、幅広い学習範囲の復習等に時間がかかりました

日商簿記2級の試験科目・試験時間

日商簿記2級は70点以上合格の絶対評価方式の試験です。
出題数は全5問であり、第1問~第3問までが60点満点の商業簿記として出題され、残りの第4問~第5問は40点満点の工業簿記として出題されます。
近年の日商簿記2級は、試験範囲改定で日商簿記1級の学習内容が2級に移管されたこと等により、特に商業簿記の難易度が高まっているようです。私の周りで日商簿記2級を受験した方も、一発合格した方は一握りでした。

また、日商簿記2級の試験時間は90分です。一見すると、かなり長いように思われますが、実際は時間が全然足りません。私が実際に受験したときには、問題量と比較して試験時間は短く、試験終了時間ぎりぎりまでペンを片手に問題と向き合っていました。

日商簿記2級の受験方法・受験者数

日商簿記3級と同様に、日商簿記2級は以前は会場受験(統一試験)のみであったものの、2020年12月よりネットでの受験が可能となりました(ネットでの受験であれば、都合の良い時間帯を選び、日本全国各地のテストセンターで受験することが可能です。)

会場受験(統一試験)の受験者数は、以前は年間約12万人であったものの、ネット試験が普及したこともあり、近年は年間2~3万人に減少しています。

商業簿記はより実務的な学習論点が登場

日商簿記2級の商業簿記では、日商簿記3級で学んだ簿記の基礎知識を前提として、外貨換算・資本取引等の新たな学習論点が登場します。
これらの学習論点は、公認会計士試験の財務会計論でも頻出の重要論点ですので、日商簿記2級のうちから、その内容をしっかりと理解するようにしましょう。

また、日商簿記3級は企業単体の個別決算が前提となっていましたが、日商簿記2級では複数企業から構成される企業グループを対象とする連結決算を学ぶこととなります。
連結決算は、はじめのうちはそのしくみを理解するのにある程度時間を要するため、苦手意識を持つ受験生が多いです。一方で、日商簿記2級では必ず連結会計の問題が出題されますし、会計士試験でも必ず高配点の連結総合問題が出題されますので、決して苦手分野としないよう注意しましょう。

工業簿記の理解が重要

日商簿記2級では、日商簿記3級とは異なり、材料を仕入れ、加工し、製作した製品を販売する、いわゆる製造業で必要不可欠な工業簿記を学びます。
工業簿記のうち原価計算分野では、費目別原価計算・個別原価計算・総合原価計算・標準原価計算・直接原価計算等、様々な種類の原価計算方法を学ぶ必要があり、はじめのうちは今何を学んでいるのかよく分からなくなることが多々あります。

大切なのは、それぞれの学習論点の関連性を理解し、それぞれの原価計算の趣旨・存在意義を理解することです。公認会計士試験でも管理会計論(=いわゆる工業簿記)は必須の学習範囲ですので、日商簿記2級の学習段階から、その内容の理解を怠らないようにしましょう。

日商簿記2級の合格に要する時間

日商簿記2級の合格に要する時間は、およそ200~300時間と言われており、1日3時間学習時間が確保できるとすれば、2か月~4か月程度の学習時間を要します。ただし、工業簿記の独特の考え方の理解に手間取ったり、日商簿記3級の基礎知識の復習が不足している場合には、200~300時間以上の時間をかけることもざらにあるようです。

日商簿記2級は、あくまで日商簿記3級で身に付けた基礎知識がベースとなっていますので、必要に応じ、日商簿記3級も復習しながら、焦らず実力を身に付けていきましょう。

おわりに

今回は、クレアールの公認会計士講座の学習カリキュラム「計算力養成期間」における重要なステップのひとつである、日商簿記2級の試験制度・学習内容等の特徴について、ご紹介しました。

次回は、今回ご紹介した日商簿記2級の特徴を踏まえ、私が具体的にどのように学習を進めていたか、そのポイントをご紹介します。

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